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ミャンマー人へのタブー7選|離職を防ぐ接し方と環境づくり

日本国内で働くミャンマー人が増加する中、文化や習慣の違いによるトラブルや、理由の分からない早期離職に悩む企業は少なくありません。ミャンマー人は勤勉で従順な国民性を持つ一方で、信仰心の厚い仏教徒として、日本人とは異なる価値観や感性を持っています。

本記事では、ミャンマー人を雇用するうえで避けるべき「身体的・宗教的なタブー」と「職場でのコミュニケーション上のタブー」を挙げ、定着率を高めるための接し方や職場づくりのポイントを解説します。

CONTENTS

1.なぜタブーの理解が必要なのか?文化の違いによる離職リスク

ミャンマー人を雇用するうえで、文化的タブーの理解は「気をつければよいマナー」ではありません。それは、突発的な無断欠勤や早期離職を防ぐための経営リスク管理そのものです。日本の職場では、「良かれと思ってやった指導」や「距離を縮めるための行動」が、相手にとっては強い精神的ストレスとなり、何の前触れもなく離職につながるケースが少なくありません。特にミャンマー人は、不満や違和感をその場で言葉にする文化がなく、限界まで我慢してから突然姿を消すという行動を取ることがあります。
ここでは、日本企業が最低限押さえておくべきミャンマー人の国民性、宗教観、現場で起こりやすい離職リスクについて、実務視点で解説します。

1.1 企業が押さえておきたいミャンマー人の国民性

ミャンマー人は一般的に、温厚で争いを好まない性格といわれています。上司や年長者に対して反論することは少なく、たとえ不満があっても、面と向かって主張せず、黙って我慢する傾向があります。この「我慢強さ」は一見すると長所ですが、理解されないストレスや文化的に許容できない扱いが積み重なると、ある日突然限界を迎えるという形で表面化します。また、ミャンマー人の価値観の根底には、仏教(上座部仏教)への深い信仰があります。「現世での行いが来世に影響する」という輪廻転生の考え方が強く、正しい行い、徳を積むことを非常に重視します。さらに、家族中心主義も大きな特徴です。日本的な「会社への忠誠心」よりも、両親、、兄弟姉妹、家族の事情を優先する価値観があり、家族に関わる問題が起きた場合、仕事よりも家族を選ぶ判断をすることは珍しくありません。

こうした特性は、日本の「空気を読む」「察する」文化とは大きく異なり、認識のズレが離職リスクを生む要因になります。

関連記事:
ミャンマー人の特徴とは?性格や国民性、働き方を徹底解説

1.2 定着率に直結する「上座部仏教」への深い信仰心

ミャンマーでは、国民の約90%が上座部仏教(テーラワーダ仏教)を信仰しています。これは単なる宗教ではなく、生活そのものを律する規範として存在しています。

上座部仏教では、

  •   ● 徳を積むこと
  •   ● 規律を守ること
  •   ● 他者を傷つけないこと

が非常に重要視されます。そのため、寄付や親切な行為には積極的ですが、倫理的に「間違っている」と感じた行為には強い拒否感を示します。職場においても、上司の命令、業務効率よりも、宗教的・倫理的に正しいかどうかが判断基準になる場面があります。企業側がこの価値観を理解していないと、「なぜ言うことを聞かないのか」「なぜ突然来なくなったのか」という事態に直面することになります。

1.3 無知が招くトラブル:現場で起こりうる離職リスクの具体例

ケース① 頭を撫でたことで信頼を失う

親しみを示すつもりで、頭をポンと叩く、肩を組むといった行為をした結果、本人は「好意」ではなく強い違和感や不快感を覚えます。しかし、それを言葉に出すことはせず、上司への信頼を失い、数日後に無断欠勤という形で表面化するケースがあります。

ケース② 人前での叱責が即退職につながる

大勢の前でミスを指摘されることは、ミャンマー人にとって強烈な恥と屈辱です。反省する前に「この職場に居場所がない」と感じ、その日のうちに退職を申し出る例も珍しくありません。

ケース③ 寮環境が原因で帰国を希望

寮のベッドの向きが、宗教的に避けたい方角(北や西)に固定されていることで、「安心して眠れない」という不安を抱き続け、体調不良や精神的な落ち込みにつながるケースもあります。このような不安が蓄積し、最終的に帰国を希望する事態になることもあります。

