出入国在留管理庁(入管)とは?|役割・在留申請方法などを解説
2025.07.16
日本で生活する外国人や、外国人を雇用する企業にとって、「入管」は避けて通れない重要な行政機関です。正式名称を「出入国在留管理庁」と言い、私たちの身近なところで出入国や在留資格に関する様々な手続きを担っています。しかし、「昔の入国管理局とは何が違うの?」「具体的にどんな手続きができる場所?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、「入管とは?」という基本的な疑問から、その組織体制、具体的な業務内容、在留資格申請などの手続き方法、便利なオンライン申請、困ったときの相談窓口まで、網羅的に解説します。入管に関する正確な知識を身につけ、スムーズな手続きや外国人との共生に役立てましょう。
CONTENTS
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1. 出入国在留管理庁(入管)ってどんなところ? 組織の基本を理解しよう
出入国在留管理庁(入管)の基本情報
正式名称と通称の関係
「出入国在留管理庁」は、一般的に「入管」と呼ばれる日本の機関です。正式には「出入国在留管理庁」として、外国人の出入国管理や在留資格の管理を行っています。通称「入管」は、長年使われてきた俗称で、現在も広く認知されています。
前身「入国管理局」からの変更点
2019年4月に「入国管理局」から「出入国在留管理庁」に格上げされました。この変更は、外国人労働者の増加や新たな在留資格「特定技能」の創設を受け、出入国管理に関する業務が拡大したためです。これにより、組織の規模や権限が強化され、外国人の在留管理の効率化が進められました。
法務省における位置づけ
出入国在留管理庁は、法務省の外局として位置づけられています。「外局」とは、中央省庁の一部として機能しながらも、ある程度独立性を持ち、業務の専門性が求められる組織です。入管は、在留資格の発行や管理、外国人労働者の受け入れに関する政策などを担当し、外国人に関する法的な運用を担っています。

全国の組織ネットワーク
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1. 本庁(中央組織)
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本庁は、出入国在留管理庁の中心的な機関です。
政策の策定や全体の調整を行い、外国人の出入国管理、在留資格の審査や管理、法改正など、重要な業務を担っています。
また、各地方出入国在留管理局や支局との調整役を果たしています。
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2. 地方出入国在留管理局(8局)
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全国に8つの地方出入国在留管理局があり、これらは地域ごとに出入国管理業務を担当します。
各局は、外国人の入国審査、在留資格の変更や更新、ビザの発行などを行い、地域の外国人管理を担っています。 -
3. 地方出入国在留管理局の所在地
● 東京出入国在留管理局(東京都)
● 横浜出入国在留管理局(神奈川県)
● 名古屋出入国在留管理局(愛知県)
● 大阪出入国在留管理局(大阪府)
● 神戸出入国在留管理局(兵庫県)
● 福岡出入国在留管理局(福岡県)
● 札幌出入国在留管理局(北海道)
● 沖縄出入国在留管理局(沖縄県)
4. 支局(7局) -
支局は、地方出入国在留管理局の下部組織で、各地方局を補完する形で、より細かな地域管理を行います。
支局は地域の特定業務を担当し、出入国管理業務を効率化します。 -
5. 出張所(約160ヶ所)
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出張所は、地方出入国在留管理局や支局がカバーしきれない細かな地域で、外国人の管理業務を実施します。
約160ヶ所の出張所が、全国に分散しており、地域密着型のサービスを提供しています。 -
6. 入国者収容所(2ヶ所)
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入国者収容所は、不法入国や不法滞在者の収容、管理を行う施設です。
違法滞在者や入国拒否された外国人が一時的に収容され、再入国審査が行われます。
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このように、出入国在留管理庁は、日本の外国人関連業務を全国規模で管理し、法務省の一翼を担う重要な機関です。
- ● 出入国在留管理庁の公式サイトはこちら
2. 入管の多岐にわたる業務内容:何をしている場所?
