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海外人材Times

「検討します」に隠された暗黙の了解—日本人の本音と建前

生活関連

2026.02.27

みなさん、こんにちは。
教えてタイムスくんのコーナーです。

今日は日常に潜む何気ない会話がテーマとなった珍事。ま、私たちでも「今のはどっち…?」って考えちゃうぐらいだから、外国人が見聞きすると日本人の“本音”にはなかなか辿り着けないかも?——時にはこうした「暗黙の了解」を振り返ってみるのも良いかもしれませんね。

登場人物
キャリアアドバイザー「伊能あやめ」:外国人雇用に取り組む企業や雇用される側の外国人人材が抱える課題を解決・サポートする業務に携わる弊社のキャリアアドバイザー。過去に青山智香と共に解決してきた事件はこちらから。

リカルドさん:フィリピン出身の特定技能生。

「検討します」は必ずしもYESではない?

「あやめさん、聞いてください! 」

製造工場の事務所。定期訪問に訪れた私は、リカルドさんの弾んだ声に迎えられた。フィリピン出身の彼は、いつも現場の空気を明るくしてくれるムードメーカーだ。

「あら、リカルドさん。何かいい場面にでも立ち会ったの?」

「はい。さきほど鈴木さんが、新しい機会を提案しに来た業者さんと話をしてました。業者さんが一生懸命説明していて、最後に鈴木さんが笑顔で『検討します』って言いました。業者さんもうれしそうに帰っていきました。もうすぐ新しい工具が届くかもしれません。僕も楽しみです!」

私は、彼の純粋な喜びようを見つめながら、心の中で「それはどうかな〜」とつぶやいた。

——リカルドさん、それは日本ビジネス界で最もポピュラーな“一旦、預からせてください”のサインかもしれないわ。

暗黙の了解〜本気と社交辞令の見分け方〜

「リカルドさん、その『検討します』っていう言葉、実はちょっと奥が深いのよ」

私は、リカルドさんを誘って、窓際のベンチに座った。

「奥が深い? んー。“検討します”というのは、そういうふうに考える、という意味ですよね?」

「ええ、もちろん文字通り『考える』という意味もあるわ。でも、日本人同士の会話ではね、相手の気持ちを傷つけないための『社交辞令(魔法のクッション)』として使われることもあるの」

私は、ゆっくりと言葉を選んだ。

「たとえばね、相手がすごく頑張って提案してくれた時。その場ですぐに『いりません』って言うと、相手はガッカリしちゃうでしょう? だから、『あなたの熱意は受け取りました。でも、会社として決めるには時間がかかるから、今日はここで一旦おしまいにしましょう』っていう時に、ニコニコしながら『検討します』って言う文化があるのよ」

リカルドさんは、不思議そうに眉を寄せた。

「えっ……? じゃあ、あの工具は来ないんですか?」

「それはまだわからないわ。でもね、日本人の『検討します』には、いろんなグラデーションがあるの。本当に導入を検討するために会議にかける場合もあれば、ひとまずその場を丸く収めるための挨拶みたいな場合もある。言葉そのものよりも、その場の“空気”が大事なのよね」

そこに、ちょうど業者さんを見送った鈴木さんが戻ってきた。リカルドさんが駆け寄っていく。

「鈴木さん、おつかれさまです! さっきの工具はいつから使い始めますか?」

鈴木さんは一瞬キョトンとした後、少し困ったように笑った。

「あはは、リカルドさんは気が早いなぁ。あれね、性能はいいんだけど、今のうちのラインにはちょっとサイズが合わないんだよ。でも、せっかく遠くから説明に来てくれたんだから、無下には断れないだろ? だから『検討します』って言って、ひとまず持ち帰ってもらったんだ。失礼にならないようにね」

リカルドさんは、驚いた表情で私の方を振り返る。

「あやめさん……。本当でした。『いりません』とは言わないンですね…」

ちょっとガッカリした表情のリカルドさんがとぼとぼとこちらに戻ってくる。

「そうなのよ。これが日本の和を大事にするコミュニケーションなのよ。相手のメンツを潰さないように、言葉を柔らかく包む。リカルドさんから見たら、ちょっとまどろっこしいかもしれないけど、これが日本人なりの礼儀だったりするのね」

「日本語、やっぱり難しいですね〜」

頭を抱えながらも、どこか面白そうに笑って着座するリカルドさん。

「そうね。でも、それが分かってくると、日本人同士の会話がもっと面白く見えるわよ。もし本当にYESに近い時は、『いつまでに返事が必要ですか?』とか『もっと詳しい資料をください』って、話が具体的になっていくことが多いの。リカルドさんも、これから観察してみて」

私は彼の肩をポンと叩いた。

——帰り道、私は駅のホームでスマホを眺めている。
画面を埋め尽くすメールの数々。先日訪問した企業さんからの返信をタップすると、(ありがとうございます)(ぜひ)(前向き)(検討)などのワードが並んでいる。

「さーて、これはどっちかしらね……」

リカルドさんの顔が浮かび、ふっと表情が緩んだ。もし“NO”だったとしても、それは担当者さんが私に恥をかかせないように選んでくれた、精一杯の言葉。だとしたら、もっと相手が“検討”したくなるような、新しいサービスや充実したプランを作るだけだ!

スマホをポケットにしまい、軽やかに電車に乗り込んだ。
曖昧な言葉に隠された、ほんの少しの優しさを拾い上げながら、私たちのサポートは明日も続いていく。

#暗黙の了解



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