2.宗教的価値観にもとづく身体のタブー3選

ミャンマー人にとって、身体の部位には「聖」と「不浄」という明確な区別があります。この区分を無視した接触は、セクハラ以上に「人間性を否定された」と受け取られる可能性があります。以下の3点は、理由を問わず必ず避けるべき行為です。

2.1 頭部への接触禁止:頭は神聖な場所

頭部は、精霊や神が宿る最も神聖な部位とされています。他人が触れること自体、侮辱にあたります。

  •   ● 頭を撫でる
  •   ● 軽く叩く
  •   ● 髪についたゴミを取る
    といった行為もNGです。子どもであっても頭を撫でることは避けるべきで、褒める際は言葉や拍手で表現する必要があります。

2.2 足の裏を向ける行為:人や仏壇への侮辱

足の裏は、身体の中で最も不浄な部位とされています。他人に足の裏を向けることは、非常に失礼な行為です。あぐらをかく、足を組む際には、足の裏が上司や年長者、仏壇の方向を向かないよう、注意が必要です。また、足で物を動かす・指し示す行為は、人間性を疑われるほど下品な行為とみなされます。

2.3 女性への接触と距離感:握手も避けるべき理由

仏教の戒律や伝統的な貞操観念により、異性間の身体接触は厳しく制限されています。業務上やむを得ない場合を除き、握手、肩に手を置くといった行為は控えるのが無難です。また、物理的な距離が近すぎると不快感を与えるため、日本人同士よりも広めのパーソナルスペースを意識することが重要です。

3.職場のコミュニケーションで信頼を損なうタブー4選

ミャンマー人を雇用する企業が増える一方で、「特にトラブルはなかったはずなのに、突然来なくなった」「注意した翌日に退職を申し出られた」といった声も多く聞かれます。その原因の多くは、日々の何気ないコミュニケーションに潜む文化的タブーです。特に「指導の仕方」や「食事・休憩の場面」では、日本的な感覚をそのまま当てはめることで、本人の尊厳や信仰を深く傷つけてしまう可能性があります。以下では、悪気がなくても信頼関係を一瞬で壊してしまう4つのタブーと、その背景を詳しく解説します。

3.1 人前での叱責:「面子(メンツ)」を潰す指導は逆効果

ミャンマー人は、日本人以上に「面子(メンツ)」を重んじる文化を持っています。人前で叱責されることは、単なる注意ではなく、「社会的に否定された」「存在を否定された」と感じるほどの強烈な屈辱です。他の従業員がいる前でミスを指摘すると、改善意欲が高まるまたは反省して行動が変わるどころか、「恥をかかされた」「この職場に居場所がない」という感情だけが残ります。さらに、感情的に怒鳴る行為は、仏教的価値観において「徳が低い」「未熟な人間」と評価されやすく、リーダーとしての求心力を失う原因になります。

ミャンマー人を指導する際は、

  •   ● 必ず1対1で
  •   ● 落ち着いた口調で
  •   ● 改善点と期待をセットで伝える

ことが、信頼を保つための最低条件です。

3.2 感情的な大声での指示:穏やかさを好む文化とのズレ

ミャンマーの文化では、穏やかさ・静けさ・感情を抑えることが美徳とされています。そのため、日本の現場でよく見られる

  •   ● 大声での指示
  •   ● 威圧的な口調
  •   ● 強い口調での叱責

は、「指導」ではなく恐怖や敵意として受け取られます。たとえ内容が正しくても、「怒鳴られた」という体験そのものがトラウマとなり、上司=怖い存在=避けるべき存在という認識に変わってしまいます。現場が騒がしい場合でも、

  •   ● 近くまで歩み寄る
  •   ● 声量は抑え、諭すように話す

これだけで、指示の伝達精度と信頼度は大きく変わります。

3.3 食事・アルコールの強要:宗教と意思を尊重しない危険性

ミャンマー人の多くは仏教徒であり、

  •   ● 特定の肉を食べない
  •   ● 断食期間を守る
  •   ● そもそも飲酒をしない

といった宗教的・個人的な制約を持っています。しかし日本の職場では、「せっかく用意したから」「付き合いも仕事のうち」という感覚で、食事やお酒を勧めてしまうケースがあります。特に、お酒を飲めない人、飲酒をしない女性に対して無理に勧める行為は、強い嫌悪感と不信感につながります。会社の飲み会は

