検索
海外人材Times

技能実習の対象職種|特定技能への移行や「育成就労」の変更点も解説

技能実習の職種について、建設や食品製造など全91職種168作業を分野別に解説します。技能実習1号〜3号の違い、特定技能への移行、新制度「育成就労」による変更点まで網羅しています。受け入れ企業に必要な体制や法令遵守などの要件も分かります。

外国人材の受け入れを検討する際、多くの企業が最初に直面するのが「技能実習の職種が複雑で、どの区分で申請すべきか分からない」という問題です。実際、技能実習制度では国が定めた全91職種・168作業が対象となっており、業種ごとに細かいルールや移行要件が設定されています。

本記事では2025年時点の最新情報にもとづき、技能実習制度の概要から全職種一覧、職種選定の基本ルールまでを体系的に整理しました。さらに、技能実習から特定技能への移行、そして2027年までに施行予定の新制度「育成就労」についても、分かりやすく解説しています。最後まで読むことで、採用できる職種の範囲や、今後の制度変更に備えた受け入れ方針を明確にできます。

CONTENTS

1. 技能実習制度とは?目的と仕組みを解説

技能実習制度の目的は、日本で培われた技能や技術、知識を開発途上国へ移転し、各国の産業発展に役立てる「国際貢献」です。労働力として活用することが本来の趣旨ではなく、実習生が日本で身につけた技能を母国で活かし、自国の経済・社会の発展につなげる役割が期待されています。

この目的を確実に守るため、法律では技能実習を「労働力の需給調整の手段として行ってはならない」と定めています。単なる出稼ぎ目的の就労ビザとは根本的に異なる制度である点を理解しておきましょう。

また、技能実習制度は実習生の習熟度に応じて「技能実習1号・2号・3号」という3段階(在留資格)が設けられ、段階的に技能を習得するプログラムとして構成されています。

2. 【分野別】技能実習の対象職種・作業一覧(全91職種168作業)

技能実習制度で受け入れが認められている職種は、2025年時点で91職種168作業あり、これらは大きく8つの分野に分類されます(参考:厚生労働省:技能実習制度 移行対象職種・作業一覧)。

以下、各分野の職種・作業一覧を紹介します。

2.1 農業・林業関係(3職種7作業)

作物を栽培する「耕種農業」、家畜を飼育する「畜産農業」、そして森林を管理する「林業」の3つの職種に大別されます。

 

職種 作業
耕種農業 施設園芸、畑作・野菜、果樹
畜産農業 養豚、養鶏、酪農
林業 育林・素材生産作業

2.2 漁業関係(2職種10作業)

船で漁を行う「漁船漁業」と、魚介類を育てる「養殖業」の2つの職種があります。

職種 作業
漁船漁業 かつお一本釣り漁業、延縄漁業、いか釣り漁業、まき網漁業、ひき網漁業、刺し網漁業、定置網漁業、かに・えびかご漁業、棒受網漁業
養殖業 ほたてがい・まがき養殖作業

2.3 建設関係(22職種33作業)

技能実習生全体の約25%を占めており、インフラ整備や建築に不可欠な専門技術が学べる職種が揃っています。

職種 作業
さく井 パーカッション式さく井工事作業、ロータリー式さく井工事作業
建築板金 ダクト板金作業、内外装板金作業
冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工作業
建具製作 木製建具手加工作業
建築大工 大工工事作業
型枠施工 型枠工事作業
鉄筋施工 鉄筋組立て作業
とび とび作業
石材施工 石材加工作業、石張り作業
タイル張り タイル張り作業
かわらぶき かわらぶき作業
左官 左官作業
配管 建築配管作業、プラント配管作業
熱絶縁施工 保温保冷工事作業
内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事作業、カーペット系床仕上げ工事作業、鋼製下地工事作業、ボード仕上げ工事作業、カーテン工事作業
サッシ施工 ビル用サッシ施工作業
防水施工 シーリング防水工事作業
コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事作業
ウェルポイント施工 ウェルポイント工事作業
表装 壁装作業
建設機械施工 押土・整地作業、積込み作業、掘削作業、締固め作業
築炉 築炉作業

2.4 食品製造関係(11職種19作業)

建設関係に次いで受け入れが多い分野であり、日本の高い品質管理や衛生管理技術を学べます。水産加工品からパン、そう菜まで幅広い職種が含まれています。

職種 作業
缶詰巻締 缶詰巻締
食鳥処理加工業 食鳥処理加工作業
加熱性水産加工食品製造業 節類製造、加熱乾製品製造、調味加工品製造、くん製品製造
非加熱性水産加工食品製造業 塩蔵品製造、乾製品製造、発酵食品製造、調理加工品製造、生食用加工品製造
水産練り製品製造 かまぼこ製品製造作業
牛豚食肉処理加工業 牛豚部分肉製造作業、牛豚精肉商品製造作業
ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造作業
パン製造 パン製造作業
そう菜製造業 そう菜加工作業
農産物漬物製造業 農産物漬物製造作業
医療・福祉施設給食製造 医療・福祉施設給食製造作業

