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インドネシアで英語は通じる?ビジネス通用度と採用時の見極め方

日本企業のインドネシア進出や現地採用が増えるなか「インドネシアではどの程度英語が通じるのか」は多くの担当者が気になるポイントです。
結論からいうと、インドネシアの英語力は学歴・職種・地域によって大きく異なり、通じる層とまったく通じない層がはっきり分かれています。

本記事では、EF EPIなどの国際的な指標データや現地の教育事情をもとに実態を解説します。自社のビジネスや採用基準に照らし合わせ、適切な人材を見極めるための判断材料としてお役立てください。

CONTENTS

1. データで読み解くインドネシアの英語力と世界順位

世界最大の英語能力指数ランキングである「EF EPI(English Proficiency Index)」の最新レポート(2025年版)によると、インドネシアの英語力は以下のような結果となっています。

世界順位: 123カ国中 80位
評価区分: Low Proficiency(低い能力)

この順位から見ると、国全体としては「英語が得意な国」とは言い難いのが現状です。

アジア近隣諸国との比較

東南アジアの他国と比較すると、インドネシアの立ち位置がより鮮明になります。

国名 世界順位 評価区分 備考
シンガポール 2位 Very High 公用語が英語
フィリピン 20位 High 準公用語・BPO拠点
マレーシア 25位 High 旧英国植民地の背景
ベトナム 58位 Moderate 近年教育に注力
インドネシア 80位 Low インドネシア語が絶対的共通語

「2.7億人」という母数のインパクト

平均順位こそ低いものの、見逃せないのが約2.7億人という圧倒的な人口規模です。
全人口のわずか10%が英語を話せるだけでも約2,700万人に達し、これは実数で見れば「英語を使いこなせる人口は日本(約1.2億人)よりも多い可能性がある」ことを示唆しています。トップ層の英語力は極めて高く、平均値だけでは測れないポテンシャルを秘めています。

インドネシアに関する諸情報についてはこちらをご確認ください。
インドネシア人の特徴や国民性・性格・宗教などを徹底解説|外国人採用お役立ち情報

1.1 公用語「インドネシア語」の普及と教育背景

フィリピンやシンガポールと決定的に異なるのは、英語が公用語ではないという点です。
国語の統一: 多くの民族と言語を抱える多民族国家として、国家の結束のために「インドネシア語」を共通語として徹底的に普及させた歴史があります。

教育カリキュラムの変更: 2013年のカリキュラム改定により、小学校での英語教育が「必修」から外れ、選択科目または課外活動扱いとなりました。この影響で、公立学校卒業生の間でも世代や学校の教育方針によって英語力に大きな格差が生じています。

2. エリア・属性別にみるビジネス英語の通用度

「インドネシア人は英語が通じない」と一概に判断するのは危険です。ビジネスの現場では、「どこで」「誰と」仕事をするかによって、言語環境は劇的に変わります。

2.1 ジャカルタおよび主要都市のビジネス環境

首都ジャカルタのSCBD(スディルマン中央ビジネス地区)などのオフィス街や、世界中から観光客が集まるバリ島では、英語が実質的なビジネス共通語として機能しています。

ホワイトカラー層: スタートアップ企業や外資系企業、メガバンクなどに勤務する層は、CEFR B2(中上級)以上の英語力を持ち、日常業務から商談まで英語で完結できる人材が豊富です。

学歴: 有名国立大学(UIやITBなど)や海外留学経験者は、英語でのプレゼンテーションやレポート作成に全く支障がありません。

2.2 地方都市および製造現場での言語状況

一方で、日系企業が多く進出するチカラン、カラワンといった工業団地や、地方都市の製造現場では、状況が180度異なります。

現場のワーカー層: 現場作業員(ワーカー層)とのコミュニケーションにおいて、英語の通用度は極めて低くなります。

対策: 円滑なオペレーションのためには、英語を介するよりも「インドネシア語を話せる日本人」を配置するか、「日本語教育を受けた現地通訳・リーダー」を育成・採用するのが一般的です。

