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海外人材Times

エスカレーターの不思議「関東は右、関西は左を空けるの?」

生活関連

2026.03.05

みなさん、こんにちは。
教えてタイムスくんのコーナーです。

今日の事件は通勤ラッシュの駅にて。急ぐ人のために片側を空ける習慣は、外国人にとって不思議な光景みたいですよ。

登場人物
キャリアアドバイザー「伊能あやめ」:外国人雇用に取り組む企業や雇用される側の外国人人材が抱える課題を解決・サポートする業務に携わる弊社のキャリアアドバイザー。過去に青山智香と共に解決してきた事件はこちらから。

ヌルさん:インドネシア出身の技能実習生。
デウィさん:ヌルさんの友人。

エスカレーターの片側空けルール

「ヌルさん、いつも元気いっぱいで『日本大好き〜!』って言ってたじゃないの。どうしたのよ」

今日の相談者はインドネシア人技能実習生のヌルさん、女性。今朝方、昼休みでいいから電話したいと相談があり、12時10分、たぶん昼ごはんを後回しにして連絡してきた感じだろう。

「あやめさーん…違う。日本は好きです。でも、聞いてください。今朝、駅で少し嫌なことがありました」

「嫌なこと?」

「はい。私と職場の友達のデウィさん、2人でエスカレーターに乗りました。週末に行くカフェの話をしていましたね。そうしたら、後ろから来たおじさんが来て『チッ!』ってして……怖い顔で横を通り過ぎていきました。私たち、話してたのいけませんでしたか?声が大きかった…ですが、駅はいろんな人が話していて周りはうるさかったです」

「ほう。それはどんな状況だったのかもうちょっと聞かないといけないわね」

「えっと…。いつもみたいにエスカレーターに乗りました。あ、でもいつも1人ですね。今日はたまたま…いや、初めてデウィさんに会いました!それも電車を降りたら、あちらの電車からデウィさんが降りてきましたので感動しました」

「あら、それはなんか運命を感じるね。それで?」

「だから、2人で『すごい偶然だね』とちょっとはしゃいでしまいました…。それから、会社のことと、出かける話をして、エスカレーターに乗っていました。そしたら、おじさんです」

「ん〜?もしかして、エスカレーターに2人並んで乗ってたんじゃないの」

「はい、そうですね。誰かと通勤は初めてで、うれしくて……」

「いや、うれしいってのはいいのよ。でも、エスカレーターは片側を空けておかないといけないルールというか、暗黙の了解があるのよ」

「片側?あ、そうですね。いつもみんな一列ですね。日本人は真面目だから列に並びます」

「そうそう。エスカレーターは2人並んで乗れても、片方は急いでる人のために空けているのよ。実を言うと、鉄道各社やエレベーター協会は正式に『エスカレーターでは歩かない』『二列に並んで手すりにつかまる』ことを推奨しているんだけどね。輸送効率や安全面を考えると、その方がいいからさ」

「へえ、知りませんでした。いつも1人だから。でも、ショッピングモールとか…?友達と並んで乗りましたよ?怒る人、いなかった!」

「そうねぇ、そうした施設は朝夕の通勤ラッシュのように急いでいる人は少ないし、お子さん連れも多いから、ちょっと空気が違うかもしれない」

「なるほど。だから『通して』と、おじさんは怒ったんですね。近くの人、階段に1人ずつ乗っていたので動けないから、私デウィさんに抱きつくみたいにしてスペースをとりました。許してほしいです」

電話の向こうのヌルさんはどんな表情をしてるのだろう。あまり細かいことを気にしないタイプのヌルさんが電話してくるぐらいだから、ちょっと凹んでしまったのだろう。説明ついでに顔を見て話してみよう。

私は空いてる会議スペースを見つけ、ビデオ通話に切り替えた。

関西では右側通行!?