2.5 繊維・衣服関係(13職種22作業)

紡績から染色、縫製まで、衣料品製造に関する一連の工程を網羅する職種が設定されています。

職種 作業
紡績運転 前紡工程作業、精紡工程作業、巻糸工程作業、合ねん糸工程作業
織布運転 準備工程作業、製織工程作業、仕上工程作業
染色 糸浸染作業、織物・ニット浸染作業
ニット製品製造 靴下製造作業、丸編みニット製造作業
たて編ニット生地製造 たて編ニット生地製造作業
婦人子供服製造 婦人子供既製服縫製作業
紳士服製造 紳士既製服製造作業
下着類製造 下着類製造作業
寝具製作 寝具製作作業
カーペット製造 織じゅうたん製造作業、タフテッドカーペット製造作業、ニードルパンチカーペット製造作業
帆布製品製造 帆布製品製造作業
布はく縫製 ワイシャツ製造作業
座席シート縫製 自動車シート縫製作業

2.6 機械・金属関係(17職種34作業)

日本のものづくりを支える基幹産業であり、鋳造、プレス加工、溶接といった専門的な金属加工技術を習得できます。

職種 作業
鋳造 鋳鉄鋳物鋳造作業、非鉄金属鋳物鋳造作業
鍛造 ハンマ型鍛造作業、プレス型鍛造作業
ダイカスト ホットチャンバダイカスト作業、コールドチャンバダイカスト作業
機械加工 普通旋盤作業、フライス盤作業、数値制御旋盤作業、マシニングセンタ作業
金属プレス加工 金属プレス作業
鉄工 構造物鉄工作業
工場板金 機械板金作業
めっき 電気めっき作業、溶融亜鉛めっき作業
アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理作業
仕上げ 治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機械組立仕上げ作業
機械検査 機械検査作業
機械保全 機械系保全作業
電子機器組立て 電子機器組立て作業
電気機器組立て 回転電機組立て作業、変圧器組立て作業、配電盤・制御盤組立て作業、開閉制御器具組立て作業、回転電機巻線製作作業
プリント配線板製造 プリント配線板設計作業、プリント配線板製造作業
アルミニウム圧延・押出製品製造 引抜加工作業、仕上げ作業
金属熱処理業 全体熱処理作業、表面熱処理(浸炭・浸炭窒化・窒化)作業、部分熱処理(高周波熱処理・炎熱処理)作業

2.7 その他(21職種39作業)

上記の6分野に分類されない多様な職種が含まれます。近年需要が高まっている介護や、自動車整備、ビルクリーニングといったサービス業に関連する職種もここに分類されます。

職種 作業
家具製作 家具手加工作業
印刷 オフセット印刷作業、グラビア印刷作業
製本 製本作業
プラスチック成形 圧縮成形作業、射出成形作業、インフレーション成形作業、ブロー成形作業
強化プラスチック成形 手積み積層成形作業
塗装 建築塗装作業、金属塗装作業、鋼橋塗装作業、噴霧塗装作業
溶接 手溶接、半自動溶接
工業包装 工業包装作業
紙器・段ボール箱製造 印刷箱打抜き作業、印刷箱製箱作業、貼箱製造作業、段ボール箱製造作業
陶磁器工業製品製造 機械ろくろ成形作業、圧力鋳込み成形作業、パッド印刷作業
自動車整備 自動車整備作業
ビルクリーニング ビルクリーニング作業
介護 介護作業
クリーニング リネンサプライ仕上げ作業、一般家庭用クリーニング作業
コンクリート製品製造 コンクリート製品製造作業
宿泊 接客・衛生管理作業
RPF製造 RPF製造作業
鉄道施設保守整備 軌道保守整備作業
ゴム製品製造 成形加工、押出し加工、混練り圧延加工、複合積層加工
鉄道車両整備 走行装置検修・解ぎ装、空気装置検修・解ぎ装
木材加工 機械製材作業

2.8 主務大臣が告示で定める職種・作業(社内検定型/2職種4作業)

上記の8分野とは別に、主務大臣が告示によって特別に定める職種もあります。これらは、企業や業界団体が作成した技能評価制度である「社内検定」を活用することで技能実習への移行が認められている、専門性の高い職種です。

