特定活動46号とは?「技人国」との違い・要件・申請方法を解説
2025.10.07
特定活動46号は、留学生が卒業後も現場業務を含めて幅広く就労できる在留資格です。「技人国」との違い(業務範囲)や、取得に必要な6つの要件、企業側のメリット・注意点(転職時の手続きなど)、申請の流れまで詳しく解説します。
「優秀な留学生アルバイトを卒業後も雇用したいが、技術・人文知識・国際業務ビザでは接客や現場作業が原則認められず、優秀な人材を思うように活かせない」
そんな課題を解決するのが、在留資格「特定活動46号」です。
「特定活動46号」資格は、高い日本語能力(N1など)を持つ大学卒業生を対象に「技人国」では認められなかった現場業務を含む幅広い就労を可能にします。
本記事では、「技人国」との明確な違い(業務範囲・要件)、企業の採用メリット、申請方法についてわかりやすくまとめました。最後まで読み進めることで、「技人国」との違いを踏まえつつ、留学生を採用するための具体的な要件、手順、雇用管理上のポイントまで理解できる内容になっています。
CONTENTS
- 1. 特定活動46号(本邦大学卒業者)とは
- 2. 在留資格「技術・人文知識・国際業務」との違いは業務範囲
- 3. 特定活動46号の具体的な取得要件を解説
- 4. 特定活動46号の資格保有者を採用するメリット
- 5. 採用および雇用管理上の注意点
- 6. 外国人留学生の在留資格変更の流れ
- 7. 特定活動46号に関するよくある質問(FAQ)
- 8. まとめ:特定活動46号を活用した優秀な留学生採用のために
1. 特定活動46号(本邦大学卒業者)とは
「特定活動46号」は、日本の大学を卒業し、習得した知識や応用的能力、および高い日本語能力を活かすことを要件として、幅広い業務に従事する活動を認める在留資格です。正式名称は「本邦大学卒業者」ですが、法務省告示第46号に定められているため通称「特定活動46号」と呼ばれます。在留資格「留学」で滞在する学生が日本の大学を卒業後、企業に就職する際は、従来の「技術・人文知識・国際業務」か、この「特定活動46号」への在留資格変更が必要です。
1.1. 留学生の就職支援のために創設された背景
これまで外国人留学生が就職するために取得してきた在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、業務内容の制限により就労許可が下りない場合が多くありました。しかし、インバウンド需要の高まりや労働力不足の背景から、高い日本語能力を持つ留学生が就職できる業種の幅を広げられるよう創設されたのがこの在留資格です。これにより「技術・人文知識・国際業務」では難しかった一般的なサービス業務や製造業務での雇用が可能となりました。
1.2. 在留期間(最長5年)
在留期間は「5年、3年、1年、6カ月、3カ月」のいずれかが、法務大臣により個別に指定されます。在留資格の更新に回数制限はなく、更新を続けることで事実上、期間に制約のない雇用が可能です。「留学」からの変更時や初回の更新時は、原則として在留期間が「1年」となるケースが多い傾向です。また、一定の要件を満たせば、将来的に「永住者」の在留資格を申請することも可能となっています。
※永住者については、在留資格「永住者」とは? 取得要件と帰化・特別永住者との違いを解説をご覧ください。
2. 在留資格「技術・人文知識・国際業務」との違いは業務範囲
「特定活動46号」の特徴は、在留資格「技術・人文知識・国際業務(以下、技人国)」よりも従事できる業務範囲が格段に広いことです。「技人国」が学術的素養を背景とする専門業務(ホワイトカラー)に限定されるのに対し「特定活動46号」は現場作業(ブルーカラー)を含む幅広い業務に従事できます。
※「技人国」については、【技人国ビザ】技術・人文知識・国際業務の職種一覧と取得条件を解説をご覧ください。
2.1. 比較一覧表:学歴要件・日本語能力・業務範囲の違い
「特定活動46号」と「技人国」の主な違いは、以下の通りです。
| 特定活動46号 | 技人国 | |
|---|---|---|
| 対象者(学歴) | 日本の4年制大学・大学院卒業者(または高度専門士)。 | 日本または海外の大学・専門学校卒業者、または実務経験者も対象。 |