2.3 学歴と職種による英語力の違い

採用ターゲットを絞る際の目安として、以下の傾向を把握しておくことが重要です。

職種・層 英語力の傾向 期待できるレベル
エンジニア・技術職 高い(リーディング重視) 技術文書や論文を英語で読むため、読解力に優れる。
マネジメント層 高い(実務レベル) 海外拠点とのやり取りを前提としており、ビジネス英語が可能。
一般事務・サービス業 低い〜標準 基本的な挨拶や定型文のやり取りに留まることが多い。
ブルーカラー層 限定的 インドネシア語中心のコミュニケーションとなる。

 

3. インドネシア英語の特徴と円滑なコミュニケーション術

日本人にとって、インドネシア人が話す英語は「世界で最も聞き取りやすい英語の一つ」と言われることがあります。その理由を言語学的な背景から紐解きます。

3.1 日本人に聞き取りやすい発音の仕組み

インドネシア語の母音体系は「a・i • u • e • o」を基本としており、これは日本語の五十音とほぼ一致します。そのため、彼らが話す英語はカタカナ英語に近いクリアな響きになり、日本人には非常に馴染みやすいのが特徴です。

単語が区切られる: ネイティブ特有の「音の連結(リンキング)」が少なく、単語一つひとつをはっきり発音する傾向があります。

巻き舌の「R」: 注意点として、インドネシア語の影響で「R」の発音が強い巻き舌(Rightが「Rright」に近い音)になることがありますが、慣れれば判別は容易です。
社内会議や接客の場面でも、お互いに非ネイティブ同士として「構えずに話せる」のは大きなメリットと言えます。

3.2 時制や複数形への意識と確認の重要性

一方で、インドネシア語には動詞の活用(時制変化)や名詞の複数形という概念がありません。そのため、英語を話す際も以下のようなミスが起こりやすくなります。

時制の欠落: “He go yesterday”(昨日のことだが現在形)
単複の混同: “I have three document”(複数形のsが抜ける)

これらは単なるケアレスミスではなく、母国語の構造に起因するものです。特に「納期」や「過去の事実確認」など、時制が重要なビジネスシーンでは、口頭だけでなく必ずメールやチャットでテキスト化して記録を残す運用を徹底しましょう。

3.3 Noを避ける文化と業務指示の確認術

インドネシアには、相手の顔を潰さないよう直接的な否定を避ける「和」を尊ぶ文化があります。

Yes」の落とし穴: 内容を理解していなくても、あるいは同意していなくても、その場の空気を壊さないよう「Yes」と言ってしまうことがあります。

確認のステップ: 指示を出した後は「わかった?」と聞くのではなく、「今言った内容を、あなたの言葉で要約して教えてくれる?」と聞き返すステップを挟むのが効果的です。

4. 英語力を指標とした採用のメリットと注意点

インドネシアで英語力のある人材を採用することは、単に通訳コストを削る以上の価値をもたらします。

4.1 マルチリンガル環境が育む言語習得能力

多くのインドネシア人は、家庭内の地域語(ジャワ語やスンダ語など)と公用語のインドネシア語を使い分けるバイリンガルです。

言語への適応力: 幼少期から複数言語を切り替える環境にいるため、新しい言語(英語や日本語)を習得する土壌が既に出来上がっています。

日本語習得への期待: 英語ができる人材は、言語学習のコツを掴んでいるため、入社後の日本語研修においても高い成果を出す傾向があります。

4.2 親日的な国民性と定着率の高さ

外務省の対日世論調査でも示されている通り、インドネシアは世界屈指の親日国です。

日本企業への意欲: 日本文化への好感度が高く、「日本企業で働きたい」という強いモチベーションを持つ人材が豊富です。

長期的な戦力化: 家族への仕送りを重視する国民性から、安定した雇用環境を好むため、離職率は他国に比べて抑えられる傾向にあります。英語力を入口に採用し、段階的に日本語教育を提供することで、長期的なコア人材へと育成するモデルが有効です。

