フィリピン人の性格と特徴は?タブーや雇用のメリットも解説
2025.12.16
近年、高い英語力とホスピタリティ精神を持つフィリピン人材は、日本の労働市場で不可欠な存在となっています。しかし、彼らと一緒に働く上では、その国民性や文化的背景を理解することが、労務トラブルの回避と長期的な雇用を続ける上で非常に大切です。
本記事ではフィリピン人の陽気な性格や家族最優先の価値観、そして気付かぬうちに信頼関係を損ねる「文化的タブー」までを網羅的に解説します。最後まで読むことで、フィリピン人材を雇用する際の具体的なメリットと、安定的な雇用を実現するためのコミュニケーションの要点が分かります。
CONTENTS
- 1. フィリピンの基本情報と社会的背景
- 2.フィリピン人の国民性:代表的な7つの性格・価値観
- 3. フィリピン人と働く上で知っておきたい5つの文化的特徴
- 4. フィリピン人材との関係構築で避けるべきタブー
- 5. フィリピン人を採用する3つのメリット
- 6. まとめ:フィリピン人材の特徴を理解し、長期雇用につなげよう
1. フィリピンの基本情報と社会的背景
1.1 地理・気候・人口動態
フィリピンは東南アジアに位置し、面積は約 300,179平方キロメートル、人口は約1億1,300万人台と大きな国です。気候は熱帯海洋性気候で、高温多湿が特徴です。年間を通して気温が高く、平均年気温は約 26.6度。モンスーンの影響で、乾期、雨期、涼季といった季節の変化があります。こうした地理・気候的条件や人口の多さもあって、フィリピンは豊富な労働力を抱える国のひとつとされています。
1.2 公用語としての英語力
フィリピンの公用語には現地語のほか「英語」が含まれており、多くの国民が英語に親しんでいます。国際的な英語能力比較ランキングであるEF Education Firstの「EF English Proficiency Index (EF EPI)」において、2024年版ではフィリピンはアジア地域で上位に位置。世界の非英語圏116か国・地域のランキングで、フィリピンは「高い (High)」英語能力レベルと評価されています。
この高い英語力は、フィリピン人が海外で働いたり、サービス業(コールセンター、教育、観光など)で活躍したりするうえでの大きな強みとなっています。多言語環境での就労や国際的なコミュニケーション能力を必要とされる職種において、フィリピン人は非常に有利な母国背景を持っていると言えます。
参考:EF EPI EF英語能力指数ランキング(2024年)
1.3 宗教観(キリスト教)
フィリピンでは国民の大半がキリスト教徒で、そのうち約 80%以上がカトリック信者だと報告されています。たとえば、外務省などのデータでも「国民の約9割がキリスト教」という指摘があります。
この宗教的背景は、日常生活や価値観、国民性、さらには海外就労者(後述)にも影響を与えており、異文化環境であっても一定の共通理解(キリスト教的価値観など)を持つ人が多い点が、国際環境で働く際の安心材料になりやすいと言えます。
参考:フィリピン基礎データ|外務省
1.4 「出稼ぎ大国」フィリピンと OFW の存在
フィリピンは「出稼ぎ大国」として知られ、特に海外で働く Overseas Filipino Workers(OFW)が国内経済において重要な役割を果たしています。2024年における OFW からの送金は過去最高を記録し、フィリピン国内総生産 (GDP) の約 8.3%を占めた、との報告があります。
このような送金収入は、フィリピン経済や国内消費を支える重要な柱となっています。多くの家族が海外就労者からの送金を生活の中心にしており、安定収入の確保や教育費、生活費の補填などに当てられています。この構造が、国全体の経済事情や労働市場にも大きな影響を与えています。
さらに、フィリピン政府は海外就労を希望する労働者を支援する体制を整えてきました。具体的には、現地の送り出し機関を認定し、適切な雇用契約や就労環境の確保、出稼ぎ者の権利保護などを制度的にサポートすることで、海外就労をひとつの選択肢として制度化しています。このような環境があるため、多くのフィリピン人が「母国の経済状況」や「高い英語力」を背景に、国際的な職場を目指すことが可能となっています。
参考:フィリピン経済の現状と今後の展望
参考(フィリピンの平均年収):2023年度 フィリピンの労働事情(フィリピン・マレーシアチーム) – 国際労働財団(JILAF)
参考(日本の平均年収):令和5年分 民間給与実態統計調査|国税庁

