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【技人国ビザ】技術・人文知識・国際業務の職種一覧と取得条件を解説

専門知識を持つ外国人を採用する際、最もよく利用される在留資格が「技術・人文知識・国際業務」、通称「ぎじんこくビザ」です。しかし、「うちの会社のこの職種は対象になる?」「学歴と業務の関連性って、どこまで必要なの?」「申請で失敗しないためのポイントは?」といった疑問を持つ採用担当者の方は少なくありません。

本記事では、技人国ビザで認められる具体的な職種一覧から、審査で最も重要視される5つの取得条件、申請の流れ、そしてよくある不許可事例まで、採用担当者が知るべき全てを網羅的に解説します。

CONTENTS

1.在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国)」で可能な仕事について

「技術・人文知識・国際業務(通称:技人国)」は、いわゆる「就労ビザ」の代表的な在留資格の一つです。この資格は、大きく3つのカテゴリーに分かれており、それぞれ異なる専門性を持つ仕事が認められています。

1.1 「技術」に該当する職種

「技術」は理学や工学など理系分野の専門知識を活かした仕事を指します。具体的には、IT関連や設計開発などの技術的な業務が含まれます。

職種例:

  •   ● ITエンジニア(プログラマー、システムエンジニア、インフラエンジニア)

  •   ● 機械・電気電子系の設計開発技術者

  •   ● 建築・土木の設計者、CADオペレーター

  •   ● データサイエンティスト、AIエンジニア

1.2 「人文知識」に該当する職種

「人文知識」は法律学、経済学、社会学などの文系分野の専門知識を必要とする業務です。企画や営業、経理といったビジネスの多様な分野で活躍します。

職種例:

  •   ● 総合職(企画、マーケティング、人事、総務、経理)

  •   ● 海外営業、貿易事務

  •   ● 経営コンサルタント

1.3 「国際業務」に該当する職種

「国際業務」は、外国の文化に根ざした感受性や語学力を活かす仕事です。外国人ならではの能力を求められる職種が多く、翻訳や通訳、語学講師などが該当します。

職種例:

  •   ● 翻訳、通訳

  •   ● 語学教師

  •   ● 海外向けの広報、PR

  •   ● デザイナー(服飾、グラフィックなど)

2. 技人国ビザ取得の最重要ポイント【5つの審査基準】

技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザの許可は、以下の5つのポイントを総合的に審査して判断されます。これらを満たしているか事前にしっかり確認することが、申請成功のカギです。

2.1 ① 学歴・職歴と職務内容の「関連性」

最も重要な審査項目です。大学や専門学校での専攻内容や、これまでの実務経験が、就職先で従事する業務内容と密接に関連している必要があります。

  •   ● 大学卒業の場合:関連性の判断は比較的柔軟です。

  •   ● 専門学校卒業の場合:専門課程の内容と業務内容がより厳密に一致していることが求められます。

  •   ● 学歴がない場合:

    •    ○ 「技術・人文知識」分野では10年以上の実務経験

    •    ○ 「国際業務」分野では3年以上の実務経験で関連性を証明する必要があります。

2.2 ② 安定した収入の見込み(日本人と同等以上の報酬)

就労ビザの法律では、同じ業務に従事する日本人と同等以上の給与が支払われることが定められています。外国人であることを理由に低い給与設定をすると、許可が下りにくくなります。

2.3 ③ 会社の事業の安定性・継続性

申請者本人だけでなく、雇用企業の経営状態も厳しくチェックされます。決算書などの資料で事業の安定性や継続性が証明でき、外国人を長期にわたり雇用できる体力があることが必要です。新設法人や赤字決算の場合は、詳細な事業計画書を提出し将来性を説明しなければなりません。

2.4 ④ 申請者本人の素行の良さ

申請者は日本の法律を守り、健全な生活を送っていることが求められます。過去の犯罪歴の有無はもちろん、留学生の場合はアルバイトの上限(週28時間)を超えていないかも厳しく審査されます。

2.5 ⑤ 業務内容の専門性(単純労働は不可)

