1.フィリピンは外国人労働者数の国籍別で3位

厚生労働省の資料によると、外国人労働者のうち最も多くを占めるのが中国で、全体の29.1%を占めています。続いて、ベトナムが18.8%、フィリピンが11.5%となっています。

外国人労働者数は年々増加しており、それに伴ってフィリピンから来日する人数も増えているのです。

また、技能実習生として日本で働くフィリピン人も多く、同資料によると2017年時点でその数は26,163人にも及びます。次章で、フィリピンと技能実習生についてもう少し深掘りしていきましょう。

1-1.日本で働くフィリピンの技能実習生とその特徴

2019年末時点で、約41万人の技能実習生が日本に在留しています。これを国籍別の構成比で見てみると、次のようになります。

1位：ベトナム（53.2%）
2位：中国（20%）
3位：フィリピン（8.7%）
4位：インドネシア（8.6%）
5位：タイ（2.8%）
そのほか（6.6%）
(出典：法務省、厚生労働省『外国人技能実習制度について』令和2年10月21日改訂版)

フィリピンは技能実習生の8.7%を占めていますが、2020年12月の在留外国人統計によると、日本国内にフィリピン人は279,660人おり、そのうちの13万人以上が永住者です。日本国内ではフィリピンコミュニティーも発達しています。

日本では人口の減少が進んでいますが、それとは逆にフィリピンの人口は急激に増加しており、2025年から2030年の間に日本の人口を抜く見込みです。人口増加に経済が追いついていないのか、フィリピン政府は海外への出稼ぎを推奨しているとも言われます。

フィリピン国民の平均年齢は非常に若く、26歳（ちなみに日本の平均年齢は47歳）です。しかし高校や大学を卒業しても、フィリピン国内で職を見つけることは簡単ではありません。その結果、優秀な人材も外国で就労するということが当たり前になっており、世界一の人材派遣国となっています。

日本で働きたいと思うフィリピン人の多くは日本文化が大好き。フィリピン人は社交的で、人とのつながりを大事にするホスピタリティ精神を持っています。陽気な性格な人が多く、積極的にコミュニケーションを取るなど、初対面でも仲良くなりやすいという特徴があります。このような理由で、フィリピン人は日本の社会や職場に早く馴染むことができるかもしれません。