株式会社イクタツで働く外国人労働者の素顔に迫る社員インタビュー。今回は、食品工場で働くインドネシア出身のアメリア サプトリさんにお話を伺います。



アメリア サプトリ（AMELIA SAPUTRI）さん
インドネシア ジェパラ出身　22歳　女性

薬剤師の勉強をしながらも、大学を中退し19歳で日本へ。留学生としてアルバイトを経験した後、株式会社イクタツに入社。「日本で長く働くには適切なサポートが必要」と語る彼女が思い描く未来とは？

目次

1. 1.父の言葉を胸に、日本で働くことを選んだ私。
2. 2.(株)イクタツで初の食品工場での仕事に挑戦！
3. 3.日本での生活は悲喜こもごも？！
4. 4.「外国人労働者」として生きる。将来の夢は？

1.父の言葉を胸に、日本で働くことを選んだ私。

━━子どもの頃の夢は？
子どもの頃は薬剤師になりたいと思っていました！理由は、病気の人を助けられるし、収入も多く（インドネシアでは500万～600万ルピア、日本円にして860万円～1030万円ほど）豊かな生活が送れること。また、病院と薬局のどちらでも働くことができ、職に困らないと思ったからです。

━━なぜ、日本で働きたいと思いましたか？
高校卒業後は大学で薬学を学んでいました。でも父は「まだ若いし、海外（先進国）で勉強するチャンスがあるのだから率先して行くべきだ」と言いました。実際に、インドネシアの大学を卒業してもすぐには就職できず、失業者も多い状況があったので、大学を中退して日本で働くことを考え始めました。また、父の友人がインドネシアに日本語学校を所有しており、日本への留学や仕事をあっ旋してくれる関係で、日本を選んだというのもあります。日本で働くことを決めてからは4カ月ほど日本語学校で日本語を勉強しました。

最前列ちょうど中央にいるのが私。卒業式でした！

━━(株)イクタツに入社する以前に仕事はしていましたか？
以前は留学生として、２つアルバイトを経験しました。
１つ目は静岡県の袋井にある工場で、犬や猫の餌を袋詰めして段ボールに入れる仕事でした。日本語学校の先生の紹介で友人と一緒に入社しました。私たちが初めての外国人雇用で、もちろん初めてのインドネシア人！…でしたが、働いている皆さんはとても親切な人たちで気兼ねなく接してくださって助かりました。

ただ、入社して初めの頃は言葉（コミュニケーション）に苦労しました。相手の言っていることは多少理解できても、自分側の内容を流暢に説明したり、楽しく雑談したりすることができず、もどかしい思いをしました。友達と同じ職場に配属されたことが救いで、社長も時々仕事場を見に来てくださって、そういう点はうれしかったですね。

日本語にも多少慣れてきて、1年後に掛川にある居酒屋でも働き始めました。バイトアプリからお店のことを知って、店長に電話相談（直談判）してみました。こちらも、私が初めての外国人雇用でした。インドネシアには漢字がないので、漢字の読みに慣れず、食べ物や飲み物の名前、特にお酒の名前など、わからないものがたくさんあり大変でした。



━━前職で大変だったことは？
工場も居酒屋の仕事も、どちらも働いてみて1番大変だったことは漢字の理解でした。でも、日本で働くからには仕事で困らないように、漢字の勉強は必須です。

━━前職を辞めるきっかけは？
留学生としてアルバイトしかしてこなかったので、日本で長く働けるようにと考え、特定技能ビザを取得することにしました。でも、すべての会社が特定技能2号を受け入れ、サポートしてくれるわけではないので、仕事探しは困難でした。

2.(株)イクタツで初の食品工場での仕事に挑戦！

━━なぜイクタツさんで働こうと思いましたか？
特定技能2号のサポートがあり「夜間勤務」「東京近郊」この2点が叶う職場をSNSで探している中で、イクタツさんの求人を見つけました！

━━いま、どんな仕事をしていますか？働いてみての感想を教えてください！
私は今、おにぎりを製造するラインで働いています。
具体的には、おにぎりの具材の仕込み、炊き上がったご飯を機械に入れる作業、機械に海苔を入れる作業、出来上がった商品を受け取り、箱に詰めて店舗に配送する作業など、さまざまな業務にあたっています。1時間ごとに作業のローテーションがあるので、飽きることなく色々な仕事を覚えることができています。

イクタツさんの職場の雰囲気は、和気あいあいとしています。同郷の先輩がいて心強いし、現場の上司も優しく気遣ってくださるので特に難しいこともありません。食品加工工場で働くのは初めてだったので、最初は仕事のルールや順序に慣れず苦労しましたが、皆で協力し合って仕事をしているので、業務に偏りがなく疲弊感もありません。

でも、もし困ったことがあれば仕事面は上司と、生活面は支援機関の担当者としっかり相談するようにしています！

3.日本での生活は悲喜こもごも？！

━━休日はどんなことをしていますか？
休日は、もっぱら買い物と料理をしています。子どもの頃から母の料理を手伝うのが好きでした。今はTIKTOKでレシピを探したり「あの味が食べたい！」と思った時には母に聞いたりしています。1番自信のある料理はチキンスープです。

━━日本のどんなところが好きですか？
食事がおいしいところが好きです。
また、昔から続く日本の文化、例えば年中行事のようなものに興味があります。以前、住んでいた掛川では毎年10月上旬に「掛川祭」という祭りが行われており、日本一の大きさを誇る大獅子は無病息災をもたらすものと信じられていました。町内がお祭り一色に染まり、賑やかで楽しかったですね。

掛川市観光サイトより、仁藤の大獅子
━━日本のどんなところが嫌い（苦手）ですか？
台風や地震といった自然災害は怖くて嫌いです。何度か経験しましたが、まったく慣れられません！！！それから、日本は税金や物価が高く、料理好きな私にとっては痛手…。日本では手に入りにくい調味料などもたくさんあり、料理をしていると故郷（の味）が恋しくなります。

━━母国の家族、友人とは週に何回ぐらい連絡を取り合い、どんな話をしますか？
母とは毎日のように連絡を取り合い、生活や仕事の話をしています。母は私のことをいつも心配しています。友達とは近況報告を兼ねてSNS でやりとりしています。お互い、住む場所も環境も違うので新鮮ですね。

4.「外国人労働者」として生きる。将来の夢は？

━━将来の夢を教えてください！
父が建築士なので、インドネシアに帰って自分のレストランを開きたいです。レストランの真ん中にいけすを作って、お客さんがその場で魚を釣って私が料理するスタイルのレストランを夢見ています！！

━━これから日本で働こうとする人たちに伝えたいこと
イクタツさんの仕事環境は、難しいことがあればいつも周囲の方々が助けてくれるので今のところ悩みなどはありません。でも、もし、そうではない環境で働いている方は、困りごとや悩みを感じたままにせず、相談相手がいる良い職場を探した方がいいと思います。働く環境は、後のキャリアプランにおいても非常に重要です。

また外国（日本）での生活は楽しいことばかりではありませんが、私自身はそこに暮らす人々（日本人）だけでなく、多国籍の友達、知人ができることは人生においてもプラスになると思っていますし、そうした気持ちで何事にも取り組んでいます。

最後に、日本とインドネシアの気候は全く違うので冬の寒さには要注意！防寒対策グッズを準備しましょう（笑）。


右から3番目、ヒジャブを被っているのが私です
アメリアさん、ありがとうございました。今後益々のグローバルな活躍を期待しています。また、ぜひ将来の夢を叶えてくださいね！

終