出入国在留管理庁(通称「入管」)は、外国人の出入国に関する管理・審査を行う機関です。外国人労働者の受け入れや日本での滞在に関わる様々な手続き・業務を担当しており、その業務範囲は非常に多岐にわたります。
中核業務
1. 出入国審査
入管の最も基本的な業務は、出入国時の審査です。日本に到着する外国人や日本を出国する日本人に対して、本人確認や必要書類の確認を行い、上陸許可や出国許可を与えます。これにより、不法入国や不法滞在を防止しています。
2. 在留審査・管理
入管は、外国人の在留資格の管理を行う役割も担っています。主な業務は以下の通りです。
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● 在留資格の新規発行(在留資格認定証明書交付)
● 在留資格の変更許可
● 在留期間の更新許可
● 在留カードの交付・更新・記載事項変更・再交付
● 永住許可の申請審査
● 再入国許可やみなし再入国許可
● 資格外活動許可
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これにより、外国人が適法に日本で生活・働くことができるように管理し、必要に応じて変更や更新を行います。
3. 法秩序維持
入管は、日本の法的秩序を維持するために重要な役割を担っています。具体的には、不法入国者や不法滞在者の調査・摘発を行い、違法に滞在している外国人を取り締まります。また、退去強制手続きにより、不法滞在者を適法に本国へ帰国させることを実施し、外国人管理を適切に行っています。これにより、日本の法制度の遵守が確保され、社会秩序が守られるとともに、外国人の合法的な滞在が保障されています。
その他の重要業務
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- ● 特別永住者に関する手続き
特別永住者の在留資格に関する各種手続き(証明書交付など)も入管の業務です。
● 難民認定に関する手続き
難民申請者に対する認定手続きやサポートも入管の重要な役割です。
● 外国人への情報提供・生活支援
入管は、外国人に向けて日本での生活に関する情報提供や支援も行っています。
特に、外国人の生活支援を目的にしたポータルサイトを運営し、様々なガイドやサポートを提供しています。
- ● 特別永住者に関する手続き
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3. 【実践ガイド】入管での主な手続き:窓口とオンライン申請
入管での主な手続きには、窓口とオンライン申請の2種類があります。申請は、自身の住所地を管轄する地方入管で行うのが基本です。これにより、地域ごとの担当部署が手続きに対応します。
窓口申請の流れ
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- 1. 必要書類を準備します。
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- 2. 申請書を記入し、所定の窓口に提出します。
- 3. 標準的な処理期間は、例えば在留期間更新申請の場合、約2週間〜1ヶ月程度です。
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オンライン申請のメリット
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- 1. 24時間受付可能
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- 2. 原則として出頭不要
- 3. 進捗の確認が可能で便利
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オンラインで申請できる主な手続きには、在留期間更新、在留資格変更、在留カード再交付などがあります。また、利用者として本人や法定代理人、弁護士や行政書士、または受入機関職員などが申請を行うことができます。
利用開始までのステップ
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- 1. 利用者情報を登録します。
- 2. 利用申出の承認を受ける(マイナンバーカード等が必要)。
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一部の手続きには手数料が必要です。手数料は収入印紙で納付することが求められます。4. 企業と入管の関わり:外国人雇用におけるポイント
ここで、外国人を雇用する企業が入管に関して知っておくべき義務や注意点についてまとめます。
在留資格申請(認定・変更)における企業の役割
企業は、外国人の在留資格申請において重要な役割を果たします。具体的には、雇用理由書や会社謄本など、申請に必要な書類の準備協力を行います。代理申請が可能で、場合によっては、企業が代理として申請手続きを進めることもできます。
在留カード確認義務
企業は外国人従業員の在留カードを確認し、適切な就労を監督する義務があります。確認すべき点としては、カードの原本確認、有効期限、就労制限の有無、資格外活動許可欄の有無などがあります。これにより、不法就労を防止することができます。
所属機関(企業)に関する届出義務
中長期在留者を雇用した際や契約終了・変更時には、企業は入管に対して届出を行う必要があります。この手続きは、外国人労働者の在留状況や雇用契約の変更を正確に報告するために重要です。