職種 作業
空港グランドハンドリング 航空機地上支援作業、航空貨物取扱作業、客室清掃作業
ボイラーメンテナンス ボイラーメンテナンス作業

3. 技能実習制度における職種の基本ルール

技能実習の対象となる全職種を把握したうえで、ここからは職種に関するルールについて解説します。「1. 技能実習制度とは?目的と仕組みを解説」で触れたように、技能実習は「研修」という目的を達成するため、技能の習熟度に応じて段階的に進む仕組みになっています。

3.1 技能実習の3つの区分

技能実習は、習熟度に応じて3つの区分(在留資格)に分かれます。

 

  入国後年数 目的 在留期間 移行要件 詳細リンク
技能実習1号 1年目 技能の「習得」 1年 【今さら聞けない】技能実習1号とは? – 海外人材タイムス
技能実習2号 2~3年目 技能の「習熟」 2年 1号修了+技能評価試験(学科・実技)合格 【今さら聞けない】技能実習2号とは? – 海外人材タイムス
技能実習3号 4~5年目 技能の「熟達」 2年 2号修了+実技試験合格+受入企業が「優良認定」を取得 【今さら聞けない】技能実習3号とは? – 海外人材タイムス

3.2 「移行対象職種」とは

移行対象職種とは、技能実習1号から2号、さらに3号へとステップアップすることが認められている職種・作業です。企業にとっては、実習生を最長5年間受け入れられるため、人材育成と確保を安定的に進められる大きなメリットがあります。

一方、移行対象職種でない場合は、実習期間が最長1年で終了します。「2. 【分野別】技能実習の対象職種・作業一覧(全91職種168作業)」で紹介した職種の大半は移行対象に該当しますが、中には技能実習3号に進めない例外も存在するため注意が必要です。

これらの例外について詳しく解説します。

3.3 技能実習3号へ移行できない職種一覧

移行対象職種の中には、技能実習2号までしか進めず、技能実習3号(4〜5年目)には移行できない作業が一部存在します。これは、制度上「3年間で技能習得が完了する」と判断されているためです。そのため、3号移行対象外の職種で実習生を受け入れる企業は、最長3年で終了する受け入れ計画を前提に検討する必要があります。

【3号移行不可職種・作業一覧】(令和7年3月7日時点)
漁業関係

職種 作業
漁船漁業 棒受網漁業

食品製造関係

職種 作業
農産物漬物製造業 農産物漬物製造
医療・福祉施設給食製造 医療・福祉施設給食製造
牛豚食肉処理加工業 牛豚精肉商品製造作業

繊維・衣服関係

職種 作業
紡績運転 前紡工程作業、精紡工程作業、巻糸工程作業、合ねん糸工程作業
織布運転 準備工程作業、製織工程作業、仕上工程作業
カーペット製造 織じゅうたん製造作業、タフテッドカーペット製造作業、ニードルパンチカーペット製造作業

機械・金属関係

職種 作業
アルミニウム圧延・押出製品製造 引抜加工作業、仕上げ作業

その他

職種 作業
印刷 グラビア印刷作業
クリーニング リネンサプライ仕上げ作業
宿泊 接客・衛生管理作業
ゴム製品製造 成形加工、押出し加工、混練り圧延加工、複合積層加工
木材加工 機械製材作業

社内検定型

職種 作業
空港グランドハンドリング 客室清掃作業
ボイラーメンテナンス ボイラーメンテナンス作業

(参考:厚生労働省:技能実習制度 移行対象職種・作業一覧)

4. 技能実習から特定技能への移行

技能実習制度を理解するうえで、その後のキャリアパスである「特定技能」への移行は非常に重要なポイントです。
技能実習は最長でも5年で終了しますが、特定技能へ移行することで、企業は育成した人材により長期間活躍してもらうことができます。これは、人材の安定確保を目指す企業と、日本で引き続き働きたい実習生の双方にとって大きなメリットになります。

こうした制度を最大限活用するためには、移行に関する正確な知識が欠かせません。
ここでは、まず現行制度において特定技能への移行がなぜ重要なのか、そのメリットを解説し、続いて具体的な移行条件や対象分野について順を追って説明します。

4.1 なぜ特定技能への移行を目指すのか

技能実習から特定技能への移行は、技能実習生と受入企業の双方にとって大きなメリットがあり、多くの実習生がこのキャリアパスを目指しています。

技能実習生側のメリット

  •   ● 滞在期間の延長
    技能実習の最長5年に加え、特定技能1号でさらに最長5年、合計で最長10年間の就労が可能になる
  •   ● 待遇の向上
    「研修生」から「労働者」となり、日本人と同等以上の給与が保証される
  •   ● 転職の自由
    同一分野内であれば、より条件の良い企業への転職が可能