2.フィリピン人の国民性:代表的な7つの性格・価値観
2.1 陽気でフレンドリーな国民性
フィリピンでは、多くの人が「明るく、親しみやすい」性格であると言われます。初対面でも気軽に話しかけたり、笑顔で挨拶したりする傾向が強く、人懐こさや社交性に富んでいます。たとえば、語学学校や旅行先でフィリピン人と接した外国人が「とてもフレンドリー」と感じるケースが多く報告されています。 この性格は、サービス業やチーム作業、異文化の集団などで適応しやすさ・協調性の高さにつながります。
2.2 高いホスピタリティ(おもてなし)精神
フィリピン人の大きな特徴として「ホスピタリティ精神」が挙げられます。家庭でも地域社会でも、来客や訪問者を温かく迎え入れ、食事を振る舞ったり部屋を提供したりすることは珍しくありません。見知らぬ人への助けや思いやりを自然に示す文化が根付いています。この「他人を大切にする姿勢」は、職場でのチームワークや顧客対応、国際環境でのコミュニケーションなどにおいて強みとなります。
2.3 家族を優先する価値観
フィリピン社会では「家族 (Family)」が非常に重要な存在で、多くの人にとって最優先されています。拡大家族が同居する、親を大事にする、家族全体で支え合うといった価値観が強く、子どもが成人しても親と同居するケースが多く見られます。この価値観は、たとえ職場が変わっても家族への思いが強いため、安定を求める姿勢や責任感、継続性につながる傾向があります。
2.4 場の雰囲気を重んじる協調性
フィリピン文化には、「Pakikisama(パキカサマ)」と呼ばれる価値観があり、「みんなと仲良くする」「調和を大事にする」「集団の一員として協力する」という意味を持ちます。これにより、チームや集団の中で協調しやすく、場を和ませたり、人間関係を円滑にしたりする力があります。また、困っている人を助けたり、助け合ったりする姿勢も強いと言えます。
2.5 プライドの高さと自尊心
フィリピン人は、自らのアイデンティティや誇りを大切にします。家族やコミュニティ、文化への強い帰属意識、そして「自分は尊重されるべき存在」という自尊心を持つ人が多いとされます。このプライドは、仕事においても自尊心を持って取り組む姿勢や、自身の価値を意識しながらの行動につながる可能性があります。
2.6 「親日」と言われる歴史的背景
フィリピンは過去に日本とのさまざまな関係を持つ国であり、現代においても日本の文化(アニメ、マンガ、J‑POP、日本食など)が浸透し、若年層を中心に日本への親しみや憧れを持つ人が多いという報告があります。このような親日感情や日本文化への理解があることで、日本企業や日本人との協働、異文化環境での適応が比較的スムーズになりやすいと言えるでしょう。
2.7 噂話(ゴシップ)好きとシャイな一面
一方で、フィリピン人の国民性として、「話好き」「社交的」である反面、プライベートなことや本音を表に出すことに対してはシャイだったり、慎重になる人がいるという指摘があります。例えば、集団や家族、地域の中での「顔を立てる」「和を乱さない」という意識が強く、他人との衝突を避ける傾向があるようです。また、噂話や情報交換が盛んで、人間関係の中で「話題」が重視されることもあり、これは「場の雰囲気」を大切にする文化の裏返しとも言えます。

3. フィリピン人と働く上で知っておきたい5つの文化的特徴
フィリピン人材と日本で働く際には、日本人の価値観や習慣と異なる文化的特徴を理解しておくことが重要です。特に「時間感覚」「計画性」「金銭感覚」「イベントの重視」「生活環境への配慮」の5つのポイントは、業務管理や日常生活で戸惑いや摩擦を避けるために知っておくべき事項です。
3.1 「フィリピンタイム」と呼ばれる時間感覚
フィリピンでは、時間に対する感覚が日本より緩やかであることから、俗に「フィリピンタイム」と呼ばれます。会議や約束の開始時間が前後することが日常的に見られます。しかし、日本で働くフィリピン人の多くは、日本の時間厳守の文化を理解し、適応しようと努力しています。指導する際は、文化の違いを責めるのではなく、日本のビジネスルールとして「なぜ時間厳守が必要か(例:朝礼、ライン作業)」を具体的に説明することで、理解と協力を得やすくなります。
3.2 計画性やマルチタスクに対する考え方
フィリピン人は「今を楽しむ」価値観や、その日暮らしの生活習慣から、長期的な計画を立てることが苦手な傾向があります。口頭での複雑な指示を一度に伝えると忘れやすい場合があるため、指示は文字と口頭で併用し、メモを共有するなどの工夫が有効です。また、複数業務を同時に処理するマルチタスクよりも、一つの業務に集中することを好むため、タスクを順番に明確に指示することが望ましいでしょう。
3.3 お金に対する価値観と管理
金銭に関する価値観も日本人と異なる場合があります。雇用契約時やオリエンテーションで、前借りの可否や同僚間の貸し借りの禁止など、社内ルールを明確に示すことが重要です。これにより、金銭トラブルを未然に防ぎ、信頼関係を維持できます。
3.4 イベントや祝祭を重視する文化
フィリピンでは、クリスマスや誕生日、地域の祝祭などイベントを重視する文化が根付いています。これらのイベントを理由とした休暇申請は非常に重要度が高く、可能な限りシフト調整などの配慮を行うことが、従業員のエンゲージメント向上につながります。
3.5 騒音など近隣への配慮の違い
共同生活や寮生活をする場合、日本の生活ルール(夜間の騒音やゴミ出しの規則など)について具体的に説明することが重要です。理由を示して指導することで、近隣トラブルを防ぎ、円滑な生活環境を確保できます。

