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年間9000人以上も! 技能実習生の失踪をどう防ぐ?

技能実習生として来日した外国人が、しっかり技術を身につけて帰国し、学んだスキルや経験を母国の発展に活かせば、雇用主と日本にとっても理想的です。しかしながら、現実はそうではなく、技能実習生は一定の割合で失踪しているのです。失踪した外国人は不法滞在になったり、ひどい場合には犯罪に手を染めたりすることもあり、大きな社会問題です。

出入国在留管理庁によると、2014年から2018年の間に毎年2%前後の割合で技能実習生が失踪していました。その間、技能実習生の人数自体が増加していたため、2014年には4847人いた失踪者が4年後には9052人にまで増えたのです。

技能実習生が失踪する大きな原因は2つあると考えられています。

1)賃金の未払いや過剰労働など、実習実施者側の不適正な取り扱い
2)入国時に支払った費用の回収など、実習生側の経済的な事情

それぞれ詳しく見てみましょう。

原因①
賃金未払いなど実習実施側の不適正な取り扱い

実習実施者側に問題があり、労働環境に耐えかねた技能実習生が失踪してしまうことがあります。次のようなケースが当てはまります。

  • 実習実施者側がきちんと契約した賃金を払わなかった
  • 賃金の未払いが続いている
  • 過剰な残業を強いている
  • 職場でセクハラやパワハラが横行しているなど

このような問題を受けて、2017年11月に施行された技能実習法の下、外国人技能実習機構は適正化に向けてさまざまな取り組みを行なっています(以下)。

  • 技能実習計画の認定制
  • 監理団体の許可制
  • 定期的な実地検査
  • 母国語相談体制の充実
  • 二国間取決めによる送り出しの適正化
  • 違約金の定めなどの不適正な契約を認知した場合、監理団体の許可を取り消し、送り出し国政府への通報

原因②
入国時に支払った費用の回収など、実習生側の経済的な事情

送り出し国の中には、技能実習生に多額の借金を負わせてから日本に送る悪徳ブローカーが存在します。「条件の良い仕事を日本で紹介するよ」 とか「倍率が高い技能実習だけど自分のコネで通してあげる」 など甘い言葉をささやかれ、気が付いたら来日前に100万円以上の借金を負わされていた、というケースが多発しているのです。

このような危険から実習生を守ろうと、日本政府もさまざまな手を打っています。相手国の悪徳ブローカーを排除するため、二国間(送り出し国の政府と日本政府)で取り締りの強化も実施されていますが、まだ数多くのブローカーが存在している模様です。

多額の借金を背負わされた実習生は、普通の技能実習の給与ではとても借金が返済できないので、もっと割の良い仕事や高額報酬を得られる違法な仕事に「転職」するために失踪してしまうのです。人身売買と似ているかもしれません。

このような場合の失踪は、実習実施者側の落ち度ではないものの、「失踪者を出した事業者」という理由でペナルティを課せられる可能性は十分にあります。日頃から実習生とよく話すなどして精神的なケアを行い、しっかりフォローすることが大切です。

実習生の失踪を防ぐためにできること

失踪者を出した監理団体や送り出し機関は、悪徳ブローカーとつながっていたり、もしくは自分たちが悪徳ブローカーそのものであったりする可能性があります。そのため、失踪者が出た場合には、技能実習生の新規受け入れを停止させるなど、技能実習制度に参加できなくなるような処置が取られています。

一方、働く環境の悪さが理由で実習生が失踪することがないように、失踪者を出した事業所には、下記のペナルティーが与えられるほか、技能実習生に聞き取り調査などが行われます。

  • 失踪技能実習生を雇用した企業名の公表
  • 特定技能の受け入れ不可の可能性
  • 技能実習生から処遇状況(賃金の支払い状況や人権侵害の有無、職場環境など)のヒアリング

技能実習生は、労働不足に悩む日本社会にとって欠かすことのできない存在ですが、私たちが考えている以上に不安やストレスを抱えています。失踪を減らすためには、メンタル面のケアを行うなど、受け入れ企業自身にも努力が求められます。

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