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日本にはコピー屋さんがいません!
インドネシア人留学生エンリのニッポン見聞録Vol.41

生活関連

2025.09.17

私、伊能あやめは、日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。今回は、我が事業部にやってきたインドネシア人留学生による見聞録をお届けしたい。

インドネシア人留学生エンリのニッポン見聞録
日本にはコピー屋さんがいません!

エンリ ファウザン ハビビエさん と アプリリア ヌルマウリさん

 

〜前置き〜

弊社では、インドネシアの名門校であり最も歴史ある日本語教育機関でもある国立パジャジャラン大学日本語学科より、インターン生を受け入れることとなった。学生らは将来、日本での就職を希望している。一方で、企業が海外の優秀な大学生を新卒で採用するメリットは、将来有望なASEAN市場に精通した人材を早期に確保できる点にある。彼、彼女らは高い学習意欲と多言語対応力を持ち、日本文化への理解も深く、異文化環境にも柔軟に対応できるため、グローバル展開を目指す企業にとっては、コストパフォーマンスに優れた戦略的な人材となる。

また、弊社で新たに開発した外国人材採用プラットフォームMintoku messeでは、そうした優秀な新卒の外国人材を求人を出すだけで現地に出向かず採用できる。



Mintoku messeは、ベトナム・インドネシアを中心としたアジアのトップ大学と提携し、
企業と海外人材をつなぐ採用プラットフォームです。日本語力や専門性を備えた理系・文系の学生と、現地に行かずに出会える仕組みを構築。提携大学内での就職相談会やマッチングイベントをMintokuが代行し、企業は求人情報を提供するだけで優秀な人材の確保が可能です。さらに、採用後の住居手配や生活サポートも一貫して対応。
“採って終わり”ではなく、定着と活躍まで見据えたグローバル採用を実現します。



部署間を越え、既にSNSマーケティング部門にて即戦力として活躍中の2人。改めて、今日はエンリ ファウザン ハビビエさん(以下、エンリさん)の見聞録をお届けする。

 

日本にはコピー屋さんがいません!

「あやめさん。今、少しお時間いいでしょうか」

午後のオフィス。静かな空気のなか、エンリさんがクリアファイルを手に立っていた

「もちろん。どうしたの?」

「あやめさんに見せたくて、これ、コンビニでコピーしてきた資料なんですけど……失敗してしまいました」

エンリさんは照れたように笑いながら、クリアファイルの中身を見せた。同じ写真入りの資料が何枚も印刷されている。

「あらら。この前は『できるようになった!』って言ってたじゃない」

「はい、そうです……。操作は覚えてきたんですが。後ろに人が並んでいるから焦りました」

「おー!でも、それはあるあるだね。私も慣れないうちは何度か失敗した」

「本当ですか? あやめさんでも!?」

「もちろん。日本人だって、あのコピー機には手を焼くのよ」

「インドネシアでは、コピーは自分でやらないですから、特に苦手です」

「えっと…それはどういうこと?」

「街に“コピー屋さん”がたくさんあって、書類を渡すだけで、店員さんが全部やってくれます」

「へぇ、それは便利だね。日本はほとんどセルフだからな…」

「そうですか。私は最初すごく不思議でした。『どうして全部、自分でやらないといけないのか?』と思いました」

「…と、言うと?」

思わずエンリさんの話に引き込まれてしまう私。立っているエンリさんを隣の椅子に座ってもらい、後を促した。

ひとりでやること、誰かとやること

「最近になって気づきましたが、たぶん、インドネシアは人件費がまだ安いから、店員さんを多く雇えますね?だから、人がやってくれることが“当たり前”が多いです」

「なるほど、鋭い考察!確かに日本は人手不足だし、人件費も高いから、色々なことがセルフでできるようになっているわね」

「それだけじゃなくて…。人との関係がすごく近い気がします。困ったら誰かが自然に助ける空気があります」

エンリさんは言葉を選びながら、少し考え込むような表情になった。


「誰かに頼むことは普通ですね。悪いことじゃないでしょう?頼まれるとうれしいですから。だから、コピー屋でも、レジでも、カフェでも、“人がやってくれる”のが普通と思います」

「まあ、そうだね。でも、日本だって本当は人との関係を大事にする文化よ」

エンリさんが(もうちょっと教えて!)という表情でこちらを見つめている。

「たとえばね?ビジネスマナーで少し出てきたかもしれないんだけど、“人に気を遣う”とか“誰かに迷惑をかけないようにする”っていうのも、日本なりの“思いやり”なんだよね。だから『自分でやる』っていうのが『人の手を煩わせたくない』っていう気持ちもちょっと含んでるんじゃないかなって」

「それは、日本人らしいですね」

「ありがとう。それに、日本はすごく“効率”を大事にするのよ。たとえば、無人レジ、セルフコピー、オンライン予約とか人に聞かずともすぐにできるように、どんどん自動化されてる。もちろん、この件は効率化や人件費の問題が1番の要因と思うんだけど、どこかにちょっぴり『自分でやる』という“相手への気遣い”が含まれているような気がするのよね、私は」

「良いことですね。インドネシアでは、効率より“安心感”とか“会話の時間”を大事にするのかもしれないです」

私たちは静かに頷き合った。

「でも、最近は少しずつ日本のやり方にも慣れてきました。自分でやると、できたときにうれしいです!お店の人がやること、自分もできるのは、おもしろいですし」

「そうそう、それが“慣れ”ってやつだよね」

「だけど、もしコピーのとき、人が来なかったら……。本当は、もっとゆっくりやりたいです!」

「確かに!!それは私たち日本人も同じよ。“圧”かけられるからね(笑)“圧”はね…『早くしてもらえる?』っていう、人の気持ちのパワーのことかな」

「“圧”ですね。私の好きなアニメにそういうワードがあったかもしれないです。今度、使ってみます」

「それは“圧”をかけられる方なの?“圧”をかける方なの?かける方もかけられる方も嫌われるから辞めておきなよ」

「は…はい!」

思わず声を出して笑った。



どちらが正しいとか優れているとかいうことではなく、違いを語り合える関係は、互いを少しずつ豊かにする。これこそが人と人の本当のつながりを生み出していく、真の異文化交流(きっかけ)であろう。


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