4. フィリピン人材との関係構築で避けるべきタブー
文化的タブーを理解していないと、突然の離職やモチベーション低下、指示不履行など深刻な労務トラブルにつながる可能性があります。以下の点に注意が必要です。
4.1 人前での叱責や恥をかかせる行為
プライドや面子を重んじる文化のため、他者の前で叱責されると極度の屈辱を感じます。業務指導や注意は必ず個室や人目の少ない場所で行い、感情的に怒鳴らず、まずできている点を評価し、改善点は提案やお願いとして丁寧に伝えることが重要です。
4.2 宗教に関する否定的な発言
国民の約90%がキリスト教徒であり、宗教は生活とアイデンティティの中心です。無宗教の多い日本人の感覚で疑問視したり否定的発言をしたりすることはタブーです。また、少数のイスラム教徒にも敬意を払う必要があります。
4.3 家族や収入に関する過度な詮索
家庭事情や収入、送金額などはデリケートな話題です。特に経済格差が大きいことから、他人の財務状況に踏み込むことは不快感や不公平感を生むため避けましょう。
4.4 文化的習慣を軽視する態度
「フィリピンタイム」や食事マナーなど、日本と異なる習慣を「遅れている」「非効率」と評価する態度は避けるべきです。文化の違いを優劣ではなく「違い」として理解し、相互尊重の姿勢を持つことが重要です。
4.5 誤解を招くジェスチャー
- ● 手招き:日本式(手のひら下)は侮辱にあたり、手のひら上で行う。
- ● OKサイン:日本の輪を作るOKはお金や侮辱と誤解される場合があり、サムズアップが無難。
- ● 頭を撫でる:子どもでもむやみに頭を撫でるのはタブー。

5. フィリピン人を採用する3つのメリット
フィリピン人材を日本の職場で採用する場合、言語面や文化的適応力、勤勉性において大きなメリットがあります。これらの特徴を理解することで、採用後の教育や業務管理をスムーズに進めることができます。
参考:フィリピン人採用のメリット・注意点【POEA・POLO】の解説
5.1 高い英語力と日本語習得の早さ
フィリピンはアジアでもトップクラスの英語力を有しており、職場でのコミュニケーションにおいて非常に有利です。多くのフィリピン人労働者は、英語を使った業務指示やマニュアル理解が容易であり、業務教育や指導の効率化につながります。
さらに、日本語の習得も比較的早い傾向があります。文法や発音の習得がスムーズであり、短期間で日常会話や業務上必要な日本語を習得できるケースが多く、現場への定着も早いことがメリットです。
5.2 宗教的制約の少なさと職場への適応力
フィリピン人の多くはキリスト教徒ですが、イスラム教徒も少数存在します。宗教的な制約が少ないため、勤務日や時間に柔軟に対応できる点は、受け入れ企業にとって大きなメリットです。
また、日本の食文化や生活習慣への適応力も高く、職場の食堂運営や労務管理の負担が少ないことが特徴です。ただし、日曜の礼拝やクリスマス・イースターなどの祝祭日は重要視するため、シフト調整など一定の配慮は必要です。
5.3 他国と比較して低い失踪率とその背景
フィリピン人材は、他国の外国人労働者と比較して失踪率が非常に低いことが知られています。これは、フィリピン政府が海外就労者の権利保護や教育・渡航費用の負担軽減など、海外労働者を守る体制を整えていることが背景にあります。
特に技能実習生の場合でも、POEA(移住労働者省)の認定を受けた送り出し機関を通して手続きを行うため、雇用契約の透明性が確保され、失踪のリスクが大幅に抑えられています。このため、採用企業にとって安定的な人材確保が可能となります。
このように、フィリピン人材は「高い英語力・日本語習得の早さ」「宗教的制約の少なさ・職場適応力」「低い失踪率」という3つの大きなメリットを持ち、受け入れ企業にとって安定的かつ効率的な労働力となります。

6. まとめ:フィリピン人材の特徴を理解し、長期雇用につなげよう
フィリピンの基本情報から性格、特徴、技能実習生として受け入れるメリットについて紹介しました。
失踪率の低いフィリピン人実習生は、他国の実習生に比べ安定した雇用が期待できます。もちろん外国人ですので、考え方や行動などすべてを理解することは難しいかもしれませんが、ホスピタリティの高さなど業種によってはこれ以上ないほどに素晴らしいスキルを持っています。
ぜひ本記事を参考にして、フィリピン人技能実習生の受け入れの検討および受け入れ後のより良い関係を築いていってください。
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