参考:海外における対日世論調査|外務省

4.3 若い労働人口とIT人材の豊富さ

人口の約半数が30歳以下という「人口ボーナス」の真っ只中にあり、特にデジタルネイティブ世代の台頭が目覚ましいのが現状です。

DX推進の即戦力: 大学のIT系学部出身者は、最新の技術ドキュメントを英語で読み解く習慣があります。英語ができるIT人材を日本国内よりも抑えた人件費で採用できるため、オフショア開発やDX推進において非常に高いコストパフォーマンスを発揮します。

5. インドネシアの言語事情に関するQ&A

インドネシアの人材採用やビジネス進出を検討する際、よく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

Q1. インドネシアの公用語は英語ですか?

A. いいえ、公用語はインドネシア語(バハサ・インドネシア)です。 フィリピンやシンガポールのように英語が公用語や準公用語に指定されているわけではありません。ただし、義務教育では第一外国語として位置づけられており、都市部を中心に広く学ばれています。公用語ではないものの、学歴や居住エリアによって英語の通用度には大きな幅があるのが実態です。

Q2. ジャカルタへの出張は英語だけで問題ないですか?

A. ビジネス街や主要施設では問題ありませんが、ローカルな場では注意が必要です。 スディルマン通り(SCBD)などのビジネス街、外資系ホテル、空港では英語でのやり取りにほぼ支障はありません。一方で、タクシーの運転手やローカルな飲食店では英語が通じない場面も多いため、翻訳アプリを準備しておくと安心です。会議の際は、事前に資料を共有しておくことで、言語の壁による認識齟齬を最小限に抑えられます。

Q3. インドネシア人の英語になまりはありますか?

A. はい、インドネシア語由来の独特な響きがあります。 特に「R」の音が巻き舌になったり、単語のアクセント位置が独特だったりする特徴があります。しかし、母音構造が日本語と酷似しているため、日本人にとっては欧米のネイティブ英語よりもむしろ聞き取りやすく、数回のやり取りで十分に慣れるレベルです。

Q4. 採用面接は英語で行うべきですか?

A. 英語必須のポジションであれば、英語面接を強く推奨します。 実戦的なコミュニケーション力を直接確認するため、業務を想定した質問を英語で投げかけてみましょう。一方で、応募者の人柄や日本での就労意欲を深く掘り下げたい場合は、通訳を介してインドネシア語で面接を行う、あるいは日本語での対話を組み合わせるなど、多角的な評価が有効です。

Q5. 日本語と英語、どちらを優先して教育すべきですか?

A. 日本国内での就労を前提とするなら、まずは「日本語」を優先すべきです。 安全管理や日本での生活適応の観点から、入社初期は日本語教育に集中するのが現実的です。ただし、ITや貿易、ホテル業など英語が武器になる職種であれば、日本語が一定レベルに達した段階で、英語力の維持・向上を支援する研修を追加する「段階的な育成プラン」が理想的です。

6. まとめ:英語力と適性を見極め採用を成功させる

インドネシア人の英語力は、国全体の平均データ(EF EPI 80位)だけでは測れない「二極化」した構造を持っており、都市部・高学歴層においては、非常に高い英語力を持ち、グローバルビジネスの即戦力となると考えられます。
採用を成功させる鍵は、自社のターゲットを明確にし、データに基づく客観的な評価(スコア)と、面接での実践的なチェック(伝える力・聞き取る力)を組み合わせることです。インドネシア人材は、その親日的な気質と言語習得への高い適応力で、貴社の強力なパートナーになる可能性を秘めています。

「自社の条件に合うのは、英語ができる層か、日本語を教えるべき層か?」といった判断に迷う場合は、海外人材採用の専門家である『海外人材タイムス』へお気軽にご相談ください!貴社のニーズに最適な採用戦略を、経験豊富なコンサルタントが無料でアドバイスいたします。


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