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「赤くて8本足」といえば、カニ?!
 —いいえ、カニはハサミを含めて10本です
インドネシア人留学生エンリのニッポン見聞録Vol.48

生活関連

2025.11.19

私、伊能あやめは、日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。今回は、我が事業部にやってきたインドネシア人留学生による見聞録をお届けしたい。

インドネシア人留学生エンリのニッポン見聞録
「赤くて8本足」といえば、カニ?! —いいえ、カニはハサミを含めて10本です

エンリ ファウザン ハビビエさん と アプリリア ヌルマウリさん

 

〜前置き〜

弊社では、インドネシアの名門校であり最も歴史ある日本語教育機関でもある国立パジャジャラン大学日本語学科より、インターン生を受け入れることとなった。学生らは将来、日本での就職を希望している。一方で、企業が海外の優秀な大学生を新卒で採用するメリットは、将来有望なASEAN市場に精通した人材を早期に確保できる点にある。彼、彼女らは高い学習意欲と多言語対応力を持ち、日本文化への理解も深く、異文化環境にも柔軟に対応できるため、グローバル展開を目指す企業にとっては、コストパフォーマンスに優れた戦略的な人材となる。

また、弊社で新たに開発した外国人材採用プラットフォームMintoku messeでは、そうした優秀な新卒の外国人材を求人を出すだけで現地に出向かず採用できる。



Mintoku messeは、ベトナム・インドネシアを中心としたアジアのトップ大学と提携し、
企業と海外人材をつなぐ採用プラットフォームです。日本語力や専門性を備えた理系・文系の学生と、現地に行かずに出会える仕組みを構築。提携大学内での就職相談会やマッチングイベントをMintokuが代行し、企業は求人情報を提供するだけで優秀な人材の確保が可能です。さらに、採用後の住居手配や生活サポートも一貫して対応。
“採って終わり”ではなく、定着と活躍まで見据えたグローバル採用を実現します。



部署間を越え、既にSNSマーケティング部門にて即戦力として活躍中の2人。改めて、今日はエンリ ファウザン ハビビエさん(以下、エンリさん)の見聞録をお届けする。

「赤くて8本足」といえば、カニ?!

「アヤメさん、ちょっと聞いてもいいですか?」

昼下がりのオフィスで、書類整理に没頭していた私の後ろから、少し遠慮がちな声がした。インドネシアからインターン生として来日しているエンリさんだ。

「どうかした?」

顔を上げると、彼は何か困ったような、でもどこか期待に満ちた目をしていた。あの表情を見ると、たいてい文化の違いをテーマにした“おもしろ出来事コーナー”が始まるとみていい。

「えっと……日本人って、タコ、そんなに好きですか?」

「タコ?」

思わず聞き返す。エンリさんは真剣にうなずいた。

「はい。昨日の帰りにデパートに行ったら、タコの刺身がありました。居酒屋に行けばタコわさっていうのもありますね?あと、たこ焼き屋さんもある。こんなにタコ料理があるの、すごいです!」

なんだ、そんなことか、と心の中で笑ってしまったけれど、彼の真剣さに免じて付き合うことにした。

「日本では馴染みのある食材だね。お祭りなら断然たこ焼きだし、居酒屋ならタコの唐揚げ、家庭では酢の物とか?関西の方だと家庭にたこ焼き器がある家も多いよ」

「えっ!? 家にですか?」

椅子から落ちそうなくらい目を見開く。そこまで驚かれるとは思わず、私は笑いをこらえることに……。

「タコ、インドネシアでは食べないの?」

「食べません。というか……見たことない気がします。スーパーに売ってないし、お店で料理になることもないし……タコは食べるものじゃない、みたいな感覚があります」

「“赤くて8本足”と言われたら?」

「カニですか」

「いや、カニはハサミをあわせると10本足だからね」

「…そうですか。あ、タコってことですね!茹でたタコ…赤くなる。足は……そうか
Octopus…タコ…8ですね。うんうん」

なるほど。インドネシアは海に囲まれているのに、タコ文化があまりないという話は聞いたことがある。けれど、実際に現地の人の口から聞くと、その“当たり前”の違いが妙におもしろい。