| 日本語能力 ※「日本語能力試験」については、 日本語能力試験(JLPT)N1・N2とは?レベル別の難易度を解説 をご覧ください |
必須(JLPT N1またはBJT 480点以上)。 | 必須要件ではない(業務遂行能力で判断)。 |
| 専攻と業務の関連性 | 「広範な知識・応用的能力」の活用であり、専攻との直接的な関連性は厳格に問われない。 | 厳格に問われる。 |
| 現場作業(単純労働) | 「技人国」業務とあわせて行うことが可能。 | 原則として不可(付随業務として一部のみ)。 |
| 転職時の手続き | 転職する場合、在留資格変更許可申請が必要。 | 転職する場合、届出(活動機関に関する届出)のみでよい(業務内容が変わらない場合)。 |
| 派遣社員 | 不可(常勤職員のみ)。 | 可能。 |
2.2. 「特定活動46号」で可能になる業務
「特定活動46号」には「技人国」の対象となる学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務(商品企画、開発、営業、管理業務など)が含まれている必要があります。ただし、「技人国」では認められない現場作業やサービス業務にも従事できる点が大きな違いです。従事する業務は、単なる作業指示の伝達レベルではなく、日本語での双方向の意思疎通を要する業務(通訳、指導、管理など)であることが求められます。
以下で紹介する業務例は、いずれも現場作業・サービスを含むため、「技人国」では原則認められませんが、「特定活動46号」であれば許可される代表的なケースです。
2.2.1. 例1:飲食・小売業での接客・管理業務
飲食店やスーパー、コンビニなどで、外国人客への通訳を兼ねた接客業務に従事します。店舗のフロアマネージャーとして、他の留学生アルバイトへの指導やシフト管理を行いつつ、自身も現場の接客を担当します。仕入れ、在庫管理、商品企画など、店舗運営に関わる業務にも従事可能です。
2.2.2. 例2:製造業での通訳・ライン管理業務
食品工場や製造工場で、日本語が不慣れな他の外国人従業員(技能実習生など)に対し、日本人従業員からの指示を通訳・伝達します。ライン作業の指導や労務管理、品質管理を行いながら、自身も製造ラインでの作業に従事します。
2.2.3. 例3:その他(ホテルフロント、タクシー運転手など)
宿泊施設(ホテル)では、外国人客への通訳を兼ねたフロント業務やベルスタッフ業務、多言語での館内案内の作成に従事できます。また、タクシー会社では、外国人客への通訳や観光案内を兼ねたタクシードライバーとして乗務することも可能です。さらに、介護施設では、外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、自身も利用者とのコミュニケーションを含む介護業務に従事することができます。
2.3. 「特定活動46号」で従事できない業務(禁止業務)
「特定活動46号」であっても、単純作業のみに従事することは認められません。たとえば、飲食店の皿洗いや清掃のみ、工場のラインで指示された作業のみ、ホテルの客室清掃のみ、といった業務は対象外です。また、法律上資格を有する者(弁護士、行政書士など)が行うこととされている「業務独占資格」が必要な業務にも就くことはできません。さらに、風俗営業活動(キャバクラ、パチンコ店、ゲームセンターなど)も禁止されています。

3. 特定活動46号の具体的な取得要件を解説
「特定活動46号」の在留資格を取得するには、以下に説明する要件をすべて満たす必要があります。また、要件をすべて満たしている場合でも、申請書類に不備や虚偽が判明した場合は不許可となるため、細心の注意が必要です。
不許可理由として特に多いのは、業務内容が「単純作業のみに従事するもの」と判断されるケースです。申請時には「技人国」の業務(管理業務や企画など)が含まれていることを明確に示す必要があります。
3.1. 日本の大学もしくは大学院の課程を修了していること
日本の4年制大学もしくは大学院の課程を修了している必要があります。短期大学や専修学校、または外国の大学や大学院を卒業していても対象にはなりません。
※2024年2月の法改正により、一部の要件を満たした専門学校卒業生(「高度専門士」の称号取得者)なども対象に加わりました。
参考:外国人留学生の就職促進に向けた運用等の見直しについて | 出入国在留管理庁
