ミャンマー人の平均年収や日本での給与設定の目安、労働環境を解説
2025.11.17
ミャンマー人の採用を検討する際に「現地の給与水準はどれくらいか」「日本での給与設定の相場はどの程度か」といった疑問を抱く方は多いでしょう。
本記事では、ミャンマーの平均年収や最低賃金、労働環境に加え、採用を成功に導くマネジメント戦略を分かりやすく解説します。ミャンマー人への理解を深め、採用活動に役立ててください。
CONTENTS
- 1. ミャンマーの平均年収と最低賃金
- 2. 日本で働くミャンマー人材の動向と賃金設定
- 3. 日本とミャンマーの労働環境
- 4. ミャンマー人材の定着率を高めるマネジメント
- 5. ミャンマーの経済・政治情勢が賃金に与える影響
- 6. まとめ:採用を成功に導くポイント
1. ミャンマーの平均年収と最低賃金
ミャンマーの賃金事情を理解することは、日本で働きたいミャンマー人の動機を把握するうえで不可欠です。正確な統計収集は政治・経済情勢の影響で難しいですが、一般的な収入水準や地域差を理解することは、日本企業が採用やマネジメントを行う際に非常に有益です。
1-1. 平均月収・年収
ミャンマーの平均月収は200〜300ドルで、2024年の平均年収は約3,108ドルです。ミャンマーの通貨チャットに換算すると月額約370,000〜550,000チャット程度となり、2024年レート換算で日本円にすると11,000〜16,500円です。日本の平均年収460万円と比較すると約10分の1で、生活水準や購買力に大きな差があります。この差は、日本での高収入や安定した雇用を求めるミャンマー人の就労動機の一つになっています。参考:令和5年分 民間給与実態統計調査|国税庁
1-2. 最低賃金
ミャンマー政府が定める最低賃金は2024年8月に改定され、日額6,800チャットとなりました。改定率は17.2%増で、過去1年ぶりの実質的な引き上げです。しかし、最低賃金自体が日本の水準と比較すると非常に低く、労働者にとって生活費や教育費、医療費を賄うには十分とは言えません。この低賃金の環境が、日本での就労希望の背景の一つとなっています。参考:最低賃金を約1年ぶりに実質的に引き上げ|JETRO
1-3. 地域別の賃金格差
UNDP(国連開発計画)の報告によると、ミャンマー国内の地域格差は経済危機を悪化させる要因となっています。経済の中心地であるヤンゴンやマンダレーと、紛争やインフラ未整備の地域であるカヤー州、チン州、サガイン州では、賃金や所得水準に大きな偏りがあります。都市部では比較的高い賃金が見込めますが、地方や紛争地域では生活水準が低く、安定した雇用の確保が難しい現状です。こうした地域格差も、日本での就労を希望する要因となっています。参考:ミャンマーの貧困と家計経済:消えゆく中流階級|UNDP(国連開発計画)
1-4. 初任給の目安
新卒の初任給は月額20〜25万チャット程度で、給与水準50万チャットに到達するには数年かかります。国内での収入増加が緩やかであるため、より高収入を求めて日本や他国での就労を希望する人が多いのが現状です。また、技能実習制度や特定技能制度の対象となる若年層が多く、日本での安定収入は生活向上や家族への仕送りの手段として魅力的です。参考:技能実習生の輩出大国となるポテンシャル秘めるミャンマー|JETRO
1-5. 給与水準の高い職業
情報技術、リース、管理職、テクノロジー関連職は他業種に比べ給与水準が高く、一般労働者の約2倍となる傾向があります。特に都市部での専門職は給与が高く、経験やスキルがあれば海外での就労も選択肢として現実的です。一方、農業やサービス業、工場労働では給与水準が低く、収入向上の機会が限られています。参考:ミャンマーの職位の給与|paylab

2. 日本で働くミャンマー人材の動向と賃金設定
近年、日本での外国人材受け入れの需要が増加しており、特にミャンマー人労働者が急増しています。日本企業がミャンマー人材を採用する際には、適正な賃金設定が求められます。
2-1. 日本国内のミャンマー人労働者数
令和6年末現在、在留ミャンマー人は前年と比較して大幅に増加しています。特に技能実習生や特定技能人材としての受け入れが進み、ベトナム、中国、ネパール、インドネシアに次ぐ増加数です。この増加傾向は、ミャンマー国内の低賃金や雇用不安定、海外就労への高い関心が背景にあります。参考:令和6年末現在における在留外国人数について|ISA
2-2. 日本企業における賃金設定
「同一労働同一賃金」の原則により、日本で働くミャンマー人材の賃金は日本人と同職種同等以上が求められます。労働基準法第3条(均等待遇)や特定技能運用要領に明記されており、正確な賃金設定はトラブル防止と労働者の定着に直結します。また、日本の最低賃金や各種手当を考慮した給与設計が必要です。