「あ!居酒屋で食べたタコわさ、おいしかったです」

エンリさんが、ちょっと恥ずかしそうに笑った。彼はチャレンジ精神旺盛で、文化・習慣の違いがあろうとも何事にも果敢に挑戦するタイプなのだ。

「昨日、勇気を出してたこ焼きを食べてみました。すごく柔らかくて、中がとろとろで……なんだか不思議な食べ物でした。でもおいしかったです」

「よかったね。じゃあ次はタコのお刺身もチャレンジしてみたら?」

「……あやめさん、刺身は少しハードル高いです。焼きたいです、こんがり?」

「タコの刺身はたいてい軽く塩茹でしてあるわよ。生で食べられるのは、ミズダコだったかしら。スーパーとかにあるのは、あれはマダコね。ちゃんと火が通ってるから」

わかったようなわからないような、そんな顔で笑いながら首を振るエンリさん。タコわさがおいしかったんなら、大丈夫だって!と言いたくなる気持ちを抑えて微笑む私。

——そういえばいつの間にだか、日本語が随分とそれっぽくなっているような…?

毎度のおもしろ発見もさることながら、勉強熱心なエンリさんはいろいろな物事を吸収しているようだ。
なんだか、うれしい午後だった。

 

生食文化は尊い?

数日後。
仕事終わりにエンリさんがまた私のデスクにやってきた。

「アヤメさん、昨日はいつもと違うスーパーに行きました。いえ、デパートですね。駅から少し歩いたところのデパート!地下の食品コーナーです!」

「また新しい発見あった?」

「はい。タコだけじゃなくて……イカも生で食べますね? そしてウニも……貝も……日本の人は、海の生き物をぜんぶ食べますか?」

「食べられるものは、だいたい食べるかな(笑)」

「すごい文化です……!」

「え、今まで気づかなかったの?」

「いえ、わかっていました。居酒屋や寿司もありますから。でも、料理をしないのでそういうコーナーに行くことがなかったから。種類もいっぱい、形もいろいろ!見るだけでも楽しかったです。この前は、お店が閉まる前にちょっと見ただけだったから、昨日はお昼に行っていっぱい並んでいて……驚きがいっぱいです!!」

大げさではなく、心底興味深かったという表情だった。

「なるほどね。それは良い体験?発見?があってよかった。日本では海の生き物は家でも普通に食べるわね。魚だって捌いて食べるし、生鮮コーナーが充実しているお店なら、ウニとか貝類も置いてるものね。でも、インドネシアにもおいしい海のもの、いっぱいあるよね?日本と同じ、島国だし!」

「もちろんあります。でも日本みたいに“生で食べる”文化は少ないです。家族に話したら、母が心配しました。“生の魚なんてお腹こわすよ!”って」

たしかに、生食文化は海に面していて衛生管理ができる国でないと発展しないものかもしれない。生食文化、尊い…!

「大丈夫よ。日本は生食を安全に楽しめるように、すごく気を使ってるから。ルールも徹底されているしね」

「そうですね!私も日本に来て、管理のすごさは知っています。しっかりしてますね」

「なら、よかった。じゃあ今日の帰りに、たこ焼きでも食べに行く?」

「はい!うれしいです。行きましょう」

 

たこ焼き

そんなわけで、エンリさんと私は、たこ焼きを食べに繁華街に足を伸ばした。

「いい匂いがしますねー!」

注文を待つ間、店内に漂う香ばしいソースの匂いにエンリさんは目を輝かせ、鼻をくんくんさせている。久しぶりのたこ焼きに私もワクワクする。

「はい、お待ちどうさまー!先にソースね。この後、だしとポン酢と持ってくるから」

店員さんが元気よく届けてくれたたこ焼きは、鰹節が踊るスタンダードなたこ焼きだ。

「じゃあ、いただきます!」 「熱っ、!!!でも……おいしい!この前食べたのよりおいしい気がします」

「焼きたてっておいしいよねー!」

「この前は持って帰って家で食べたから、冷めていたので」

「あらら。そりゃ焼きたてがおいしいに決まってるじゃない!よかった、一緒に食べられて」

たこ焼きを頬張りながら、エンリさんはぽつりと言った。

「日本に来て、1番驚いたのは……やっぱり食べ物の違いかもしれません。でも1番うれしいのも食べ物ですね」

「どうして?」

「うーん。むずかしいですが、おいしいって幸せです。知らなかった味を知るたびに、“世界って広いなあ”って思いますし!」

「エンリさん、これからもっといろんな日本の味、教えてあげるね」

「はい、お願いします」

文化の違いに戸惑い、驚き、そして楽しむ。その一つひとつを共有できる時間が、私にはちょっと特別なものに思える。


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