技人国ビザは専門知識を活かすことが条件です。そのため、工場ライン作業や店舗での接客・レジ打ち、ホテルのベッドメイキングなどの単純労働は認められません。もし新入社員研修で一時的に現場作業を行う場合も、その必要性や期間を合理的に説明できることが大切です。

3. 技人国ビザの申請から取得までの流れ

技人国ビザの申請手続きは、外国人が「海外にいるか」「日本にいるか」によって異なります。以下のように大きく2つのパターンがあります。

3.1 海外から呼び寄せる場合(在留資格認定証明書交付申請)

Step1: 企業が日本の出入国在留管理庁(入管)に「在留資格認定証明書」の交付を申請します。


Step2: 証明書が交付されたら、企業が本人へ郵送します。


Step3: 本人は証明書を持って現地の日本大使館・領事館でビザ(査証)申請を行います。


Step4: ビザが発給され、来日・就労開始となります。

3.2 国内の留学生などを採用する場合(在留資格変更許可申請)

Step1: 企業と本人が雇用契約を結びます。

Step2: 本人が現在の在留資格(例:「留学」)から「技術・人文知識・国際業務」への「在留資格変更許可申請」を入管に行います。

 Step3: 許可が下り、新しい在留カードを受け取ったら就労開始となります。

3.3 必要書類と審査期間の目安

必要書類例:

  •   ● 申請書

  •   ● 写真

  •   ● 学歴・職歴の証明書(卒業証明書など)

  •   ● 雇用契約書

  •   ● 会社の登記事項証明書や決算報告書など(企業規模やカテゴリーにより異なる)

審査期間は通常1〜3ヶ月程度。ただし申請内容や時期により更に時間がかかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールが重要です。

4. 採用担当者が知るべき注意点と不許可事例

技人国ビザでの採用後も、在留資格のルール遵守が必須です。特に採用担当者が注意すべきポイントと、よくある不許可事例とその対策を解説します。

4.1 業務内容の変更(異動・昇進)

社内異動や昇進で、申請時と大きく異なる業務(特に専門性が低い業務)に従事すると、次回の在留期間更新が不許可になるリスクがあります。業務内容の変更は慎重に扱う必要があります。

4.2 副業・アルバイトのルール

技人国ビザ保持者が副業やアルバイトをする場合、原則として「資格外活動許可」が必要です。許可を得た場合でも、その活動は専門的業務の範囲内に限られることが多いため、活動内容に注意が必要です。

4.3 よくある不許可事例とその対策

  •   ● 事例①: 専攻と業務の関連性が不明確(例:文学部卒でSE職)
    → 対策: 履修科目と業務内容の関連性を具体的に説明する理由書を添付する。

  •   ● 事例②: 報酬が日本人より低い
    → 対策: 給与規定を整備し、日本人と同等以上の報酬であることを明確にする。

  •   ● 事例③: 留学生時代のオーバーワークが発覚
    → 対策: 採用選考段階でアルバイト状況を正直に申告してもらう。

5. 在留期間の更新と永住権へのステップ

在留期間

技人国ビザの在留期間は、基本的に「5年、3年、1年、3ヶ月」のいずれかで設定されます。初回は1年の許可が下りることが多く、勤務実績や企業の安定性に応じて、更新の際に3年、5年とより長い期間が認められていきます。

更新の上限

在留期間の更新に回数の制限はありません。条件を満たしていれば、何度でも更新可能です。

永住権

永住許可申請の一般的な条件の一つに、原則として日本に10年以上在留し、そのうち5年以上は就労ビザ(技人国ビザなど)で滞在していることが挙げられます。技人国ビザは、将来的に永住権取得を目指す外国人にとって一般的なキャリアパスの一つとなっています。

6. まとめ

技人国ビザは、専門的な知識や技能を持つ外国人材を日本で採用するための代表的な在留資格です。許可を得るためには、「学歴・職歴と業務の関連性」や「企業の安定性」、「適正な報酬」などの複数の基準が総合的に審査されることが極めて重要です。

また、申請手続きや採用後の在留管理には専門的な知識が必要になることが多いため、不明点や難しい点があれば、行政書士などの専門家に相談することも有効な選択肢となるでしょう。

 

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