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海外人材Times

自治体からクレームが来る前に。各国のタバコ事情を知る

生活関連

2026.03.06

みなさん、こんにちは。
教えてタイムスくんのコーナーです。

今日は、路上喫煙にまつわる各国のタバコ事情をご紹介します。“郷に入れば郷に従え”とは言うものの、実はタバコのルールほど、国によって「当たり前」が違うものはありません。日本では当たり前の「路上喫煙禁止」や「罰金」というルールが、ある国から来た人には驚きの文化ショックだったり、逆に別の国の人には「日本はまだ甘い!」なんて感じられたりすることも?

登場人物
キャリアアドバイザー「伊能あやめ」:外国人雇用に取り組む企業や雇用される側の外国人人材が抱える課題を解決・サポートする業務に携わる弊社のキャリアアドバイザー。過去に青山智香と共に解決してきた事件はこちらから。

タンさん:ベトナム出身の技能実習生
アリさん:インドネシア出身の技能実習生
チャイさん:タイ出身の技能実習生
ジョジョさん:フィリピン出身の技能実習生

路上喫煙禁止条例

私の仕事は、企業と外国人材の間に立つ通訳者だと思う。言葉を訳すのではない。その背景にある文化や習慣を翻訳し、トラブルを未然に防ぐことをモットーとしている。——といっても、実際には“言うは易し(行うは難し)”で、どんなに事前に指導していてもなんやかんやとトラブルは発生してしまうわけで。

今日、私が訪れたのは、千葉県にある精密機器製造メーカーさんの事務所。ここの採用担当、野田さんは外国人雇用の推進に非常に熱心な人物だ。

「あやめさん、いつもありがとうございます。うちの4人——タンさん、チャイさん、ジョジョさん、アリさん。彼らは本当に真面目ですね。教えられたルールをきちんと守って仕事も熱心で、現場で重宝されていますよ」

野田さんはうれしそうにそう言って、工場の入り口にある掲示板を指差した。そこには、工場の方が作成した「タバコ禁止」のポスターが、各国の言語で分かりやすく貼られている。

「最近、近隣の工場仲間から聞いたんですよ。ある会社で受け入れた外国人材が、通勤途中に歩きタバコを繰り返して、自治体からクレーム入ったって。それだけじゃなく、近所の人から『◯◯工業で働く外国人はマナーが悪い』と通報まで入って、会社が謝罪に回る事態になったらしいんです。
そんなことを聞いてると、うちの子たちはちゃんとしてますよ。まあ、タバコなんて吸わないのが健康的にも金銭的にもいいんですがね(笑)」

私は深く頷いた。
「それは大変だったでしょうねー。日本の路上喫煙禁止条例は、多くの自治体で厳格化されていますから。特にこの地域のように指定区域で吸えば、即座に罰金(過料)の対象になる。本人にとっては“たかがタバコ”でも、企業にとっては“コンプライアンスの欠如”とみなされてしまうのえ」

野田さんはお茶をすすりながら、不思議そうに尋ねた。

「そう考えてみると……彼らの国ではもっと自由なんでしょう? なぜその子らは、そんなに何度も注意されても止めなかったんでしょうかねぇ」

たしかに。あまり考えたことはなかったが、国によって喫煙のルールはきっとさまざまなはず。日本よりも厳しい国もあれば緩い国もあるだろう。

私は各国のタバコ事情について調べてみることにした。

各国の喫煙ルール・タバコ事情

  •   ● ベトナム(タンさんの母国):ベトナムでは、街角の低い椅子に座ってお茶を飲みながらタバコを吸うのが、ごく一般的なコミュニケーション。歩きながら吸う人も多く、路上は『吸うのが当たり前の場所』という感覚。日本のような『路上=禁煙』という発想そのものに馴染みがない。

  •   ● インドネシア(アリさんの母国):インドネシアは世界有数の喫煙大国。彼らが好むクレテック・タバコは、吸うとパチパチと音が鳴り、甘い香りが漂う。彼らにとってタバコは、仕事の合間の活力源。禁止されている場所でさえなければ、どこで吸っても良いという開放的な雰囲気がある。

  •   ● タイ(チャイさんの母国):タイは日本以上に厳しい。公共の場での喫煙は厳禁で、パッケージには肺がんの生々しい写真が義務付けられている。特に電子タバコは、持っているだけで逮捕されるほどのリスクあり。チャイさんのように、タイから来た子がルールを守ろうとするのは、その怖さを肌で知っているからか…?