入管からの調査等への協力義務
企業は、入管からの調査や指示に協力する義務があります。これにより、法的な手続きを円滑に進め、外国人労働者の管理が適正に行われることが求められます。

5. 困ったときの頼れる味方:入管の相談窓口と活用法
ここでは、入管に関する疑問や困りごとが生じた際に、どこに相談すればよいかを紹介します。
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1. 外国人在留総合インフォメーションセンター
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電話相談:全国共通ナビダイヤル(0570-013904)で対応。多言語(英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語など)にも対応しており、外国人労働者や企業向けに広範囲なサポートが受けられます。対応時間は平日9:00~17:00です。
メール相談:メールアドレス(info-infonet@immigration.go.jp)を通じた問い合わせも可能。利用には注意点があり、メールにて相談する際は正確な情報提供が求められます。
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2. 地方出入国在留管理局・支局の窓口
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具体的な手続きや状況に応じて、最寄りの地方出入国在留管理局や支局の窓口で対面相談が可能です。多くの窓口では、事前の予約が必要な場合があるので、事前確認をお勧めします。
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3. 外国人在留支援センター(FRESC)
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設置場所: 東京・四谷にあり、外国人の在留に関するさまざまなサポートを行う「ワンストップ相談センター」です。法的な手続きから生活支援まで、専門の機関と連携し、相談を受けることができます。
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4. 相談内容に応じた窓口の選び方
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一般的な手続きに関する相談:外国人在留総合インフォメーションセンターに問い合わせるのが適切です。
複雑な個別案件や詳細な相談:地方入管窓口や外国人在留支援センター(FRESC)での対面相談が推奨されます。
専門家への相談:さらに専門的なアドバイスが必要な場合は、弁護士や行政書士の利用も考慮しましょう。

6. 入管をめぐる最新情報と今後の展望
ここからは、入管に関する最近の法改正や社会的な動きについて解説していきます。
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1. デジタル化の進展
入管業務のデジタル化が進み、オンライン申請の対象が拡大しています。これによ
り、在留資格変更や更新手続き、在留カードの再交付などが、従来よりも便利かつ迅
速に行えるようになっています。特に、在留カードとマイナンバーカードの一体化検
討が進んでおり、個人情報の一元管理が期待されています。
2. 関連法改正の動向
育成就労制度の創設や、特定技能分野の拡大が進められています。これにより、外国
人労働者を受け入れやすくし、特定分野での人材不足を解消する狙いがあります。ま
た、難民認定制度の見直しも進行中で、より公平で迅速な対応が求められています。
これらの改正は、入管業務の効率化と外国人労働者の権利保護に寄与するでしょう。
3. 社会的な課題
長期収容問題や人権への配慮が重要な社会的課題として取り上げられています。特
に、外国人の不法滞在者や難民申請者が長期間収容される問題について、改善が求め
られています。これに対する適切な対応策が議論されています。
4. 「外国人との共生社会」の実現に向けた取り組み
入管は「外国人との共生社会」の実現を目指して、外国人労働者の生活支援や人権保
護に積極的に取り組んでいます。今後は、外国人の社会的包摂や共生を促進するた
め、政策面でもさらなる整備が期待されます。
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今後、入管業務はさらなるデジタル化と法改正によって効率化が進み、社会的な課題に対応する形で進化していくことが見込まれます。
7. 【まとめ】入管(出入国在留管理庁)を正しく理解し、上手に付き合うために
入管(出入国在留管理庁)は、外国人関連手続きの中核を担う重要な行政機関であり、その業務は外国人の出入国審査や在留資格の管理、雇用に関連する手続きまで多岐に渡ります。手続きには、オンライン申請や窓口申請など様々な方法があり、それぞれに適した窓口を選ぶことが重要です。特に企業にとっては、外国人労働者を雇用する際の法的責任やコンプライアンスの徹底が求められ、在留資格や労働条件に関する確認は欠かせません。また、制度や手続きは定期的に変更されることがあるため、常に最新情報を追い、適切に対応する必要があります。
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