【建設分野】外国人就労管理システムとは?登録方法から使い方までを解説
2025.08.28
建設分野で特定技能外国人を受け入れる企業にとって、国土交通省が管轄する「外国人就労管理システム」への登録と利用は避けて通れない手続きです。
しかし、「どこから登録すればいいのか」「登録後に何を申請すればいいのか」「変更申請と変更届出はどう違うのか」など、具体的な操作方法やルールが分からず、戸惑っている担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そうした疑問を解消するため、システムの利用準備からアカウント登録、そして入社後の各種申請・届出まで、一連の流れをステップごとに分かりやすく解説します。
CONTENTS
- 1. 建設分野の外国人就労管理システムでできること
- 2. システム利用のための事前準備と推奨環境
- 3. 外国人就労管理システムの登録方法【3ステップ】
- 4.【ケース別】システムの使い方と申請・届出の手順
- 5. 外国人就労管理システムの注意点とよくある質問(FAQ)
- 6. まとめ:建設分野の特定技能受け入れにはシステム登録が不可欠
1. 建設分野の外国人就労管理システムでできること
1.1 システム導入の目的と義務化の背景
建設分野における外国人材の受け入れを適正かつ円滑に行うために、国土交通省が導入した公式のオンラインシステムが「建設分野の外国人就労管理システム」です。このシステムは、特定技能外国人が安心して働ける環境を整備し、不適切な雇用や労働条件の悪化を防ぐことを目的としています。
特定技能外国人を受け入れる全ての建設企業(=受入れ機関)は、このシステムへの登録と継続的な利用が法律により義務付けられています。システムを通じて、受入れ計画の申請や報告義務を適正に履行することが求められており、企業のコンプライアンス対応にも直結する重要な仕組みとなっています。
1.2 主な機能一覧(新規申請、受入報告、変更届出など)
このシステムでは、外国人材の雇用に関する各種手続きをオンラインで一元的に行うことが可能です。主な機能は以下の通りです。
- ● 建設特定技能受入計画の新規申請
外国人を雇用するために必要な「受入計画」をオンラインで申請できます。 - ● 認定された受入計画の内容確認
認定済みの計画内容をいつでも確認でき、更新・管理が容易です。 - ● 計画内容の変更申請・変更届出
受入体制や就労条件などに変更が生じた際には、オンライン上で変更申請や届出が可能です。 - ● 外国人が入社した際の受入報告
特定技能外国人が実際に入社した場合、受入報告を速やかに提出する必要があります。 - ● 外国人が退職した際の退職報告
離職が発生した際にも、オンラインで退職報告を行うことが求められます。
これらの機能により、行政とのやりとりを効率化しつつ、法令遵守と外国人労働者の適正な雇用管理が実現されます。

2. システム利用のための事前準備と推奨環境
建設分野の外国人就労管理システムを円滑に利用するためには、あらかじめ使用するパソコンの動作環境を整えておく必要があります。以下に、対応するOS・ブラウザなどの推奨環境と、ログイン時に発生しやすいトラブルへの事前対策をまとめました。
推奨動作環境
|
推奨内容 |
|
|
対応OS |
・Windows 10(最新版) ・Windows 11(最新版) |
|
対応ブラウザ |
・Microsoft Edge(バージョン 100以上) ・Google Chrome(バージョン 100以上) |
|
インターネット接続 |
安定したブロードバンド環境(有線接続を推奨) |
※推奨環境外のOSやブラウザ(例:MacOS、Firefox、Safariなど)では正常に動作しない可能性があります。
ログイン画面が開かない場合の対処法
システムのログイン画面や各種申請画面が表示されないケースがあるため、以下のPC設定を事前に確認しておくことが重要です。
- 1. ポップアップブロックの解除
- ○ 使用ブラウザで「ポップアップを許可」する設定に変更してください。
- ○ 特に申請画面や確認画面がポップアップで表示されるため、ブロックされていると操作が進めません。
- ○ 使用ブラウザで「ポップアップを許可」する設定に変更してください。
- 2. 信頼済みサイトへの登録
- ○ システムのURL(例:https://kensetsu-tokuteiginou.mlit.go.jp など)をブラウザの「信頼済みサイト」として登録することで、アクセス制限やセキュリティブロックを回避できます。
- ○ システムのURL(例:https://kensetsu-tokuteiginou.mlit.go.jp など)をブラウザの「信頼済みサイト」として登録することで、アクセス制限やセキュリティブロックを回避できます。
- 3. JavaScriptとCookieの有効化
- ○ 本システムではJavaScriptとCookieを使用しています。無効化されていると正しく動作しないため、事前に有効に設定してください。
- ○ 本システムではJavaScriptとCookieを使用しています。無効化されていると正しく動作しないため、事前に有効に設定してください。
セキュリティソフトとの干渉について
一部のウイルス対策ソフトやファイアウォール設定が、システムの動作に影響する場合があります。動作が不安定な場合は、セキュリティソフトの設定をご確認いただくか、システム管理者にご相談ください。
補足: 管理者向けマニュアルや操作ガイドが提供されている場合は、システム導入前に必ず目を通しておくことをおすすめします。

