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海外人材Times

企業も海外人材もWin-winに “世の中の面倒事”を引き受けるプロスグループの取り組み

生活関連

2026.02.17

“食べることは生きること”――。

 

私たちが生きていく上で食事は欠かせず、また食事次第で人生は豊かにもなるし、貧しくもなる。

そんな私たちの生活を陰で支えるのが、他でもない飲食製造業だ。

 

プロスグループは製造工程・物流工程の「構内請負事業」や「人材派遣事業」「製造受託事業」など様々な角度と方法で日本の飲食製造業を支える企業だ。

また、およそ20年前より海外人材の活用を始めており、最近では機械加工・溶接などの技能訓練も出来るようになるためのカリキュラムをグループ訓練施設でスタートさせる等、海外人材活用の最前線に立ち続けてきた企業でもある。

 

プロスグループが長い時間をかけて築き上げてきた海外人材活用に向けたプラクティカルなノウハウは、製造業のみならず多くの企業にとっての学びを秘めていた。

 

■プロフィール

プロスグループ 営業企画部 キム・チェイさん

タメ口では通じない?――コミュニケーションの意外な落とし穴

今回ご登場いただいたキムさんは韓国籍。ご自身も技人国ビザにより日本で就労する“海外人材”の1人だ。20歳のときにワーキングホリデーで日本にやってきたキムさんはそのまま日本で就職。数社での経験を経てプロスグループに入社した。

そんなキムさんは自身の体験も踏まえながら、海外人材が日本でぶつかりがちな「壁」について話してくれた。

 

「日本語で難しいのは、謙譲語や尊敬語など敬語にも種類がたくさんあることです。私の母国語である韓国語には日本語でいう「です・ます」のような敬語があるだけなので、私自身もビジネスシーンで使う言葉遣いに最初は戸惑いました。日本に来るために日本語の勉強はしていたはずなのに、店員さんの言葉が丁寧すぎて意味が分からないということもありましたね。

弊社にやってくる海外人材の方はN2やN3を持っている方も多いですが、同じような躓きを感じやすいと思います。たとえば、日本語を学ぶ時は敬語を中心に学ぶので、『○○をやってください』と言われれば分かるけれど『○○やっておいて』だと何を言われているのか分からなくなってしまうんです」

 

そのため、プロスグループでは海外人材に向けた日本語研修や専門用語を解説するテキストの配布などに加え、日本人社員に向けても「より分かりやすい/伝わりやすい言葉を使うための研修」や「異文化理解を進めるための研修」などを実施している。

 

「海外人材だけに求めるのではなく、お互いに歩み寄って学んでいこうというのが弊社の基本的なスタンスです。とはいえ、もちろん何でも用意して整えてあげるというわけではありません。

たとえば、現場では同じ国同士の従業員であっても可能な限り日本語でコミュニケーションを取るよう推奨し、実践してもらっています。

たとえN2、N3を持っていても、試験は読み書きと聞き取りが中心で話すことが含まれません。飲食業やホテル業に従事していると、普段から日本語を使う必要があるので話す方の上達も速いのですが、製造の現場だと日本語を話す業務が多いではないので、「指示は理解できるけど自分がしゃべりたいことを上手く喋れない」という状況が生まれやすいんです。でも、思っていることや要望、悩みを伝えることができないと、結局独りで抱え込んで退職に繋がってしまいます。そうしたことを防ぐためにも、コミュニケーションには力を入れていますね」

そんななか、プロスグループが目下、尽力しているのが特定技能2号の取得に向けた海外人材のサポートだ。

2号では1号で存在する5年間の在留期限がなくなり、海外人材であっても日本で長く働き続け、キャリアを築きやすくなる。海外人材活用にすでに取り組んでいる

プロスグループでも、2023年に施行された適用範囲の拡大以来、2号試験合格へ向けた取り組みが行われてきた。直近でも2名の合格者を出しているものの、まだまだ試験合格に向けた効果的な攻略法を企業として模索している段階だという。

 

「2号試験は日本語の勉強に加えて、従事している業種の専門的な勉強も必要なため、難易度は高いです。製造業だと合格率は30%程度の場合もあります。中には日本人でも分からないくらい難しい問題が出題されているので、会社としては勉強時間が確保できるように業務時間の配慮をするなどして少しでも合格率が上がるようにサポートをしています」

 

培ったノウハウの展開――企業も海外人材も幸せに

プロスグループは自社事業所内での海外人材の雇用に留まらず、技能実習生を多数雇用している実績のあったGファクトリー(または製造系派遣会社)をM&Aし、そのノウハウを生かした外部へのサービス展開を積極化させるなど、業界における海外人材活用シーンを牽引してきた。

ノウハウの展開はもちろんビジネスとして合理的な選択だが、その根底にはプロスグループの行動理念にも掲げられる「社会的責任」を果たすという姿勢が色濃く反映されている。

 

