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【外国人材教育施設】キャムテックエデュックアカデミーに初潜入(前編)
プロフェッショナル 田熊恵理の流儀

国内の働き手不足が叫ばれる昨今、外国人材の活躍に注目が集まっている。

しかし、皇紀二千六百八十余年。
鎖国まで経験済みのファーイースト島国ここ日本において、異国の皆さんとの共存共栄には、まだまだ強めのATフィー●ド(=排他的精神領域)が存在するのもまた、真実なのである。

鳥獣戯画より引用

そんな中、海外人材タイムス編集部、取材班にとある情報がもたらされた。



“大阪府貝塚市の閑静な住宅街に“外国人材虎の穴”というべき秘密施設が存在する”



聞けば、ATフィー●ドを中和してくれるほどの最終決戦兵器を持つらしい。

もとい。

ここには、外国から渡航してきたばかりの技能実習生を最強の外国人材として育てるノウハウが詰まっており、またそれを実践する最強の講師陣が揃っている、との噂である。

さらに。

驚くべきは、この虎の穴には虎‥
否、講師の皮をかぶった熊が棲むという。

この事態に、海外人材タイムス編集部として行かぬ選択肢は皆無なのである。
大ヒットB級映画『グリズリー』のような悲惨な結末にならぬよう願いつつ、我々は潜入取材を敢行した。

7月某日、大阪。
キャムテックエデュックアカデミー(以下、CEA)。

勇気を振り絞り、熊の棲穴ことCEAの門を連打して、はや3年。
我々大メディアの取材班をこんなにも待たせるとはさすがの度胸である。

熊め。

この熊こと田熊恵理が、日々最強の外国人材育成に腐心し日夜教育に奔走する組織の最重要人物であり、今回の主人公だ。

さて、強気に毒づいてはいるものの…

「名画『コンバット!』におけるサンダース軍曹が熊だったら?」という謎の妄想をし、緊張と恐れでのどの渇きが止まらない取材班の前に、サンダース軍曹やグリズリーはもとより、そのへんの熊とは似ても似つかない、どちらかと言えばハチミツが似合う世界一有名な“くまのプー●ん”のような愛らしさを湛えた女性が現れた(※要、深呼吸)。

「あら。待ってましたよ、田熊です~♪」

さわやかな日差しが降り注ぐ初夏の午後、弾けんばかりの笑顔で現れたその熊は、森で歌うプリンセスさながらであった。

刹那。

想定とはまるで違う熊の登場で、動揺と不安に襲われる小心者集団の脳裏に今世紀最大の疑惑がよぎる。

「彼女が最終決戦で登場する、あの、熊なのか……?」
「このプー●ん、取材に耐えうるだけのネタを持ってやがるのか……?」

この取材そのものがお蔵入りし、東京からの移動費がすべて自腹になるという恐怖に、半ば平常心をかき乱されながらも戦いの火蓋が切られた。


編集長)
田熊先生、全然、鬼軍曹っぽくないですね?

田熊先生)
なんすか、それー!どんな妄想してきたんですか?

編集長)
いえ、それはもう、ここでは語れない‥いや語ったけど!)な、イメージを抱いておりました。
“先生“にしては天真爛漫すぎて、正直、僕らがひよってます(笑)

ところで、CEAにはどんな経緯で?

田熊先生)
元々は新卒で航空業界に勤めてたんです。

そのうち同業別職種で働きたくなって、英語力を磨くためにワーキングホリデーで、オーストラリアに行きました。

3年ぐらい前の話ですね。

編集長)
2020年頃ですかね。ということは、もしかして?

田熊先生)
ご想像の通り、帰国したらコロナが流行していて航空業界の募集はすっかりなくなっていました。
仕方なく、全く違う業種で働いていたんですが、ある日、思ったんです。

私の好きな「外国の文化や人々に携われる仕事がしたい!」「得意の英語を活かした仕事はないか?」って。

というのも、ワーキングホリデーで滞在したオーストラリアで、現地の人々と友達になれたきっかけの多くは、何かしら日本と接点があったことだったんです。

編集長)
日本との接点というのは、物理的なことですか?

田熊先生)
もちろん、そういうこともありますね。

例えば、日本語を学びたいという現地の人に日本語を教えたり、日本フェスティバルで出会った人と話して仲良くなって後に友達になったり、日本食レストランでの日本好きの人との出会いとか…。

物理的にも心情的にも、純粋に「日本が好きだ」とか「日本の言葉や文化に興味がある」とか、何かしら日本とつながりがあったように思います。

そういう経験を経て感じたのは

日本語のサポートや、日本の文化を伝えて外国の人たちが笑顔になる瞬間が、私自身にとってとても喜ばしいものだ
ということでした。

そこから、業界にとらわれず外国の文化に触れながら、日本人として日本の魅力を伝え、何か外国の方々の為になるような仕事がしたいと考えるようになっていきました。

最初は、航空業界への想いも捨てきれず迷いがあったのですが、誰かをサポートする、笑顔になってもらえる仕事って……。

例えば

何かを伝えたり教えたりすることで、その人自身の学びや成長に繋がる
ことであったり、その結果として
相手に喜ばれることが私にとっての喜びへと昇華されていく
ということだったり、アレコレ考えていくと「教師」という仕事が向いてるかもしれないって…!

思い立ったが吉日、一念発起して日本語教師の資格を取得しました。

そして、縁あってCEAに就職することができました。

編集長)
ほほう。なんというかすごく真摯に世界の中の日本、について考えてらっしゃるのですね。

もっともっとお話聞かせてくださいっっ(食い気味)


————————

編集長・・の、心の声

熊め……熊どころか可憐なお花だし思いのほかいい話になってしまった……

このままいい話で終わらせようものならおまんまの食い上げだぜっ

後半はほってほって、深掘ってやるっ!

プロフェッショナル 田熊恵理の流儀 後編へ続く

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