3.2. 日本語能力がJLPT1級以上に相当していること
日本語能力試験JLPTでN1、もしくはビジネス日本語能力テストBJTで480点以上の成績を有していることが求められます。ただし、外国の大学や大学院で日本語を専攻し卒業していた場合、当該要件は免除されます。
3.3. フルタイム雇用であること
フルタイムでの雇用が前提のため、正社員や契約社員などの常勤職員としての雇用が必須です。パートタイムやアルバイト、また派遣社員としての就労は認められません。
3.4. 報酬が日本人と同等かそれ以上であること
支払われる報酬は、同種の業務を行う日本人と同等またはそれ以上でなければなりません。昇給を含めた賃金体系が、大学または大学院を卒業した日本人と同等以上の水準であることが要件です。
3.5. 日本語での意思疎通を要する業務であること
単なる作業指示の伝達といったレベルではなく、日本語による双方向の意思疎通を必要とする業務に従事する必要があります。具体的には、接客での通訳対応や、日本語が不慣れな外国人への指導などが該当します。
3.6. 大学での広範な知識・応用的能力を活用する業務
従事する業務には「学術上の素養などを背景とする一定水準以上の業務」(「技人国」の対象業務)が含まれている、もしくは含まれる見込みがあることが必要です。ここで言う一定水準以上の業務とは、商品企画、技術開発、営業や管理業務、企画広報業務などを指します。ただし、「技人国」のように専攻分野と業務との厳密な関連性は求められません。大学で習得した「広範な知識や応用的能力」を活用する業務であれば認められます。

4. 特定活動46号の資格保有者を採用するメリット
特定活動46号の資格を持つ外国人を採用することは、雇用側にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
4.1. 「技人国」より広い業務範囲でのアサインが可能
「技人国」よりも広い範囲の業務に従事できるのは大きなメリットです。特定活動46号であれば飲食店の接客や工場のライン管理など、「技人国」では難しい現場業務を含めた柔軟な人員配置が可能です。これにより、特に人手不足やインバウンド対応が求められる飲食、小売、製造、宿泊といった業種での採用の幅が広がります。
4.2. 優秀なアルバイトをそのまま雇用できる
実際に同じ現場でアルバイトとして働いていた優秀な外国人をそのまま社員として雇用できます。育成コストが省けるほか、すでに企業の文化を知っているため入社後ミスマッチが起こりづらく、退職抑止にも役立ちます。
4.3. 日本の文化や語学に精通した人材を採用できる
日本の大学もしくは大学院を卒業し、日本語能力検定で一定の成績を収めている人材を確保できます。日本をよく知る人材を雇用できるため、外国人であることを理由とするコミュニケーションや文化の壁を低く抑えられます。
4.4. 長期的な雇用が可能である
特定活動46号は、在留資格の更新回数に上限がないため、更新を繰り返すことで期間に制約のない雇用が実現します。長期的なキャリアプランを設計した上で採用できるため、将来の幹部候補や後継者候補の育成も可能です。
5. 採用および雇用管理上の注意点
特定活動46号の活用には、メリットだけでなく、雇用管理上、特に注意すべき点が存在します。「技能実習」や「特定技能」のような法的に義務付けられた支援業務はありませんが、「技人国」とは異なる管理が必要です。
5.1. 転職時の在留資格変更申請が必須
「特定活動46号」は、許可時に指定された企業(所属機関)でのみ有効な在留資格です。従業員が転職する場合、「技人国」のように届出だけでは済まず、必ず「在留資格変更許可申請」を再度行い、許可を得る必要があります。一方で、企業側にとっては、ビザ目的の安易な転職を防ぎやすくなるという点において、一定のメリットがあると考えられます。
5.2. 在留カードでの資格確認の徹底
採用時には在留カードの原本確認が必須です。在留資格が「特定活動」の場合、パスポートに貼付された「指定書」で、許可されている活動内容(46号であること)を確認します。
5.3. 在留期間の更新管理
初回の在留期間は「1年」となるケースが多いため、企業は従業員の在留期間の更新時期を正確に把握し、管理する必要があります。

6. 外国人留学生の在留資格変更の流れ
