全国対応エアコンクリーニング 海外人材採用“1年目”のリアル【株式会社グッドハウス】
2026.01.07
人手不足が「日常」となった現代。労働力確保のために「海外人材」の雇用に乗り出す企業が増えている。
一方で心理的なハードルは根深い。現場に手が足りないのは事実だが、どう採用するのか? 入職後は仕事をどう教えるか? トラブルは起きないのか? など、未知であるがゆえの不安は大きいだろう。
そこで、本連載では海外人材活用の第一線を走る企業に取材。業界・職種を問わず最適な第一歩を踏み出し、新しいビジネス共創力と競争力を得るための人事戦略とマインドセットを探る。
今回のインタビューは、エアコンの取付け・メンテナンスを事業の柱とするグッドハウスグループ。
エアコンは個人の家庭からオフィスビルまで必須の設備だ。通年を通して必要になる機器メンテナンスの現場を若返らせはじめたのが、「エアコンを見たこともない人もいる」というインドネシア出身の外国籍スタッフ。
その採用&教育のリアルとは? 同社代表と事業部長に聞いた。
■PROFILE

株式会社グッドハウス
西本良一 執行役員社長
株式会社レンタル&クリーニング
松吉勇也 統括本部長
若手離れ&繁忙期対応 エアコン清掃ビジネスの業界課題
グッドハウスの創業は1999年。一般家庭向けのハウスクリーニングを祖業に成長し、12〜13年前から空調機器の清掃事業を開始した。同社・西本良一社長はこう語る。
「現在は札幌から九州まで全国21拠点を展開し、従業員約180名という事業規模です。エアコン関連の売上の比率では、現在は、8割が一般家庭向け・2割が業務用。近年ではダイキン様と協業して、エアコンのクリーニングに加えて設置・入れ換え業務にも参入しています」

株式会社グッドハウス 西本良一 執行役員社長
エアコン大手であるダイキンとの協業も開始し、今後は業務用に舵を切っていくべきタイミングだという。事業が順調に大きくなってきたなかで経営課題に浮上したのはやはり「人手不足」だ。
「建築関連業界ではどこでも同じですが、若い方がまっさきに憧れる仕事にはなりにくいですね。現場の高齢化も進んでいました。しかもエアコンは季節商品で、メンテナンスや入れ換えには明確な繁忙期があります」
エアコン需要の盛り上がりは夏季・冬季に集中。稼ぎ時に働き手が足りなくなってしまうのだ。そこで大きな助けとなりつつあるのが「海外人材」だ。
「現在、当社にはインドネシア人の技能実習生が4名在籍しています。現在は関東エリアを中心に活躍してくれています。彼らは寮で共同生活をしながら規律正しく働いており、現場スタッフからの評価も高いですよ」
今後は採用を増やし、関西エリアでも海外人材に活躍してほしいと西本社長は話す。—— しかし、知見がないなかでどのように採用したのか?
「エアコンがない国」の採用事情
グッドハウスが海外人材に目を向けた背景を聞いた。
「もちろん、何もわからないところからのスタートでした。きっかけは、長年お付き合いのあった工務店・ROY株式会社さんです。同社がインドネシアに日本の建築関連スキルを学べる実習施設を立ち上げた2024年に、現地の開校式に招待いただいたんです」(西本社長)
ROYは本連載でも登場歴がある神奈川県・川崎に拠点を置く工務店だ。日本の施工技術・マナー・建築の業界用語教育までインドネシアで一貫指導する教育施設を持ち、自社の熟練の職人を「教育係」として現地派遣までしている。しかし、グッドハウスのビジネスならではの不安要素もあったという。

インドネシアにあるROY 建築研修センター 画像提供:ROY株式会社
「インドネシアでは日本ほどエアコンが普及していません。『エアコンを一度も見たことがない』という人も普通にいますから、雇うことができても仕事になるのだろうか? という不安はありました。しかし、実際に現地の方々に会えて決心がついた部分はありますね。彼らは日本で技術を身につけたいという意欲がとても強い。これはいけるかもしれないと」
インドネシアは正社員雇用はほとんどなく、海外で働くことがキャリアの前提になるため海外での就労には積極的だ。とはいえ採用は慎重にならざるを得ない。日本に帰国後、まずはオンライン面談を繰り返した。

「面談したのは、20代前半〜30代の若い男性を数名。初回面談では日本語がほとんど話せない状態でしたね。こちらが質問しても、頑張って暗記した模範解答を読みあげているのがわかりました。でも『2か月後に再面談するから、日本語を勉強してみてほしい』と伝えたら、次は見違えるように話せるようになっていたんですよ。もちろんN1、N2という高いレベルにまでは達しません。しかし伸びしろがあると感じました。最終的には元気の良さや表情、態度で判断しました」
採用までの期間は半年以上。こうして初年度の採用が決まり、就労がスタートした。そのきっかけは、まず「海外人材を直接見ることができた」経験ではないだろうか。海外人材活用を検討している企業の人事担当者にも視察をすすめたい。
グッドハウスのように現地まで足を運ぶことはできなくても、コネクションがある日本企業で海外人材活用を行っているところがあれば、ぜひ見学してみてほしい。
海外人材の教育は「日本人のモチベも上げる」
そして受け入れ後には「教育」という課題が待っている。グッドハウスのグループ会社でエアコンクリーニングの現場を統括する松吉さんに、入社後の育成について聞いた。

株式会社レンタル&クリーニング 統括本部長 松吉勇也さん
「研修方針は日本人と変わらず、先輩社員と同行して技術を覚えてもらう現場での実践(OJT)が中心です。エアコン清掃は構造理解が重要で、まずは機器を分解して故障しやすい箇所を教え、部品交換などを習得していきます。やり始めてみると、飲み込みが早いことに驚きました」
インドネシア人材は非常に真面目でサボることがなく、日本語の勉強にも努めているという。さらに外国籍ならではの生活面での工夫も多い。
「お客様のご家庭やオフィスには主に電車で向かいますが、日本の路線図の複雑さには疲れてしまうようですね。それでも、スマホの乗換案内を使って頑張ってくれています。コミュニケーションの面からは日本人にとっても学びがあります。基本のツールはLINE。読みにくいだろうと気を使って、訪問先の住所を『ひらがな』で打って送っていたんですが、『検索するので漢字でそのまま書いてください』と言われて(笑)。社内みんなで試行錯誤しているんですよ」
もちろん、日本とインドネシアという異なるバックグラウンドを持ちながら一緒に働くことは、ラクなことばかりではないだろう。しかしこの1年、ともに仕事をしていると新しい職場像が見えはじめている。
「課題はまだまだありますよ。修理技術ももっと習得してほしいし、日本人のお客様の家庭に外国籍のスタッフがひとりで入っていくには心理的ハードルが高い。でも、現場でひたむきに勉強しているインドネシアの方の姿を見て、日本人の社員が『初心に返る』というんです」
海外人材を採用する人事担当者へ

人がいない現場では、外国人だから、日本人だからという区別はなく、真面目に働いてくれればそれで十分。
海外人材活用にとっては、私たち日本人の常識や偏見が一番の壁なのだと思います。だからこそ、面接は時間をかけるほうがいいでしょう。自分たちでもゆっくり時間をとり、考えを変えるためにも。
当社も、インドネシアから人材を受け入れるまでは確かに不安がありました。しかし、実際に受け入れてみると、ほとんど杞憂に終わるはずですよ。
取材協力:
株式会社グッドハウス
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