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インドネシア人留学生に聞く! 「インドネシアの学生のリアルな就活事情」

エンリ ファウザン ハビビエさん(左)とアプリリア ヌルマウリさん(右)

今回は、インドネシア人留学生のエンリ ファウザン ハビビエさん(以下、エンリさん)とアプリリア ヌルマウリさん(以下、アプリリアさん)にお話を伺っていきます。
前半はインドネシアの大学生の就職活動の実態について、後半はお二人それぞれの素顔に迫ります!

CONTENTS

インドネシアの就活の実態は?

インドネシアの場合、日本のように明確な就職活動の時期はなく、通年で行われるのが一般的です。新卒者は、自ら就職先を探し、希望する企業に直接応募するケースもありますが、政府や大学が主催するジョブフェアに参加することが多く、そこで企業との接点を持ちます。

やはり優秀な人材は海外での仕事を視野に入れています。しかし、学生の多くはコネクションもありませんし、情報提供そのものが豊富ではありません。視点を変えれば、企業側も有望な人材の獲得に苦戦しているのではないでしょうか。

そこで、私たちが在籍するキャムグローバルで新たに開発した「外国人材採用プラットフォーム Mintoku messe」の出番となります。

【優秀な新卒の外国人材を求人を出すだけで現地に出向かず採用できる】

外国人材採用プラットフォームMintoku messe

Mintoku messeは、ベトナム・インドネシアを中心としたアジアのトップ大学と提携し、

企業と海外人材をつなぐ採用プラットフォームです。日本語力や専門性を備えた理系・文系の学生と、現地に行かずに出会える仕組みを構築。提携大学内での就職相談会やマッチングイベントをMintokuが代行し、企業は求人情報を提供するだけで優秀な人材の確保が可能です。さらに、採用後の住居手配や生活サポートも一貫して対応。

“採って終わり”ではなく、定着と活躍まで見据えたグローバル採用を実現します。


私たちは、キャムグローバルと大学が提供するインターンシッププログラムを活用することで経験を積めていますが、日本で就職したくても、そうした機会があることを知らずに過ごしている人も少なくありません。そうした学生にとってもMintoku messeのような試みは、非常に歓迎されると思いますね。

インドネシアの新卒の給与はどのぐらい?

インドネシアにおける新卒者(大学卒業後すぐに就職する人)の給与は、一般的に月額400万〜600万ルピア(約36,000〜54,000円)程度が相場とされています。求人サイト「Glassdoor」などによると、全国平均では約590万ルピア(約53,000円)が中央値とされています(※1ルピア ≒ 0.009円で計算)。

ただし、実際の給与は業種や勤務地、企業の規模によって大きく異なり、一般的には200万〜600万ルピア(約18,000〜54,000円)の範囲が多いとされています。中でもIT系やエンジニア職、大手企業の管理職候補者などでは、月収1,000万〜2,000万ルピア(約90,000〜180,000円)に達することもあります。また、ジャカルタなどの都市部では給与水準がやや高めですが、地方ではより低い傾向にあり、生活費も地域によって異なります。

全体として、インドネシアの新卒者の給与はアジア諸国と比べると低めですから、そうした意味でも優秀な人材が海外での就労を志望するのは当然の結果だと思います。中でも日系企業は人気で、自動車メーカーやIT関係の企業を志す学生はたくさんいます。

日本で働きたい学生は何を求めているのでしょう?

1番は給料だと思います。次に、生活環境ですね。日本はインフラが整っており、街もショッピングモールもオフィスもきれいです。
文化的素養は日本人と比べそう遠くないと言われます。もちろん人によりけりですが、あまり自己主張をせず、調和を好みます。日本と同じ島国であることに起因するのかもしれませんが、島ごとに異なる民族、言語、宗教、文化が存在する多民族国家で協調性を必要とします。
日本人の規律やモラル、マナーに厳格な精神は尊敬に値します。また、ものづくりの技術力は世界一だと思います。そうしたことを徐々に学びながら、母国と日本の発展に努めたいと考えています。

実際に働いてみて「日本での仕事」はどう感じますか?

良いと感じることは、協調性の高さでしょうか。皆さん優しく、私たちを応援してくださいます。何か間違ってしまったとしても怒るのではなく丁寧に教えてくださいますし、切磋琢磨している社員の皆さんを見ていると、成長できる環境が整っていると感じます。

難しいと感じることは、言葉ですね。尊敬語、謙譲語、丁寧語などさまざまな言い回しがあり、ややこしく感じます。またビジネスマナーがしっかりしていること、時間厳守であることなども、マイペースに業務にあたる文化圏の私たちからすると、厳しいと感じることもあります。


ここからは、エンリさん、アプリリアさんのそれぞれにお話を伺っていきます。

お二人はインドネシアの名門校である国立パジャジャラン大学日本語学科に在学中と伺いました。大学ではどのような勉強をされていますか?

