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【完全ガイド】特定技能1号とは?2号との違い・取得要件を解説

人手不足対策として注目される特定技能制度。中でも「特定技能1号」は多くの分野で活用されていますが、「2号との違いは?」、「どうすれば取得できる?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、特定技能1号の基本情報、対象となる産業分野、そして特定技能2号との具体的な違いを徹底比較。資格取得の要件や方法、受け入れ企業が知っておくべき支援義務についても分かりやすく解説し、制度の正しい理解と活用をサポートします。

CONTENTS

「特定技能1号」とは?基本知識・概要

特定技能制度の概要と創設の背景

特定技能とは、2019年4月に創設された、日本の深刻な人手不足に対応するための在留資格です。即戦力となる一定の専門性・技能を持つ外国人材の受け入れを目的としています。

「特定技能1号」の位置づけ:特定産業分野での即戦力人材

特定技能には「1号」と「2号」の2つのレベルがあります。1号では、特定の産業分野において「相当程度の知識又は経験を要する技能」を持つ人材が、現場で即戦力として働くことが想定されています。

特定技能1号の対象となる産業分野一覧

現在、1号の対象となる産業分野は16分野あります(2025年7月時点)。

各分野の主な業務内容は以下の通りです。

  •   ● 介護・・入浴、食事、排泄介助などの身体介護と付随する支援業務(※訪問介護は除く)

  •   ● ビルクリーニング・・店舗や学校など建物内部の清掃業務(※ホテル勤務では付随業務としてベッドメイキングも従事可能)

  •   ● 工業製品製造業・・金属加工や電気電子機器組み立てなど、いわゆる製造業(※かつての素形材・産業機械製造・電気電子情報関連の3分野が統合し名称変更)

  •   ● 建設業・・土木・建築・ライフラインの3区分、大工や内装、左官業務など

  •   ● 造船・舶用工業・・船製造の各工程における業務

  •   ● 自動車整備・・自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備

  •   ● 航空・・航空機の誘導などを行う空港グランドハンドリングと航空機整備

  •   ● 宿泊・・ホテルや旅館でのフロント、企画広報、レストランサービスなど宿泊サービス業務全般(※ベッドメイキングをメイン業務にするのは不可)

  •   ● 農業・・園芸、野菜・果樹栽培などの耕種農業と養豚・養鶏・酪農の畜産農業

  •   ● 漁業・・漁業と養殖業

  •   ● 飲食料品製造業・・酒類を除く飲食料品の製造・加工・安全衛生業務

  •   ● 外食業・・飲食店での接客・調理・衛生管理業務など

  •   ● 自動車運送業・・トラック・バス・タクシーを運転し、旅客や貨物を運ぶ業務

  •   ● 鉄道・・軌道整備、電気設備整備、車両整備・製造、運輸係員業務

  •   ● 林業・・育林、素材生産、育苗業務

  •   ● 木材産業・・製材・合板製造の係る木材の加工業務

注記:対象分野は今後見直される可能性があるため、常に最新情報の確認を推奨します。

徹底比較:「特定技能1号」と「特定技能2号」の主な違い

特定技能1号と2号の相違点を理解することは、外国人労働者本人のみならず受け入れる企業にとっても非常に重要です。

主な違いは以下の通りです。

 

特定技能1号

特定技能2号

在留期間

通算5年

上限なし

技能レベル

相当程度の知識と経験

熟練した技能

日本語能力

基本的な日常会話や業務指示が理解できる(N4以上※試験あり)

試験なし

家族の帯同

不可

要件を満たせば可(配偶者と子のみ)

外国人支援

義務

不要

対象分野

16分野

11分野

永住権の取得

不可

可能性あり

それぞれ詳しく見ていきます。

違い①:在留期間の上限(1号は通算5年、2号は更新可)

1号の在留期間は1年・6カ月・4カ月とありいずれも更新は可能ですが、日本にいられる期間は通算で最長5年までです。一方、2号は更新回数に制限がなく、要件を満たせば実質的に無期限で日本に滞在することができます。

違い②:求められる技能レベル(1号:相当程度、2号:熟練)

1号は特定分野においてある程度の経験や知識が必要な業務をこなせるレベル、2号は同じ分野で長年の実務経験に裏打ちされた「熟練した技能」が必要です。1号2号ともに試験などで確認が行われます。

違い③:日本語能力の要件(1号:生活・業務に必要、2号:原則不要)

1号では日常生活や業務に必要な日本語能力が求められ、日本語能力試験(JLPT)や国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)での証明が必要です(介護分野は追加で介護日本語評価試験があります)。一方、2号では業務に必要な日本語能力はすでに備わっているものと考えられるため、基本的に日本語能力試験は課されません。

違い④:家族帯同の可否(1号:原則不可、2号:要件満たせば可)

原則、1号で家族を日本に呼び寄せて一緒に暮らすことはできませんが、2号であれば配偶者と子どもに限り、一定の要件を満たすことで帯同が可能になります。

違い⑤:受け入れ機関等による支援義務(1号:必須、2号:不要)