受入企業側のメリット

  •   ● 熟練人材の確保
    時間とコストをかけて育成した即戦力人材に、さらに長期間活躍してもらえる
  •   ● 採用・教育コストの削減
    新規採用に比べて、採用や再教育にかかるコストを大幅に削減できる
  •   ● 安定した労働力の確保
    人手不足の解消につながり、安定した事業計画を立てやすくなる

これらの理由から、「技能実習2号の修了」による試験免除ルートは非常に重要な移行手段となっています。

4.2 移行ルートの概要と条件

現行の技能実習制度には、特定技能制度へスムーズに移行できるルートが用意されています。中でも、「技能実習2号を良好に修了すること」は重要なポイントであり、特定技能の在留資格を取得する際の技能試験および日本語試験が免除される要件となります。

※より詳しく知りたい方は、【今さら聞けない】技能実習2号とは? – 海外人材タイムスをご覧ください。

ただし、この試験免除が適用されるのは、技能実習の職種と移行先の特定技能の産業分野に関連性が認められる場合に限られます。

4.3 移行先となる「特定技能」の産業分野

技能実習からの移行先となる「特定技能」制度では、介護や建設、飲食料品製造業など、人手不足が深刻な16の産業分野で人材の受け入れが認められています。

※どのような分野があるか詳しく知りたい方は、こちらの記事在留資格「特定技能」とは? 技能実習との違いや採用ポイントを解説 – 海外人材タイムスをご覧ください。

4.4 試験免除の条件|技能実習と特定技能の対応分野

技能実習から特定技能へ試験免除で移行するには、国が定めた分野の関連性が認められることが条件です。そのため、技能実習で得た経験が特定技能試験の合格水準と同等と見なされるよう、対応する職種と分野の組み合わせがあらかじめ定められています。

ここでは、試験免除の対象となる「技能実習の職種」と「特定技能の分野」の組み合わせを具体例とともに紹介します。

  •   ● 例1:技能実習「建設」分野の「型枠施工」を修了
    →特定技能「建設」分野へ試験免除で移行可能
  •   ● 例2:技能実習「食品製造」分野の「そう菜加工作業」を修了
    →特定技能「飲食料品製造業」分野へ試験免除で移行可能
  •   ● 例3:技能実習「その他」分野の「介護」を修了
    →特定技能「介護」分野へ試験免除で移行可能

詳細については、入出国在留管理庁:外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組資料の47ページ以降に掲載されている表をご覧ください。

5. 2027年までに施行|新制度「育成就労」による変更点

2024年6月、技能実習制度に代わる「育成就労制度」の創設を盛り込んだ関連法が可決・成立しました。新制度は2027年までに施行され、現行の技能実習制度は廃止される予定です。この制度変更の背景には、技能実習制度が本来の目的である「国際貢献」から乖離し、安価な労働力を確保する手段として機能してしまっているという問題があります。

5.1 育成就労制度の概要と技能実習からの3つの主な変更点

新制度の目的は「人材育成」と「人材確保」の両立です。
技能実習制度からの主な変更点を3つのポイントに絞って解説します。

  •   ● ポイント①:転籍(転職)の制限緩和
    一定の要件(就労期間1年以上、技能・日本語能力など)を満たせば、同一業務分野内での転籍が可能

  •   ● ポイント②:特定技能への移行を前提としたキャリアパス
    3年間の就労で、特定技能1号の技能水準を持つ人材へ育成することを基本とする

  •   ● ポイント③:監理団体の要件厳格化
    「監理支援機関」として外部監査人の設置が義務付けられるなど、実習生の保護が強化される

※育成就労についてより詳しく知りたい方は、技能実習制度の廃止はいつから?育成就労への変更点と企業の対策 – 海外人材タイムスをご覧ください。

5.2 育成就労から特定技能へ|移行を前提とした新たな仕組み

育成就労制度では、3年間の就労を通じて、終了時点で「特定技能1号」と同等の水準に達していることが求められます。(参考:入出国在留管理庁:外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組

研修生は、育成計画にもとづいて技能試験と日本語試験を受験し、合格することで、求められる水準に達したことを証明します。プログラムを修了(=試験に合格)すれば、同じ分野の「特定技能1号」へスムーズに移行できる仕組みです。

育成就労制度は「特定技能」への移行を前提として設計されている点が、従来の技能実習制度との大きな違いとされています。加えて、企業側は最長で「育成就労3年+特定技能5年=合計8年間」の就労を見込めるため、人材確保の面でも大きなメリットが期待されます。