3. 外国人就労管理システムの登録方法【3ステップ】
建設分野の外国人就労管理システムのアカウント作成は、「仮登録」と「本登録」の2段階制です。以下の3つのステップを順に進めることで、システムの利用が開始できます。
3.1 ステップ1:利用者情報の仮登録
- 1. システムのポータルサイトにアクセス
- ○ [建設分野の外国人就労管理システム ポータルサイト] にアクセスします。
- ○ トップページの「利用者仮申請」ボタンをクリックして、登録手続きに進みます。
- ○ [建設分野の外国人就労管理システム ポータルサイト] にアクセスします。
- 2. 仮登録フォームの入力
以下の情報を入力します。
- ○ 会社名・法人番号
- ○ 所在地、業種、代表者情報
- ○ 担当者氏名・連絡先メールアドレス
- ○ 自身で設定する「ログインID」
- ○ 会社名・法人番号
- 3. 入力内容を確認し、仮申請を送信
正しく入力できたら、確認画面を経て仮申請を完了させます。
3.2 ステップ2:メール受信と本登録
- 1. 仮申請後、登録したメールアドレスにメールが届く
メールの件名は「【建設外国人就労管理システム】仮パスワード通知」などです。
※メールには、仮パスワードが記載されています。 - 2. ポータルサイトに戻り、「利用者本登録」ボタンをクリック
- 3. IDと仮パスワードでログイン
- ○ ステップ1で設定した「ログインID」と、メールに記載された「仮パスワード」を使用します。
- ○ ステップ1で設定した「ログインID」と、メールに記載された「仮パスワード」を使用します。
3.3 ステップ3:本パスワードの設定とログイン
- 1. ログイン後、パスワード変更画面が表示される
セキュリティ強化のため、仮パスワードのままでは利用できません。必ず新しいパスワードを設定します。 - 2. パスワード設定のルール(例)
- ○ 8文字以上
- ○ 英大文字・小文字、数字、記号のうち3種類以上を組み合わせることが推奨
- ○ 例:Abcde123!
- ○ 8文字以上
- 3. パスワードを設定後、本登録が完了
これでアカウントが有効化され、以後はログインIDと新しいパスワードで、いつでもポータルサイトへログインできるようになります。
登録完了後にできること
- ● 建設特定技能受入計画の申請
- ● 外国人就労者の受入・退職報告
- ● 各種変更届の提出 など
ワンポイント:仮登録メールが届かない場合は、迷惑メールフォルダを確認し、@mlit.go.jpドメインの受信許可設定を確認してください。

4.【ケース別】システムの使い方と申請・届出の手順
建設分野の外国人就労管理システムでは、アカウント登録後に行う各種手続きが、すべてオンライン上で完結できます。
ここでは、よくある3つのケースに分けて、実際の操作手順とポイントを解説します。
4.1 ケース①:初めて特定技能外国人を受け入れる場合(新規申請)
目的:「建設特定技能受入計画」を新たに申請し、外国人を正式に雇用するための準備を行います。
操作の流れ:
- 1. システムにログイン
- 2. メニューから「建設特定技能受入計画」→「新規申請」を選択
- 3. 以下の情報を画面の指示に従って入力:
- ○ 受入企業の基本情報(所在地、法人番号など)
- ○ 外国人労働者の情報(氏名、生年月日、国籍、在留資格など)
- ○ 雇用条件(職種、報酬、労働時間、福利厚生など)
- ○ 受入企業の基本情報(所在地、法人番号など)
- 4. 必要な証明書類を添付(PDFなど)
- ○ 雇用契約書
- ○ 社会保険加入証明
- ○ 住居確保の書類 など
- ○ 雇用契約書
- 5. 入力内容を確認し、申請ボタンを押して完了
→ 申請後、内容が審査され、認定されると受入れが可能になります。
4.2 ケース②:受け入れ計画の内容に変更があった場合(変更申請・変更届出)
目的: すでに認定されている受入計画に変更が発生した場合、システム上での手続きが必須です。
変更内容に応じて、以下の2種類の手続きに分かれます。
|
変更内容の例 |
手続きの種類 |
備考 |
|
報酬額の変更、受入人数の変更 |
変更申請(審査あり) |
審査・再認定が必要 |
|
勤務場所の変更、会社の住所変更など |
変更届出(審査なし) |
変更内容の登録のみで可 |
操作の流れ
- 1. システムにログイン
- 2. 「建設特定技能受入計画」→「変更申請」または「変更届出」を選択
- 3. 対象となる受入計画を選び、変更箇所を入力
- 4. 必要に応じて証明書類を添付し、申請または届出を送信
4.3 ケース③:特定技能外国人が入社した場合(受入報告)
目的: 特定技能外国人が実際に入社したことを、国に報告する必要があります。
操作の流れ
- 1. システムにログイン
- 2. 「1号特定技能外国人受入報告書」を選択
- 3. 入社した外国人の情報(氏名、在留カード番号、雇用開始日など)を入力
- 4. 必要に応じて、住居情報や就労開始確認書などを添付
- 5. 内容を確認し、報告書を提出
重要ポイント:
- ● 新規入国者の場合は、入国後1ヶ月以内に
「建設キャリアアップシステム(CCUS)」への登録が必要です。 - ● 報告には、CCUSの技能者IDを併せて入力する必要があります。未取得の場合は早めの手続きをおすすめします。
まとめ
|
ケース |
必須手続き |
注意点 |
|
初めて外国人を受け入れる |
新規申請 |
必要書類を揃えてから申請する |
|
受入計画の内容に変更がある |
変更申請 or 変更届出 |
内容に応じて申請か届出かを判断 |
|
外国人が実際に入社した |
受入報告 |
CCUSの技能者ID登録を忘れずに |