  •   ● 参加自由
  •   ● ソフトドリンクの用意
  •   ● 食事制限の事前確認

を徹底し、「断っても問題ない空気」を作ることが重要です。

3.4 左手の使用:物の受け渡しで信頼を失う理由

ミャンマーはインド文化の影響も受けており、左手は「不浄の手(トイレで使用する手)」
という認識が根強く残っています。そのため、

  •   ● 食事
  •   ● 握手
  •   ● 物の受け渡し

を左手だけで行うことは、相手を軽んじている行為と受け取られかねません。特に、

  •   ● 給与明細
  •   ● 契約書
  •   ● 重要書類

を左手片手で渡す行為は、無意識でも強い不快感を与えます。基本は

  •   ● 右手で渡す
  •   ● もしくは両手で丁寧に渡す

これだけで、相手への敬意を明確に示すことができます。

4.タブーを犯してしまった場合の対応方法

文化が異なる以上、タブーを完全に避けることは不可能です。重要なのは「ミスをしないこと」ではなく、その後の対応です。適切なリカバリーができれば、「この会社は文化を理解しようとしてくれている」という信頼に転換することも可能です。

4.1 言い訳をせずに即座に謝罪する

タブーを犯したと気づいた時点で、即座に謝罪することが最優先です。「日本では普通」「悪気はなかった」といった言い訳は、相手の文化や感情を否定する行為になります。「知らなかったとはいえ、不快な思いをさせて本当に申し訳ない」と、相手の感情に寄り添った謝罪を行いましょう。

4.2 関係修復のための対話のポイント

謝罪後は「なぜそれがタブーなのか、教えてもらえますか」と、学ぶ姿勢を見せることが有効です。「あなたの国の文化を知りたい」という態度は、相手の自尊心を満たし、心を開くきっかけになります。日本側の事情(安全・品質管理など)がある場合も、一方的に押し付けるのではなく代替案を一緒に考えるというプロセスを踏むことで、納得感が生まれます。

4.3 再発防止策:組織全体での仕組み化

一部の社員だけが配慮しても、他の社員が同じタブーを犯せば、組織全体への信頼は一瞬で崩れます。

  •   ● やってはいけない行動のリスト化
  •   ● イラスト付きの簡易マニュアル
  •   ● 受け入れ時の文化研修

など、誰が見ても分かる形でのルール化が不可欠です。ミャンマー人受け入れマニュアルを整備し、日本人社員向けの異文化理解研修を行うことで、離職リスクは大幅に下げることができます。

5. 離職を防ぐミャンマー人材への接し方

ミャンマー人は、一般的に勤勉で従順、指示をよく守る国民性を持っています。一方で、人前で恥をかくことを極端に嫌う繊細さと、静かだが確固とした高いプライドを併せ持っています。そのため、日本でありがちな「厳しく叱って一人前に育てる」「仕事なのだから我慢させる」といった指導法は、ミャンマー人にとっては教育ではなく攻撃として映りかねません。
一度「尊厳を傷つけられた」と感じると、表立って反発することはなくても、心のシャッターを閉ざし、突然の無断欠勤や退職(失踪)という形で関係が終わるケースも少なくありません。早期離職を防ぐためには、

  •   ● 自尊心を傷つけない
  •   ● 心理的安全性を確保する
  •   ● 安心して相談できる関係性を築く

ことを前提としたマネジメントが不可欠です。

5.1 叱る時は「個室」で「諭す」ように指導する

ミャンマー人材を指導する際の鉄則は、「人前で叱らない」ことです。業務上のミスがあった場合は、

  •   ● 必ず別室に呼ぶ
  •   ● 1対1の環境を作る

ことが最低条件になります。その際、いきなり問題点を指摘するのではなく、

「あなたに期待している」
「できる人だと思っているからこそ伝えたい」

といった肯定的なメッセージから入ることが重要です。
そのうえで、

  •   ● どこが問題だったのか
  •   ● どうすれば改善できるのか

を具体的に、感情を交えず説明します。最後に「ここまでで分からない点はある?」と優しく確認することで、理解不足による再ミスも防げます。このプロセスを踏むことで、「怒られた」ではなく「期待されている」「大切にされている」という認識に変わり、行動改善につながりやすくなります。