3. 日本とミャンマーの労働環境
3-1. 週平均労働時間の違い
日本の法定労働時間は週40時間であるのに対し、ミャンマーでは工場法に基づき週44時間以内が基本です。週あたり4時間の差は、労働者の体力負担や生活リズムに影響を与えます。日本の労働環境は効率的で規律正しい一方、休日制度や労働管理の面でミャンマー人にとっては学ぶべき点も多くあります。
参考:労働時間・休日|厚生労働省
ミャンマーの労働法|法務省
3-2. 有給休暇の付与日数
ミャンマーでは年間10日の有給休暇に加え、6日間の臨時休暇や医療休暇があります。一方、日本では最大20日の有給休暇が付与され、総日数で比較すると日本の方が多く、休暇取得制度は充実しています。この差は、労働者の生活満足度や定着率にも影響します。
参考:ミャンマーの労働法|法務省
労働時間・休日|厚生労働省
3-3. 外国人労働者の在留資格
ミャンマー国民が海外で働く場合、現地の外国人雇用規制に従う必要があります。日本ではビザと在留資格が滞在・活動の許可に不可欠で、特定技能や技能実習など資格に応じた活動範囲が定められています。制度の理解は、日本での就労環境整備や雇用管理に必須です。詳細は外国人の在留資格とは?種類一覧・ビザとの違い・就労可否を解説をご確認ください。

4. ミャンマー人材の定着率を高めるマネジメント
4-1. 国民性・文化の理解
ミャンマー人の約87.9%は上座部仏教徒であり、目上を敬い、家族を重視する文化があります。職場でのフィードバックは1対1で行い、感情的な指摘を避け、具体的な数値に基づいた改善点のみに焦点を当てると効果的です。自己主張が控えめな傾向があるため、面談時間の確保も重要です。
4-2. 仕送りを目的とした動機付け
ミャンマー人は家族への仕送り意欲が高く、経済的目標が大きな動機になります。給与や昇進目標を明確に設定し、目標達成をサポートする仕組みを整えることで、定着率向上に繋がります。参考:ミャンマーの大学生・就職意識アンケート調査|JETRO
また、詳細はミャンマー人の特徴とは?性格や国民性、働き方を徹底解説をご確認ください。
4-3. 日本語上達の速さを活かす
ミャンマー語と日本語はSOV型文法が類似しており、日本語習得が速い傾向にあります。JLPTのミャンマー応募者は10万人を超え、日本での就労に強い関心を示しています。言語能力を活かした業務配属や教育体制の整備は、定着率向上に貢献します。参考:日本語能力試験応募者が10万人超え、日本での就労に高い関心|JETRO
また、詳細は日本語能力試験(JLPT)N1・N2とは?レベル別の難易度を解説をご確認ください。

5. ミャンマーの経済・政治情勢が賃金に与える影響
5-1. 軍事政権化による経済影響
ミャンマーでは地震や紛争、電力不足、為替制限などに加えインフレが影響し、国内経済は不安定です。チャットの対円・対ドル為替レートも変動が大きく、仕送りの価値が日々変化するため、日本での安定収入は非常に魅力的です。
5-2. 賃金上昇率と日本の採用への影響
最低賃金の改定率がインフレに追いつかず、実質賃金は低下傾向です。国内経済の不安定さが「日本での高収入・安定志向」を加速させ、日本企業にとって優秀なミャンマー人材を採用するチャンスとなります。国内での低賃金状況を理解することは、採用戦略において非常に重要です。

6. まとめ:採用を成功に導くポイント
ミャンマーの平均年収や最低賃金は、日本での就労動機と直結しています。また、勤勉性や日本語習得の速さを最大限に生かすためには、文化背景を理解したマネジメント戦略が不可欠です。外国人採用に特化した専門家への相談は、採用後の離職リスクを減らし、成功率向上に直結します。ぜひ、海外人材タイムスまで、お問い合わせください!
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