6. 技能実習生の受け入れ企業に求められる3つの要件

対象職種に該当するだけでは技能実習生を受け入れることはできません。企業側には、実習生を適切に指導・監督し、保護するための体制を整えることが法律で義務付けられています。

6.1 指導体制の構築(法的義務)

まず、企業が必ず遵守すべき法的義務として、技能実習を指導・監督する体制を構築する必要があります。技能実習生を受け入れる際には、実習計画全体を管理する「技能実習責任者」を選任しなければなりません。責任者は事業所の常勤職員であり、3年ごとに実施される養成講習の受講が義務付けられています。
技能実習責任者のもとで、実習生に対して技能を教える「技能実習指導員」と、生活面の相談や支援を行う「生活指導員」を配置します。技能実習指導員には、担当分野で5年以上の実務経験が必要です。生活指導員は日常生活に関する基本的な指導を行うだけでなく、住居の確保や生活環境の整備にも関与し、実習生が安心して生活できる環境づくりを担います。
また、技能実習生を受け入れるためには、宿泊できる住居の確保も必須です。アパートや社宅が一般的に利用されますが、1人あたり4.5平方メートル以上の居住スペースを確保する必要があります。この基準を満たしていれば複数人での同居も可能です。さらに、冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどの家電製品、寝具、Wi-Fiなど生活に必要な設備を備えることも求められます。

6.2 法令遵守の徹底(法的義務)

技能実習生は「実習生」であると同時に「労働者」でもあります。そのため、日本人と同様に、労働基準法や最低賃金法、社会保険(健康保険・厚生年金)、労働保険(雇用保険・労災保険)が適用されます。

賃金は各都道府県の最低賃金を必ず上回らなければならず、可能であれば日本人従業員と同等の賃金体系を導入するのが望ましいでしょう。適正な処遇は、実習生の意欲向上にもつながります。

過去には賃金未払いや長時間労働などの問題が発生した経緯もあり、実習生の労働環境は法令遵守の観点から厳しくチェックされるようになっています。法令違反が発覚した場合、技能実習生の受け入れ停止などの厳しい処分が科される可能性があるため、注意が必要です。

6.3 優良認定の取得

法的義務ではありませんが、実習期間の延長(最長5年)や受け入れ人数枠の拡大を目指す場合には、「優良認定」の取得が必須です。技能実習3号(4〜5年目)の受け入れや、受け入れ人数の拡大を行うためには、実習実施者(受入企業)がこの認定を受けなければなりません。

技能実習生の受け入れ人数には上限が定められており、基本的には企業の常勤職員数に応じた枠が設定されています。たとえば、常勤職員が30人以下の企業では受け入れ可能な技能実習生は3人まで、50人以下なら5人まで、といった具合です。この上限枠は、優良認定を取得することで拡大され、より多くの実習生を受け入れられるようになるというメリットがあります。

優良認定は、技能実習を適切に実施している証であり、評価は技能検定の合格率、実習生の待遇、法令遵守状況など、約120点満点の評価項目に基づいて行われます。高い評価を得るためには、計画的な指導と実習生への手厚いサポートが不可欠です。

7. まとめ|技能実習の職種選定を成功させ、スムーズな受け入れを実現するために

技能実習の職種選定は、多様な職種の選択肢や制度の複雑さ、新制度への移行期など、さまざまな要素を考慮する必要があります。適切な職種を選び、複雑な要件をクリアして外国人材の受け入れを成功させるためには、正確な情報収集と計画的な準備が欠かせません。

本記事を読んで疑問や不安が生じた場合には、海外人材タイムスが提供する「無料相談」の活用がおすすめです。無料相談では、以下のような具体的なメリットが得られます。

  •   ● 事業内容に合った職種を専門家が診断してくれる
  •   ● 受け入れに必要な手続きや準備について、具体的なアドバイスがもらえる
  •   ● 最新の法改正(育成就労制度)を踏まえた、将来的な人材戦略の相談ができる

こうしたメリットを活かして、今すぐ相談する場合はこちらからお申し込みください。
無料相談フォームはこちら

海外人材タイムスとともに、技能実習の受け入れ準備を効率的に進め、安心して外国人材を受け入れる体制を構築しましょう。

外国人採用に関するオンライン無料相談やってます!

  • 雇用が初めてなのですが、私たちの業務で採用ができますか?
  • 外国人雇用の際に通訳を用意する必要はありますか?
  • 採用する際に私たちの業務だとどのビザになりますか?
  • 外国人の採用で期待できる効果はなんですか?

上記に当てはまる企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

× 教えてタイムスくんバナー画像