在留資格の変更は、出入国在留管理庁に必要な書類を提出し、切り替え手続きを行います。原則として、外国人留学生本人が申請しますが、書類の準備には企業側の協力が必要です。
6.1. 書類を準備する
在留資格変更許可申請にあたり、まずは必要な書類を準備します。雇用する事業者が用意する書類も多いので、早めに準備することが重要です。
- ● 申請人(留学生)が準備する書類例
-
- ○ 在留資格変更申請書
- ○ 証明写真
- ○ パスポートおよび在留カード
- ○ 履歴書
- ○ 学校の卒業証明書または卒業見込証明書(原本)
- ○ 日本語能力を証明する文書(N1合格証など)
- ○ 住民票(世帯全員の記載があるもの)
- ○ 住民税の課税証明書および納税証明書(直近のもの)
-
- ● 企業側が準備する書類例
- ○ 雇用契約書(または労働条件通知書)
- ○ 雇用理由書(従事する業務内容の詳細を説明する文書)
- ○ 会社の登記簿謄本=履歴事項全部証明書(原本)
- ○ 会社案内またはホームページの写し
6.2. 地方入国管理官署へ申請する
申請は外国人留学生の住居地を管轄する地方入国管理官署に、留学生本人が出向いて行います。在留資格変更許可申請は、内定先が決まっている場合、「卒業見込み」の段階でも申請が可能です。通常、3月に卒業する場合は12月頃から申請受付が始まります。
一方、学校卒業後に内定が決まった場合は、変更が許可された後に就職することになるため、速やかに在留資格変更許可申請を行う必要があります。
6.3. 審査期間
申請から許可が下りるまでには、おおむね2週間から1カ月程度を要します。ただし、書類に不備がある場合はさらに時間がかかる可能性があるため、雇用する事業者側が用意する必要書類は漏れや誤りがないよう十分に確認することが重要です。
6.4. 特定活動46号へ変更完了
審査が通ると、外国人留学生の在留資格は「留学」から「特定活動46号」となり、企業が雇用できるようになります。なお、変更許可時には手数料として6,000円(窓口申請の場合)の収入印紙が必要です。
7. 特定活動46号に関するよくある質問(FAQ)
特定活動46号に関して、企業担当者から寄せられることの多い質問にFAQ方式でお答えします。
7.1. Q1. 専門学校卒業生は対象ですか?
日本の4年制大学または大学院の卒業(学士または修士の学位)が要件であるため、専門学校卒業生は原則として対象外です。ただし、2024年2月の法改正により、要件を満たす4年制専門学校などを卒業し「高度専門士」の称号を得た者も対象になりました。
7.2. Q2. N1に合格していませんが、BJTで代用できますか?
代用可能です。日本語能力試験JLPT N1、またはビジネス日本語能力テストBJT 480点以上のいずれかを満たせばよいとされています。
7.3. Q3. 転職する場合、再度申請が必要ですか?
再度申請が必要です。「特定活動46号」は許可された企業でのみ有効な在留資格のため、転職する場合は、必ず事前に「在留資格変更許可申請」を再度行わなければなりません。
7.4. Q4. 許可された業務以外で副業(アルバイト)はできますか?
「特定活動46号」は許可された機関(企業)での「常勤(フルタイム)」が要件です。原則としてアルバイトは認められません。また、副業やアルバイトは資格外活動に該当するため、認められない可能性が高い点にも注意が必要です。
7.5. Q5. 家族の帯同(配偶者や子ども)は可能ですか?
扶養を受ける配偶者または子には、「特定活動(47号)」の在留資格が付与され、家族滞在が認められます。

8. まとめ:特定活動46号を活用した優秀な留学生採用のために
在留資格「特定活動46号」は、「技術・人文知識・国際業務」と比べて従事できる業務の範囲が広いことが特徴です。これまで、就労制限のために採用を見送っていたケースでも、外国人雇用の新たな可能性を広げる在留資格として注目されています。特定活動46号を活用すれば、アルバイトとして雇っていた外国人留学生を、そのまま正社員として雇用することも可能です。本記事の内容を参考に、特定活動46号への在留資格変更を視野に入れた外国人留学生の新卒採用を検討してみてはいかがでしょうか。
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