  •   ● フィリピン(ジョジョさんの母国):フィリピンも近年、公共の場での喫煙が徹底的に排除されている。厳しいルールがあること自体は理解していても、1本単位でタバコを売買する文化があるため、“短時間でさっと吸って火を消す”という器用な真似をする人が多いらしい。

「——ってことみたいです」

「なるほど、ぜんぜん違うんですねえ!」

野田さんは感心したようにうなずく。私もここまで詳しくなかったので、タンさんやアリさん…の顔を思い浮かべながら彼らが育ってきた母国の環境に思いを馳せた。

「つまり、そのトラブルを起こした会社の子も、悪気があってやったわけではなく、単に“自分の国の当たり前”が、日本では“罰金を取られるほどの事態”だという深刻さがピンときていなかった、ということなのかなあ」

「どうでしょうかねー?それこそ、そのために私たちみたいな役割の人間がいて、事前指導しますから。
逆に私たち日本人が相手国のルールを知らずに旅行先でトラブルにもなりかねないなって気がしますね。タイなんて、電子タバコ持ってるだけでアウトですもんね。うっかり持って行こうとしたら空港で没収?いや、罰金取られちゃいますよ」

「本当ですね。その国ごとのルール、ちゃんと知っておかないと……」

最後の一口のお茶を口にしたところで、ちょうど昼休みのチャイムが鳴った。

工場の裏手に回ると、例の4人が喫煙スペースでタバコを楽しんでいた。厳密にいうと、タイ出身のチャイさんは他の3人に付き合っているだけのようで、元々タバコは吸わないタイプらしい。
彼らは私たちの姿を認めるとタバコの火を慌てて消し、礼儀正しく頭を下げた。

「あやめさん! 久しぶりですね。今日はどうしましたか?」

そう言って真っ先に駆け寄ってきたのは、いつも元気なインドネシア出身のアリさんだった。その後ろから、タンさん、ジョジョさんもニコニコと笑いながら近づいてくる。チャイさんは、少し離れたところでコーヒーを片手に会釈をしていた。

「みんな、元気そうね。仕事の調子はどう?」

私が尋ねると、リーダー格のタンさんが「バッチリです!」と親指を立てた。

「あのね、さっき野田さんと他社のトラブルの話をしていたの。通勤途中に歩きタバコをして、近所の人に怒られちゃった人がいるんだって」

私の言葉に、4人の表情が少しだけ引き締まった。フィリピン出身のジョジョさんが、手元の灰皿を指差しながら言う。

「それはダメですね。日本のルール、細かいですが理由がある。あやめさん、前に教えてくれました。『歩きタバコは、子どもの目線の高さに火があるから危ないでしょう』って。私はフィリピンに子どもがいます。もし誰かのタバコで子どもの目が傷ついたら、すごく悲しい。だから、そう思って絶対しません。フィリピンに帰ったときもタバコの火、気をつけるようになりました」

ベトナム出身のタンさんも深くうなずいている。

彼らは、単に“条例(違反)=罰則”という無機質な記号として捉えているわけではなかった。私が伝えた「なぜそうしたルールがあるのか」という背景にある、他者への配慮を、彼らなりの感性でしっかりと受け止めていたのだ。

そんな彼らを見つめながら、野田さんが感心したように声を漏らした。

「いやあ、そうだね。君たちはよく働いてくれるし、素晴らしいよ。あやめさんがしっかり指導してくれたおかげもあるけれど、自分の心で納得してくれているのがうれしいね」

「そうですね。ルールを縛りだと思うと鬱陶しく感じるかもしれないけど、大切な人を守るためのマナーだと思えば、ちゃんと身につくのかもしれませんね」

すると、インドネシア出身のアリさんが声をあげた。

「それに、罰金は払わないと、みんなでおいしいものが買えますね。そのお金、タバコも買えますから。もったいないですよ!」

その場にどっと笑いが起きた。コーヒーの缶を眼前で揺らしながら、タイ出身のチャイさんも会話に参加する。

「私は吸わないですが、ルールは大事です。たとえば、この缶もブルーのボックスに捨てます」

そう言って、建物脇に並んだカラフルなゴミ箱を指差す。

「よし!じゃあ、みんな、お昼休み終わったらまた頑張ってね。野田さん、また来月の頭に面談と寮の巡回に来ますんで」

「ええ、お願いします。次はゴミの分別の極意でも教えに来てください(笑)」

私は軽く手を振り、彼らの清々しい笑顔を背に受けながら、春の日差しが煌めく駐車場へと向かった。
トラブルを未然に防ぐというのは、ただ禁止事項を並べることじゃない。彼らのプライドを守り、日本での生活をより豊かにするための「知恵」を共有することだ。

車に乗り込み、アクセルを軽く踏む。さて、次の“翻訳”現場では、どんな物語が待っているだろうか。

#タバコのルール



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ストーリー中のキャリアアドバイザー青山智香がおこなう、寮の巡回を含むさまざまなサポートは【LifeSupport(外国人生活支援サービス)】によるもの。

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