合理的にあり得ない
～キャリアアドバイザー青山智香の解明～

ワタシ、青山智香は外国人材を雇用する企業や雇用される側の外国人が抱える課題を解決、サポートする業務に携わる、いわゆるキャリアアドバイザー。
実はこれまでも珍事の解明に取り組み、全国を走り回っている（これまでの珍事はこちらからどうぞ）。

ひとえに
「外国人雇用の現場は予想だにせぬ出来事の連続である」
今日はそうした珍事をつまびらかにしながら私たちの仕事を紹介していきたいと思う。

外国人の皆さんの、日本の自動車免許取得事情って？

「会いたいけど、なかなか会えない」
遠距離恋愛中のカップルにとって、自動車免許の取得は急務だ。現に、私が今、担当している特定技能外国人のカップルは、男性が愛知、女性が栃木で働いており、公共交通機関を使うにもアクセスが悪い場所に住んでいる。

せめて月に1回でも会えれば…。

ちなみに、本国で運転免許を持っていれば、各都道府県警察の運転免許センターで日本の運転免許証に切り替えが可能だ（仮に国際運転免許証を持っていても、日本の交通標識や交通ルールを知っておく必要があり、有効期限もある）。

日本の運転免許に切り替えるための条件・受験資格は以下で

また、切り替えの手順、試験、手数料は以下

試験などの実施内容

手数料

となっている。
※詳細は各都道府県へ問い合わせを！

知識確認、技能確認を免除する国、技能確認を免除する国などもあり、当該外国人の国籍によるが、仕事内容や会社、寮の立地によっては免許を必須とする求人もあるため、日本に長く滞在を希望する人、技能実習を終えてから特定技能へ移行した人は自身の車を所有する人もいる。

日本の自動車免許を取得するには

取得するのと同様に、近くの自動車教習所で、運転する際の基本的な勉強から始める必要がある。もちろん、費用も時間も同様。安易に取得できるものではない。
現に取得は至難の業で、日本語能力でいえば、通訳業務ができるレベルとされるN2レベルが必要となる。

外国人だから危険というわけではないが、国によっては走行する車線が反対の国もあり、運転することは常に危険で、さまざまなリスクがあることを理解しておかねばならない。また、自動車に乗るということはそれ相応に諸費用がかかる。安易に手を出せば、借金返済に追われることにもなりかねない。

ところで、技能実習生や特定技能外国人の交通手段は徒歩か自転車か公共交通機関のため、日本で運転免許を持っていれば人気者になれるらしい。ただし「遠くまで行ける！」と足にされてしまう可能性もあるので、一長一短…。自動車免許の取得は、明確な使用用途があればこそ、といった状況とのことだ。

さて、私が担当する冒頭の2人はいずれも免許を持っており、数か月後には切り替えを終え、無事に月に1－2度は会えるようになったそうだ。行動範囲が広がったことで、観光を兼ねたデートもできるようになったと嬉しそうに報告してくれた。

めでたし、めでたし。


終