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入社直前に、まだ前社を退職していないことが発覚!
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件簿Vol.19

生活関連

2025.02.21

これから外国人材の雇用を予定している人もそうでない人も!!

異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。

この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き

「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」

のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。

キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件ファイルVol.19
入社直前に、まだ前職を退職していないことが発覚!

ワタシ、伊能ゆりなは外国人材を雇用する企業や雇用される側の外国人が抱える課題を解決、サポートする業務に携わる、いわゆるキャリアアドバイザー。日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。
実はこれまでもメンバーとともに珍事の解明に取り組み、全国を走り回っている(これまでの珍事はこちらからどうぞ)。

ひとえに
「外国人雇用の現場は予想だにせぬ出来事の連続である」
今日はそうした珍事をつまびらかにしながら私たちの仕事を紹介していきたいと思う。

あわや不法就労?に!

今回は、晴れて宿泊事業を運営する会社から内定をいただき、入社が決まったギアさんのお話。

ギアさんは現在、埼玉のとあるお菓子製造工場で働いている。念願叶ってホテルへの転職が決まり、入国管理局に在留資格変更手続きの申請を出したのが昨年11月。それから約3か月が経ち、ようやく許可が下りたのが本日、2月5日だった。

「ホテルで制服を着て、フロント業務の仕事がしてみたい」と夢を語っていたギアさん。我々もなるべく早く関係各所の手配を進め、無事に転職できるよう事を運ばねばならない。心待ちにしているであろうギアさんの顔を思い浮かべながら、早速電話してみる。…が、この時間はあいにくの留守だった。



━お昼を回った頃、ギアさんから折り返しの電話が鳴った。

「ギアさん!久しぶり。急に電話してごめんね。在留資格変更許可が出たみたいね?おめでとう!引っ越しのサポートをするから、最短でいつ頃いけるか教えてくれる?」

「ああ、ゆりなさん!久しぶりですね。いま、昼休みです。引っ越しですね?えっと……」

「え?昼休みって、どういう……。もしかしてまだ働いてるの?!」

「はい、そうですね」

「この前、面談したとき12月には引っ越しするって言ってたじゃない?」

「えー?あ、はい。そうですね。仕事しないともったいないですから」

なんと!
ギアさんはまだ例のお菓子製造工場で働いていたのだった。確かに、許可が下りるのを待つ間、一時帰国する人もいるが、渡航費用も馬鹿にならない。日本に残って無職となり待機するだけの日々にもどかしさを感じる人も多いだろう。

だが…。
新しい在留カードを受け取った後に、前の会社で働いていたらそれは違法だ。今回は受け取りをする前に事態が発覚してよかったが、とはいえ現在働いている会社の方々には迷惑がかかってしまう。就業規則は外国人にも適応されるので、雇用主に対して1カ月前には退職の旨を伝えなければない。



「ギアさん、そしたら私からも担当の〇〇さんにご連絡するから、まずは自分で退職の旨などお話ししてくれる?このまま新しい在留資格取りに行ったら、大ごとになるからね?それから、次の××株式会社さんにはいったん私の方から事情を話しておくから!」

電話を切ると、私は急ぎ支援機関の担当者と企業の担当者の方々に連絡を入れたのだった。

在留資格変更許可を申請する際の手続きの流れ

さて、そんなこんなで企業担当者様には色々と融通していただいて、事件発覚後の翌週には転職、引っ越しを済ませることができた。

実は新たな在留資格を受け取るにあたり、今回のように前職を辞めてないケースは思いのほか多い。通常は内定が出た時点で、次の企業での就業許可が出るのを2ヶ月後と仮定して(場合によっては1カ月半、長ければ3か月かかる場合もある)退職日を決定するのだが、ギリギリまで働いていたいからと前職を辞めずにいて、許可が下りてからトラブルに発展してしまうパターンは時々ある。



在留資格と活動内容は常に紐づいていなければならないので、転職前の活動をする限り、現在持っている在留資格である必要があり、逆に言えば、転職後の活動を始める際には変更申請の手続きが完了している必要がある。転職にあたり申請をせぬまま、または今持っている在留資格のまま滞在し続ければ「不法就労」とみなされる。

ちなみに、不法就労とは

・不法滞在者や被退去強制者が働くケース
・出入国在留管理局から働く許可を受けていないのに働くケース
・出入国在留管理局から認めたられた範囲を超えて働くケース

のいずれかに該当するケースであり、悪気の有無に関わらず今回のようなケースは違法となるので注意が必要だ。



改めて、基本的な順序をおさらいしよう。大まかな流れは以下の通り。

前職の退職
場合によっては在留資格変更手続き完了まで3か月ほどかかることもあるので、余裕を持って退職手続きを進める。

在留資格変更許可申請
出入国在留管理局(申請人の住居地管轄または勤務先所在地管轄の地方出入国在留管理局)に申請。事前に、変更後の在留資格に応じた必要書類を準備しておく。申請の際には在留カードの原本とパスポートを持っていくこと。

許可(通知)
審査の結果、特に問題がなければ出入国在留管理局から、新しい在留カードの発行手続きのための通知書類(はがき)が届く。

新しい在留カードを受け取る
出入国在留管理局にて、申請者本人が新しい在留カードの発行手続きを行う。申請受付票、通知はがき、パスポート、在留カードを持参すること。

転職先へ入社
晴れて入社。在留資格と仕事内容に相違がないか確認しよう。



以上、外国人雇用の現場の皆さまにおかれましては、内定が出た時点で、退職日をしっかり確認していただければと思う。






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