アプリリアさん
大学では一般教養や宗教、日本に関する内容では日本語、日本の歴史、文化などを勉強しています。
宗教の授業は日本の一般的な大学では馴染みのないことかもしれませんが、自身が信仰する宗教の勉強をします。ちなみにインドネシアでは、すべての学校で宗教教育が必修科目となっています。国が認める6つの宗教(イスラム/カトリック/プロテスタント/ヒンズー/仏/儒教)のいずれかについて、各生徒の信仰に応じた宗教教育が提供され、教えに基づく教育を受けることになります。この宗教教育は、道徳的な行動や価値観を学ぶ時間なので、たとえばイスラム教徒の生徒は、クルアーンやハディースの内容を学ぶほか、アラビア語での朗誦や暗唱も行います。学校は、公立・私立の一般校のほか、イスラーム近代学校(マドラサ)やイスラーム寄宿学校(プサントレン)などがあり、いずれの教育機関でも宗教教育が必修とされています。

エンリさん
宗教教育については学校によって濃淡がありますね。私の場合、幼稚園から中学校まではイスラム系の私立学校に通っていました。私立学校は教育省が定めたカリキュラムに100%準じる必要がないため、宗教的な教えや教義がより色濃く感じられました。たとえば小・中学校では毎朝、教室のスピーカーからコーランの聖句が流れていました。ところが高校で公立学校に進学するとそうしたことがパタっとなくなり、私立か公立学校かによって宗教的な色合いも全然違うことを体験しましたね。

パジャジャラン大学は最も歴史ある日本語教育機関であるとも伺っています。日本語が大変お上手ですが、勉強はどのように?

エンリさん
基本は学校の授業で勉強しています。でも、やはり習熟度合いは個人の興味(やる気)によって違ってくると思います。私の場合は日本のアニメが大好きなのですが、吹き替え機能でストーリーを知って満足するというよりは、日本語のまま情景やセリフを理解して、その世界観を丸ごと楽しみたいのです。
まずは好きなシーンのセリフから…ですが、“好きこそ物の上手なれ”で、アニメ=好きなことから習得できる部分は大きいでしょうね。アニメのおかげで少しずつでも日本語がわかるようになってくるとうれしいですし、もっと学んで、もっと細部まで理解できるようになりたいと思っています。

日本に興味を持ったきっかけは?

エンリさん
私は、アニメやゲームがきっかけです。日本のアニメはインドネシアでもとても人気がありますね。ストーリーの面白さ、イラストの精度の高さは本当に素晴らしいと感じます。

アプリリアさん
私は漠然と外国に興味があって、韓国語を学んでいたこともあります。語順が一緒なのでその流れで日本語を勉強するようになり、日本という国にも興味が出てきて…。日本の文化や街並み、生活環境など色々と知っていくうちに「ぜひ、この目で日本を見てみたい」「いつか、日本で仕事をしてみたい」と思うようになりました。

実際に来日して、どんな感想をお持ちですか?

アプリリアさん
日本人は男性、女性ともに“きれい”ですね(笑)これは、記事にもしていただきましたが、街も人も洗練されていることに驚きました。まさに“百聞は一見に如かず”で、わかっていたつもりでしたが、実際に日本に来て体感してみると表面的なことではなく、日本人という性質、生活、文化の根底に“きちんとしたもの”を感じます。
それから、女性が各方面に積極的ですね。この点は宗教的な部分も関係すると思いますが特に男女関係(恋愛)について見聞きすると、かなりアグレッシブな印象を受けます。

エンリさん
私は、日本人は時間に細かいという印象を受けました。公共交通機関も仕事も“時間厳守”です。最初は戸惑いましたが、私たちのように不慣れな立場からすると自己判断ではなく“決められた通り”に動くので、過ごしやすいと思うようになりました。
それから、アプリリアさんは敬虔なムスリムですが、私はそこまで信仰が深くないのでお酒も飲みますし、オープンマインドな日本人女性が好きです。やはり、こうした感覚は同じインドネシア人と言えど人それぞれですよね。

今ハマっていること、頑張っていることは?

アプリリアさん
私が今頑張っていることは漢字の勉強です。日本語は平仮名、漢字、片仮名とあり、勉強が大変です!

エンリさん
私はゲームにハマっています。アニメについては、日本人の皆さんと話してみるとセリフの言葉は実生活で使うものばかりではないと知り、さらに深い勉強が必要だと感じました。
それから、日本特有の調味料に興味があって…。今はわさびにハマっています!先日は、いなり寿司を食べたのですが、わさびをつけてみたらおいしかったです。

日本でやってみたいこと、行ってみたい場所は?

エンリさん
秋葉原に行きたいですね。理由はお察しの通りです(笑)クラブやライブハウスにも行ってみたいですし、冬になったらスキーに挑戦してみたいです。インドネシアは雪が降らないので、そもそも雪そのものが楽しみです。

アプリリアさん
花火大会に行きたいです。インドネシアでは年末年始のお祝いに大規模な花火が使われる程度で定番化したイベントはほぼありません。日本では季節の風物詩として花火大会が行われていて浴衣を着て参加したり、屋台が出ていたりと、とても風流で楽しそうです。

将来の夢を教えてください!

エンリさん
今、私たちはキャムグローバルでさまざまな業務を経験させていただいているところですが、率直に非常にやりがいを感じていますし、先輩方の真摯かつ情熱的に仕事に向き合う姿勢を見て、私も「日本で働きたい」と考える同郷の人々の架け橋になりたいと思いました。

アプリリアさん
私はまだ明確に決めていませんが、通訳の仕事ができたらと考えています。もしくはそうしたスキルを生かした何らかの仕事に従事できたらと思います。これからもっと日本の文化や習慣を知り、日本語や仕事で必要なスキル、ビジネスマナーも習得して、インドネシアと日本、両国の発展に寄与していきたいです。

エンリさん、アプリリアさん、ありがとうございました。インドネシアの学生の就活事情や文化、宗教観の相違も知ることができました。
今後はお二人の仕事現場を取材していきます。読者の皆さま、お楽しみにー!

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