「代表取締役の白井がよく言っているのは『世の中の面倒くさいことこそ、率先して私たちがやろう』ということです。海外人材を採用することは人材不足を補う有効な手段ですが、手続きは難しく煩雑で面倒くさいことですし、日本人を採用するよりコストも手間もかかります。時間をかけて自社で取り組んできた結果として、海外人材採用をゼロから進めていくことは大変だということが分かっているからこそ、それは“私たちが取り組むべきこと”でもありました」

「また、昔はせっかく来てくれた海外人材の方が職場に馴染めなかったり、給料のトラブルがあったり、嫌な思いをしてすぐに辞めてしまい、企業側も採用や教育にかけたコストが無駄になってしまうというようなことも少なくありませんでしたよね。

これには、企業と海外人材双方がWin-winになる環境を作りたいと思っていても、作り方が分からないということが影響しているのではないかと思っています。だから私たちがノウハウを提供することの根底には、単に企業をサポートするだけではなく、企業もそこで働く海外人材もお互いに「よかった」と思えるようにしていきたいという思いがあるんです」

 

実際、プロスグループが長い時間とともに培ってきたノウハウにはとてつもない凄みがある。なんと直近1年以内に新規採用した海外人材の定着率は100%、直近5年で見ても定着率は71%を超えるという。2025年に実施されたあるアンケート調査では、1年以内の定着率が70%以下だと回答した企業が全体のおよそ3分の2を占めるなかで、プロスグループのこの数字はまさに驚異的だ。

海外人材採用に取り組む多くの企業が、採用後の定着率に課題を抱えているなかで、この数字の凄まじさはそのままプロスグループの取り組みの成功を揺るぎないものにしていると言っていいだろう。

その驚異的な数字を維持し続ける秘訣について、キムさんは次のように話してくれた。

 

「私たちは、ただの人手だとは思っていません。相談に乗ったり、本人が希望した場合、母国語が可能な方も同席して行う面談などの対応もしています。

また、海外から日本に来て働いてもらうということは住む場所などの生活のサポートも必要です。弊社ではどんなに細かいことでも、可能な限りは担当の人が話を聞けるような環境づくりを心がけています。それが定着率に直接繋がっているのかは分かりませんが、気持ちよく働ける、暮らしていけるためのサポートは大小惜しまないということは私たちが徹底していることだと思っています」

 

プロスグループで見つけた企業の未来

およそ20年前から海外人材と歩んできたプロスグループ。その成果の実感はどのような部分にあるのだろうか。

 

「製造業は“頑張って何とかする”という現場が多かったんです。人がいないなら1人あたりの労働時間を長くして無理をする。そうやって人手不足をなんとかカバーしていました。

けれど海外人材の採用とその後の融合がスムーズに行えるようになったことで、既存の従業員が無理をしなければならない場面は減ったと思います。海外人材だけでなく、従業員全ての働き方がワークライフバランスの意味で向上したというのは大きな成果として実感しています」

 

また、キムさんの口からは自分自身が就労ビザで働くからこその実感もこぼれる。

 

「日本の制度はとても厳しく、しっかりしていて、私はそれがとてもいいと思っています。ビザの制度のなかで働く必要があるため、海外人材の場合、当日の無断欠勤や入社日に来ないというようなことが起こりづらいです。体調不良などで欠勤する場合も報連相がきちんと行われるので、現場管理者の勤怠管理の手間は省けている実感を感じて頂けています」

 

キムさんは「20年後や30年後といった近い将来、海外人材の受け入れをしないと事業が成り立たなくなることも出てくるかもしれない」と展望を口にする。

もちろんキムさんのこの予測は根拠がないものではない。実際、総務省によれば生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少することが見込まれている。女性の活躍や高齢者の再雇用などが積極的に進められてはいるものの、生産年齢人口の減少には歯止めが効かず、ひょっとすれば20年よりもっと早く、人材不足により事業活動がままならなくなる企業が増加することすら考えられる。

しかしプロスグループが四半世紀近くもの時間をかけて組織を成熟させてきたように、海外人材も安心して働ける環境や文化づくりは一朝一夕には作れない。だからこそ、海外人材は人材不足を解決するための価値あるオプションとして、各業界・各企業が今まさに真剣に検討していくべき施策なのだ。

しかし、“言うは易く行うは難し”である。実際に採用する立場となれば、様々な不安が付きまとう。

 

「弊社とお取組みを始めたお客様のなかには『技人国ビザの人ってどんな人が来るんだろう』というように海外人材を採用していくことへの不安を抱えている人もいます。そういうときは『私も技人国なので、きっと私みたいな人が来ますよ』とお伝えしています」

 

軽やかな笑顔でそう話すキムさんの姿は(海外人材に対するハードルが高くなりすぎるのではと心配になるほど)頼もしい。

実際、取材をしている間も自然かつ流暢な日本語と細やかな気遣いのおかげか、外国人と話しているという意識が記者に芽生えるようなことは一切なかった。プロスグループで見つけたものは、多くの日本企業が辿り着くべき未来の一端なのかもしれない。

■取材協力

プロスグループ

住所:

〒220-0004

神奈川県横浜市西区北幸1-11-15 横浜STビル15F

URL:https://pros-co.jp/

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