1号の受け入れ企業は当該外国人の生活面や仕事面、および社会面での支援計画の作成と実施が必須です。自社での支援が難しい企業は登録支援機関へ委託し支援を行うことが法律上義務付けられています。2号にはこのような支援義務はありません。

違い⑥:対象となる産業分野(1号:16分野、2号:11分野)

1号の対象となる産業分野は上記で説明した16分野です。そのうち「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野は2024年に追加された新しい分野のため、現在は1号のみ受け入れを行っている状況です。その他は「介護分野」を除いた11分野がすべて2号でも対象となっています。

違い⑦:永住権申請への影響(2号は要件満たしやすい可能性)

永住権取得には原則として10年以上の在留が必要ですが、通算5年が上限となる1号では要件を満たしません。一方、2号は更新回数の上限がなく長期滞在が可能なため、その他の要件を満たせば永住許可申請への道が開ける可能性があります。

特定技能1号の在留資格を取得するための要件・方法

特定技能1号資格を得るための2つのメインルートを解説します。

なお、どちらのルートも年齢が18歳以上で、健康状態に問題がないなど基本要件を満たしていることが前提になります。

【ルート1】技能評価試験・日本語試験に合格する

  •   ● 各分野で実施される技能評価試験の概要

技能評価試験は、働く分野で必要とされる技能レベルがあるかを測る試験です。各分野の所管省庁が試験内容や実施方法を規定しており、日本国内のみならず海外でも広く実施されています。

  •   ● 必要な日本語能力試験の種類とレベル(基礎テスト or N4以上+介護日本語評価試験(介護分野))

日本語能力試験は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) または 日本語能力試験(JLPT) のN4以上で合格になります。なお、介護分野のみこれらの試験に加え、「介護日本語評価試験」の合格も必要です。

【ルート2】技能実習2号から移行する

関連する分野の技能実習2号を「良好に修了」している場合は、移行ルートも活用できます。

  •   ● 技能実習2号を「良好に修了」する要件

実習期間(2年10ヶ月以上)を問題なく修了し、技能検定3級または相当の試験へ合格かつ実習態度などが良好であることが求められます。

  •   ● 移行可能な職種・分野の関連性

従事していた技能実習の職種・作業と、特定技能1号で働く分野・業務内容に関連性が必要です。

  •   ● 試験免除の範囲(技能・日本語試験は免除、※介護分野の介護日本語評価試験は要確認)

上記要件を満たせば、特定技能1号に必要な技能試験と日本語試験(JFT-Basic or N4)が免除されます。ただし、介護分野の「介護日本語評価試験」は免除対象外の可能性がありますので、必ず確認するよう留意してください。

(参考)特定技能2号の在留資格を取得するための要件

参考までに、特定技能2号の資格取得要件を補足します。

特定技能1号からのステップアップが基本

多くの場合、特定技能1号としての活動を終えた人が対象になります。

高度な技能を証明する試験に合格等が必要

2号では、対象分野ごとに設けられた熟練技能を測るための試験などに合格する必要があります。また、多くの場合は管理や指導の経験が求められますが、分野によっては実務経験などが考慮されるケースもあります。

特定技能1号の外国人材受け入れにおけるポイント

特定技能1号外国人の受け入れにあたり、留意すべきポイントを解説します。

受け入れ機関に義務付けられる支援内容(1号支援計画)

受け入れ機関は1号外国人に対する仕事・生活・社会における包括的な支援を行う法的義務があります。支援計画に盛り込むべき項目は、事前ガイダンス、送迎、住居支援、生活相談、日本語学習機会提供など合わせて10項目です。受け入れ期間は、支援計画の作成から提出、誠実な実行までを適切に行うことが求められます。

登録支援機関への支援委託も可能

自社内での支援体制構築が難しい場合は、国の登録を受けた「登録支援機関」に委託する選択肢も用意されています。ただし、登録支援機関に委託した場合であっても、最終的な支援責任は受け入れ企業にあることを忘れてはなりません。また、委託にかかる費用も考慮しておく必要があります。

特定技能1号終了後(5年後)のキャリアパスについて

在留期間満了(通算5年)後の基本的な選択肢は帰国です。例外的に、特定技能2号への移行や介護福祉士資格取得による在留資格「介護」への移行による継続滞在の可能性はありますが、ほとんどは母国へ帰ることになります。帰国後のキャリア支援も視野に入れることは、受け入れ企業としての責務と言えるでしょう。

まとめ:「特定技能1号」を正しく理解し、活用するために

特定技能1号は、人手不足が深刻な日本の産業分野において即戦力確保に貢献する重要な制度です。期間・スキル・支援義務・家族帯同など2号との違いを正確に理解するとともに、試験と移行の2つの資格取得ルートについても確認をしておきましょう。また、受け入れ企業には外国人に対する適切な支援体制が欠かせません。ルールを遵守した上での制度活用が、企業・外国人双方のメリットにつながります。

 

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