5. 外国人就労管理システムの注意点とよくある質問(FAQ)
外国人就労管理システムは法令遵守のための重要な仕組みである一方、申請や運用には時間や手続きのルールが関わります。ここでは、利用にあたって特に注意すべき点や、現場でよくある質問について解説します。
5.1 審査にかかる日数の目安
Q:受入計画の新規申請から認定まで、どれくらい時間がかかる?
A:おおむね「4ヶ月程度」を見込んでください。
- 「建設特定技能受入計画認定証」が発行されるまでには、提出書類の確認や審査プロセスを含め、早くても約4ヶ月かかります。
- この認定証がなければ、出入国在留管理庁(入管)での在留資格の申請ができません。
- 外国人材の入社時期に間に合わせるには、余裕をもって早期に申請することが不可欠です。
5.2 変更申請と変更届出の使い分け
Q:受入計画に変更が出たら、何をすればいい?
A:変更内容によって、「変更申請」と「変更届出」を使い分けます。
|
種類 |
対象となる変更内容 |
審査の有無 |
手続き |
|
変更申請 |
受入人数の増加、報酬額の変更などの重要事項 |
あり |
再審査が必要 |
|
変更届出 |
勤務地・担当者変更、会社の住所変更などの軽微な事項 |
なし |
登録のみ |
- ● 変更申請は、審査の上で再度認定を受ける必要があります。
- ● どちらに該当するか判断が難しい場合は、「変更申請・変更届出の手引き」(国土交通省公開)を確認するか、問い合わせ窓口に相談してください。
5.3 アカウントの複数発行は可能か?
Q:複数の担当者でシステムを使いたい。アカウントは複数作れる?
A:IDは原則「1社に1つ」です。
- ● 各企業に発行される認定番号(管理番号)は1つのみであり、システムのログインIDも原則1社に1つだけとなっています。
- ● 複数の担当者が操作を行う場合は、同じIDとパスワードを共有する必要があります。
- ● セキュリティと業務の正確性を保つため、パスワードの適切な管理・定期変更を推奨します。
5.4 登録後にすべきこと
Q:受入計画の認定を受けたら、次に何をする?
A:「建設特定技能受入計画認定証」をダウンロード・保存し、入管での手続きに備えてください。
- ● 認定証はシステムからPDF形式でダウンロード可能です。
- ● 出入国在留管理庁(入管)での在留資格申請の際に、この認定証が必須の添付書類となります。
- ● 認定後すぐに、外国人本人や行政書士など関係者に提供できるよう準備を進めましょう。
最後に|システム運用で失敗しないためのポイント
- ● 申請から認定までは時間に余裕をもって行動
- ● 変更が発生したら、内容を確認し適切な手続きを選択
- ● アカウントの取り扱いは社内でルールを定めて共有管理
- ● 認定証は在留資格申請に不可欠なので、確実に取得・保管

6. まとめ:建設分野の特定技能受け入れにはシステム登録が不可欠
建設分野で特定技能外国人を受け入れるすべての企業にとって、外国人就労管理システムへの登録と適正な運用は、法律で定められた義務です。このシステムを通じて、受入計画の申請・報告・変更届出などを行うことで、外国人労働者の適正な雇用管理と、企業としての法令遵守が実現されます。また、申請から認定証の取得までには最低でも4ヶ月程度の時間が必要であり、その後の在留資格申請(入管手続き)にも直結するため、スケジュール管理が非常に重要です。
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