「ヌルさん、ちょっとこの通話、ビデオ通話にするからいい?」

「はい……。あ、あやめさん!お久しぶりです」

ヌルさんの表情がパッと明るくなった。

「久しぶり〜!それでね……」

私は話を続ける。

「……ヌルさん!日本ではエスカレーターに乗るときには、左側に立って、右側を空けるルールがあるのよ。いや、そう。ルールというか暗黙の了解ね」

「ああ、はい。何度かその言葉は聞いたことがあります」

「そうね、いっぱい“暗黙の了解”があるからね(笑)。で、なぜかというと、日本の道路って左側通行なのよ。だから、駅構内とかいろんなところの通路もだいたい左側通行になってるはず。狭いところを適当に歩いたら人同士がぶつかるし、混雑の原因になるじゃない?だから、進行方向に対して左側を歩くってのがルールなのよ」

「なるほど。インドネシアではエスカレーターはリラックスする場所ですね。歩かなくていいから、リラックスです」

「まあ、でも日本でもさっきも言った通り強制されてはいないの。だいたいの人が歩かなくていいように乗るわけだから、リラックスというのも間違ってないし。ただ、中には急いでいる人ってのもいるじゃない?だから、そういう人のためへの気遣いで“片側を空けておこう”って、それがマナーとして定着しちゃったのよ」

ヌルさんは、あちゃーという顔をして口元を抑えた。

「じゃあ、私たちが並んで乗っていたから、おじさんだけじゃなくて、他の人も通れなかったですね。悪気はなかったのに……」

「大丈夫よ。これは日本独特のルール、そう“暗黙の了解”だから。教えてもらわないと誰だってわからないミステリーなんだから。あと、これ、場所によって変わるのよ。大阪に行くと“左を空けて、右に立つ”のが正解になるの」

「ええーっ! 逆になるんですか!? 日本人、難しいことしますね」

「大阪で右側に立つようになったのには、ちょっと面白い理由があるの。1番有名なのは1970年の大阪万博。世界中からお客さんが来るからって、当時の阪急電鉄がロンドンやニューヨークの国際基準に合わせて『右側に立ちましょう』って呼びかけたのが始まりと言われているわ。
それに大阪は商人の街なのね。江戸の武士は刀が触れないように左側を歩いたけれど、大阪の商人は大事な財布をスリから守るために、利き手の右腕で抱えやすい右側に立った……なんて説もあるのよ。右利きの人が手すりを掴みやすいからっていう実用的な理由もあるみたいだけど」

「わー、それ、おもしろいです」

「でもさっきも言ったように最近は鉄道会社も『本当は歩かずに二列で止まってね』って呼びかけてるから、どっちに立つかよりも、周りの様子を見ながら安全に乗るのが1番の正解よ。『大阪だから、東京だから』ということを覚えるより、周りの人に合わせるのが大事」

「なるほど。前にいる人の真似をしたらいいですね」

「そうそう。駅のエスカレーターは、やっぱり仕事で使っている人が多いから、そもそも複数人いても1列に並んで乗るのがいいと思うわ。急いでいる人たちがバーっと駆け上がっていくから、ヌルさんたちも左手で手すりに掴まっておくのと、かばんを右側に掛けてる場合はしっかり抑えておくと怪我しないし邪魔にもならないわ。
ショッピングモールなんかでは、もちろん状況に応じてだけど、2人並んで乗っててもいいし、楽しくおしゃべりをしててもOKよ。だけど、後ろから急いでいる人の足音が聞こえたらスマートに避ける。これが鉄則!でも、そもそもそうならないように初めから片側を空けておくってのが1番スマートな乗り方なんだけどね。
どう?できそうかな」

「わかりました。日本の“暗黙の了解”を知っていたらカッコいいですね。今度、デウィさんにも伝授しておきます!」

「そうね、そうしてちょうだい。あと、もしあなたたち自身が急いでいるときは、ぜひ階段を使いましょう。エスカレーターは止まって乗るのが推奨されてるからね」

「はい!ありがとうございます。勉強になりました。あと、久しぶりにあやめさんと話せて楽しかったです。これから、ご飯を食べますね」

ヌルさんの笑顔にホッとする私。じゃあ、また来月の面談で、と手を振って通話を切った。

#暗黙の了解



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