5.2 「アーナーデー(遠慮)」と勤勉さを考慮した業務アサイン

ミャンマー人の国民性を理解するうえで欠かせないのが、「アーナーデー」と呼ばれる価値観です。これは、

  •   ● 相手に迷惑をかけたくない
  •   ● 上司の期待を裏切りたくない

という思いから、本音では無理でも「大丈夫です」と答えてしまう傾向を指します。
たとえば、

  •   ● 体調が悪い
  •   ● 業務量が限界
  •   ● 理解できていない

状況でも、「できません」とは言わず、限界まで我慢します。その結果、ある日突然、相談もなく姿を消してしまうという最悪の形で表面化することがあります。これを防ぐためには、

  •   ● 本人の「できます」という言葉を鵜呑みにしない
  •   ● 客観的に業務量・残業時間を管理する
  •   ● 表情や体調の変化に気を配る

といった能動的なマネジメントが不可欠です。「困っていたら必ず相談してね」だけでなく、「最近忙しそうだけど、本当に大丈夫?」とこちらから声をかける姿勢が、離職防止に直結します。

6. ミャンマー人材が安心して長く働ける職場づくりのポイント

日本で働くミャンマー人にとって、職場は単なる仕事の場ではありません。住居・人間関係・精神的な拠り所を含めた生活の中心です。そのため、給与が高くても、仕事内容に不満がなくても、宗教的・文化的なストレスが積み重なると、離職という選択に至ります。ここでは、受け入れ企業が特に注意すべき環境面のポイントを解説します。

6.1 寮・社宅選びで配慮すべき「洗濯物」の干し場所

ミャンマー人男性には、「ポン(Hpon)」と呼ばれる、生まれながらに備わった神聖な徳・運気があると信じられています。このポンは非常に繊細なものとされ、女性の下半身に身につける衣類(下着やロンジー)の下を男性が通ると、徳が失われると考えられています。そのため、

  •   ● 男女共用の寮
  •   ● 共用の物干し場

において、男性の動線の頭上に女性の洗濯物が干されていると、強い精神的ストレスを感じる人もいます。対策としては、

  •   ● 男女で物干し場を分ける
  •   ● 目隠しを設置する
  •   ● 室内干しスペースを確保する

などの工夫が必要です。軽視すると、入居拒否や集団トラブルに発展する恐れもあります。

6.2 宗教行事での休暇配慮と仏壇の設置

ミャンマーの仏教徒は、業務中に礼拝を行うことはほとんどありませんが、

  •   ● 4月の水祭り(ティンジャン)
  •   ● 10月のダディンジュ(火祭り)
  •   ● 満月の日

といった宗教行事・祝日を非常に大切にしています。これらに合わせて、有給休暇を取得しやすくする、シフト調整に柔軟に対応するといったことは、給与アップ以上に評価される配慮になる場合もあります。また、寮や休憩室の高い位置に、小さな仏像、家族や僧侶の写真を置くことを許可・推奨すると、精神的な安定につながります(仏教では床に近い場所は不浄とされるため、高さが重要です)。

6.3 家族を大切にする価値観を尊重した福利厚生

ミャンマー人が日本で働く最大の動機は、「母国の家族を支えること」です。そのため、

  •   ● 海外送金のサポート
  •   ● 手数料の安い送金サービスの紹介
  •   ● 会社による送金代行

は、実質的な手取りアップと同等の価値を持ちます。また、家族の病気、慶弔時の帰国に対して、柔軟に休暇を認めることで、会社への感謝とロイヤリティは大きく高まります。さらに、Wi-Fi環境の整備、休憩時間に家族とテレビ電話ができる環境を用意することは、孤独感の軽減と精神的安定に大きく寄与します。

7. まとめ:相互理解を深め、ミャンマー人材と長く働くために

ミャンマー人材と良好な関係を築き、長く活躍してもらうための最大の鍵は、上座部仏教にもとづく「人間の尊厳」と「穏やかさ」を深く理解することにあります。頭や足に関する身体的タブーを守ること、人前で叱責せず「個室で諭す」指導を徹底することは、彼らが安心して働くための最低限の前提条件です。一方で、文化や価値観の違いはマニュアルだけでは完全にカバーできません。現場での微妙な言い回し、表情の変化、突発的な人間関係のトラブルなどに、日本人担当者が一人で向き合い続けると、精神的・業務的な負担が大きくなってしまうのも事実です。

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