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技能実習生の採用方法・採用企業の約97%が実施する「団体監理型」とは

技能実習生の受け入れには2種類ある!

団体監理型とは

事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体である「監理団体」が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等(実習実施者)に派遣し、そのサポートを受けながら技能実習を実施する方式を「団体監理型」といいます。技能実習のほとんど(97.2%(2018年末))がこれに該当します。

企業単独型とは

日本の企業等(実習実施者)が取引先等海外の現地法人、海外の支店、関連企業、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式を企業単独型といいます。

「企業単独型」の方式で技能実習生を受け入れるためには、受け入れ先の日本企業が以下の4つのうちのいずれかの海外の事業所を持っていることが条件となります。

  • 現地法人(現地の法律に基づいて設立された法人)
  • 合弁会社(複数の企業が共同で出資した企業)
  • 子会社(議決権の過半数を所有する会社)
  • 関連企業(議決権の20%以上を所有する会社)

もしくは、いくつかの条件を満たした外国の事業所がある場合も受入れを行うことが可能となります。

団体監理型の技能実習受け入れ

それでは97%の企業が行なっている「団体監理型の受け入れ」について詳しく見ていきましょう。

監理団体とはどんな団体?

監理団体とは、技能実習生を受入れ、その活動及び受け入れ企業へのサポートや監理までを企業に代わって行う団体のことです。原則として、技能実習生の監理団体は非営利でなければいけません。具体的には、監理団体は以下のような役割を担っております。

  • 定期監査と臨時監査、訪問指導
  • 実習にかかわる業務(送り出し機関の選定と契約、送り出し国での面接同行、受け入れ企業の技能実習計画作成に対する指導、技能実習生の入国手続き、入国後講習)
  • 技能実習生の保護・支援

監理団体の二つの区分とそれぞれの役割

監理団体には「一般監理事業」と「特定監理事業」という分類があり、それぞれ監理できる技能実習や許可の有効期間に違いがあります。また、一般監理事業の許可を受けることができるのは、実績を積み高い水準を満たした優良な監理団体に限られ、まずはどの団体も「特定監理事業」からスタートします。

  • 特定監理事業:技能実習1号~2号で、有効期限は3年または5年
  • 一般監理事業:技能実習1号、2号、3号で、有効期限は5年または7年

監理団体として認められる条件とは

監理団体として許可を受けるために、以下の要件に適合する必要があります。

  • 営利を目的としない法人であること
  • 事業を適正に行う能力を持っていること
  • 監理事業を健全に遂行できる財産的基礎を持っていること
  • 個人情報を適正に管理するための措置を講じていること
  • 外部役員または外部監査の措置を実施していること
  • 基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次ぎについての契約を締結していること
  • 第3号技能実習を行う場合は、優良要件を満たしていること
  • 監理事業を適正に遂行できる能力を持っていること

監理団体として許可される法人とは

監理団体として許可される法人形態は、具体的に以下のようなものとなります。

  • 商工会議所
  • 商工会
  • 中小企業団体
  • 職業訓練法人
  • 農業協同組合
  • 漁業協同組合
  • 公益社団法人
  • 公益財団法人
  • 前各号に掲げる法人以外の法人であって、監理事業を行うことについて特別の理由があり、かつ、重要事項の決定及び業務の監査を行う適切な機関を置いているもの

厚生労働省 技能実習制度運用要領 第5章監理団体の許可より引用

◆監理団体が監督をする「団体監理型」のメリット

団体監理型で技能実習生を探す場合は、人材の募集から入国に関わる手続きまで全てやってもらえるため、海外に拠点を持たない中小企業でも利用をすることが可能となります。そのため97%もの企業がこの団体監理型で技能実習生の採用を行なっているのです。

◇監理団体がサポートしてくれる業務

  • 入出国に係る事務手続きも代行
  • 送り出し企業との資本関係要件の緩和
  • 受け入れ人数の制限緩和
  • 配属までの日本語講習の実施
  • 専任担当者の配置
  • 組合専属の通訳スタッフの配置
  • 担当スタッフによる巡回サポート

例えば、書類に不備があるとビザが下りずに入国不可とってしまいますが、監理団体にお願いすればこのようなリスクを避けることができます。配属までの教育もサポート範囲となるため、学校探しの必要もありませんし、困った際には通訳のサポートもあり、定期的に実習生への面談などのフォローも行ってもらえます。

また監理団体としての許可を受けていれば、「無料職業紹介事業」の許可がなくても、技能実習に係る雇用関係の斡旋を行うことが可能となります。

不正行為の大半は団体監理型?団体監理型の問題点

企業単独型で技能実習生を雇用する場合、採用から研修まで全て自社で行うため、問題が起きてもすぐに把握・改善できる一方、技能実習生の受け入れをスムーズに進めることができる団体監理型には、大きな問題点があることも事実となります。

不当行為の件数が企業単独型に比べ、格段に多くなっていることに着目してみます。

◇不正行為の98%以上が団体監理型という事実

2017年に「不正行為」を通知した機関は213機関でしたが、これを 受入れ形態別にみると、企業単独型の受入れ機関は3機関(1,4%)に対し、なんと団体監理型の受入れ機関は210機関(98,6%)にのぼります。

法務省入国監理局 報道発表資料 平成30年2月19日より

ここに記載されている不正行為とは、以下のようなものです。

  • 最低賃金違反
  • 契約賃金違反
  • 賃金からの不適当な控除
  • 時間外労働に対する割増賃金の不払い
  • 残業時間等不適正
  • その他の人権侵害
  • 書類不備など

※平成31年3月28日 法務省 調査・検討結果報告書より

問題のあった監理団体を細かく見てみると、以下の通りです。

  • 事業協同組合90件(95.6%)
  • 農業協同組合2件(農協、2.2%)
  • 商工会2件(2.2%)

このように技能実習生の問題の多くは、団体監理型受け入れの事業協同組合(とその傘下企業)に集中していることがわかります。

団体監理型に不正行為が多い背景

農協や商工会などは歴史や経験も長く、規模も大きいため官公庁などの繋がりも深く、コンプライアンスもきちんとしており不当行為は起きづらいと考えられます。

その一方、事業協同組合は、技能実習生受け入れのために新設されたところも多く、ノウハウやスタッフが不足する組合や、受け入れ企業と近い関係の人たちで構成したために、監督が甘くなる組合があることも事実となります。

上記問題とは別に、監理団体のレベルに差があることも問題の大きな要因の1つになっていることも事実です。本来実習生にしなければならない実習やサポートもほとんど行なっていなかったり、実習生のフォローをせずに放置するなどの事例も上がっています。

こういったことに起因した実習生の失踪や生活苦、自殺などの悲しいニュースが流れるという現状もあります。

監理団体を選ぶ際、監理費の安さにつられて、しっかり事前調査をせずに監理団体を決めることは避けるべきであることをしっかりと心にとめておいて下さい。

「団体監理型」では、監理団体が海外の「送り出し機関」と提携し、現地での人材募集、から入国に関する一連の手続きなどを代行してくれるため、中小企業などでも、実習生を受け入れることができるという大きなメリットがあります。
半面、問題点も多く報告されていますので、きちんと事前に
  • 適切な運営がされているか
  • 適正な監理費であるか
  • 教育体制(日本語学校など)が整っているか
  • 適切に書類を作成・提出・管理しているか
  • 適正な知識や経験をもったスタッフが在籍しているか
  • 担当者の対応が誠実であるか
などを指標とし、信頼できる監理団体を選ぶことが重要となります。 技能実習生=悲劇となりがちな現状ですが、企業の人事担当者として見極める力をきちんと持って、監理団体を選んでいくことが、健全な制度運用に第一歩となるということを常に意識し、正しい選択ができるようにしましょう。

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