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外国人エンジニアに注目|採用メリットや注意点について

近年、国内でのITエンジニア需要の高まりにより、外国人エンジニアの採用を検討している企業が増加中です。

本記事では、外国人エンジニアが増えている理由や採用するメリット、注意点、採用に必要な就労ビザの種類について解説していきます。

CONTENTS

 

 

1.日本国内のITエンジニアの採用状況

まず、日本国内におけるIT人材の現況について説明します。

人材不足の状況にある

現代社会においてインターネットは人々の生活に欠かせないものです。ビジネスの現場においても、商品・サービス開発のみならず、DXの推進により、今後もさらにIT需要は拡大していくでしょう。また、世界は第4次産業革命の真っ只中にあり、IoTやAI、ビックデータといった先端技術に対応できる高度な専門知識を有した先端IT人材を求めています。

こうしたIT需要に対して、国内のIT人材の数はまったく足りておらず、需要と供給の差は今後もますます深刻化していくと予想されます。

経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」を見てみましょう。実際のIT人材がほぼ横ばいであるのに対し、2018年を基準としてIT市場の規模は年々拡大しています。それに伴い、不足するIT人材の数はどんどん増えていきます。
IT人材需要の伸び率を高位と予測した場合、なんと2030年には最大約79万人ものIT人材が不足する見込みとなっており、国内のIT人材不足はますます深刻になるでしょう。


出典:IT人材需給に関する調査 調査報告書

海外との比較

世界的なIT市場の拡大に、海外ではどのような対処をしているのでしょうか。

IT大国のアメリカや中国、そしてIT先進国といわれている北欧諸国は、IT人材の増加率が顕著です。そのほか、イギリスやロシア、韓国・シンガポールなどにおいても、IT人材の育成には初等・中等教育の段階から力を入れており、みな一様に成功しています。
人材育成面で大きく遅れをとってしまったことが、今日の日本における人材不足につながったと言えるでしょう。

2.外国人エンジニアの採用状況

日本国内の外国人労働者数は、2023年10月末の時点で2,048,675万人と過去最高を更新しています。その中でも情報通信業に携わる外国人労働者数は、2019年が67,540人、2021年に一度前年比を下回りましたが、2023年では85,401人で前年比12.4%と増加しました。

現在では、外国人労働者全体の増加に合わせ、外国人エンジニア数もさらに増加していることが予想されます。

3.外国人エンジニアが注目される理由は?

外国人エンジニアが増加傾向にある背景には、日本人のITエンジニア不足という問題があります。企業は不足するITリソースを海外の人材に求めていることが分かります。

国内エンジニアの不足

経済産業省の調査によると、日本国内のエンジニアは2030年の時点で約45万人が不足すると予想されています。コロナ禍での急激なIT市場の拡大や技術のアップデートなどエンジニア需要が拡大する一方、その需要に応えるだけの資格や高度なスキルを持つエンジニアが足りていないのが現状です。

このような国内エンジニアの人材不足を補うため、外国人エンジニアが注目されています。

質の高い外国人エンジニアの確保

外国人エンジニアが注目されるもう一つの理由に質の高さが挙げられます。海外ではIT教育が充実し、高度な技術を持つエンジニアが育つ環境が整っていますが、母国でエンジニアとして就職するための枠が少なく、思うように就労できないという現実があります。

母国での就職難という事情もあり、ITエンジニアが不足している日本での就職を選択する外国人エンジニアが増加しています。

4.外国人エンジニアが定着するために行えること

高度な技術が期待される外国人エンジニアですが、一方で一つの企業に定着しにくいという難点もあります。
外国人エンジニアの定着率を上げる方法を解説します。

4-1.評価制度の見直しと透明性の維持

外国人エンジニアを採用する際は、今もなお日本企業に根強く残る年功序列制や終身雇用制の気風に注意を払う必要があります。これらの制度は外国人にとって馴染みが薄く、経験や能力に対し実直な評価をしないと不信感やトラブルの原因になりかねません。評価基準、昇進条件を明確に提示し、透明性を確保することは、外国人エンジニアの定着に欠かせないポイントです。信頼関係を構築するうえでも重要な柱になります。

4-2.面接時点で認識の齟齬をなくす

面接の時点で、期待する役割や評価項目、キャリアについてのビジョンを共有しておくのも効果的です。外国人エンジニアに限った話ではありませんが、最初に会社や業務内容についてしっかり理解しておくことで、入社後にミスマッチが起こる可能性を低く抑えることができます。面接の場をただ選考として使うだけではもったいありません。外国人エンジニアと会社側双方の認識確認や要望などを伝えられる場となるよう工夫をしましょう。

4-3.キャリアサポート体制の構築

外国人エンジニアのバックグラウンドや経験は実に多様です。採用する企業はエンジニア一人ひとりの個性に合わせたキャリアプランを作り、個別にサポートしていく体制を整える必要があります。長期的に成長を続けられる環境を作ることは、外国人エンジニアの定着率に大きく影響します。できれば指導係には業務面の指導だけではなく、日本での生活全般や明文化されていない習慣、マナーなどもアドバイスできるメンターのような存在を用意するのがベストです。同時にスキルアップにつながるイベントへの参加を奨励し、企業側からも学びの機会を提供しましょう。特にIT業界は研修やセミナーなどが多く開かれているため、積極的に活用していくことをおすすめします。

4-4.組織へのフィードバックを受け取る体制

異なる文化や環境下では、相談したいことや困っていることがあっても口には出しづらいことがあります。そのため、外国人エンジニアに対しても組織に対するフィードバックをいつでも簡単かつ気軽にできるシステムや雰囲気を作っておくことは非常に大切です。現場の風通しがよくなることで、職場の労働環境が快適になるほか、従来のやり方にはなかった貴重な意見が提案されることもあります。企業にとってもメリットが大きいでしょう。

5.外国人エンジニアを採用するメリット

外国人エンジニアを採用することは、人材不足を解消するとともに技術力の高い人材の確保にもつながります。さらに外国人エンジニアが加わることで社内の活性化や、グローバル化への足掛かりとしての活躍にも期待できます。

5-1.優秀なIT人材を確保できる

海外では母国での就職が難しいことを解説しましたが、それは各国のトップの大学や大学院を卒業した人材であっても同様です。つまり、外国人エンジニアの採用は、AIやブロックチェーン、AR/VRなどの先端技術領域の分野で、世界に通用する人材を確保できるチャンスでもあります。

日本人の優秀なエンジニアは、どの企業も簡単には手放しませんが、外国人エンジニアであれば高度なIT技術を持つ人材を確保しやすいという利点があります。各企業が外国人エンジニアに注目するのは、単に人材不足を解消するだけでなく、より質の高い人材を確保するためでもあります。

5-2.社内活性化につながる

日本で就業する意欲のある外国人エンジニアは、優秀であるのはもちろん、成長志向が強い傾向にあります。母国から離れ、日本で懸命に挑戦する姿勢に、日本人エンジニアも良い刺激を受けるでしょう。外国人エンジニアを採用することで会社全体の志気があがり、社内の活性化につながります。

さらにバックグラウンドの異なる外国人エンジニアは、日本人とは異なる視点や発想を持っているほか、世界の最新情報をキャッチアップすることに長けているといったメリットもあります。

5-3.社内グローバル化につながる

将来的に海外進出を予定しているなら外国人エンジニアを積極的に採用すべきです。特に外国人エンジニアの母国への進出を考えるなら、現地拠点の責任者としての活躍にも期待できます。また、自社で海外進出しなくても、外国人エンジニアの独立支援をすることで海外のビジネスパートナーに育成することも可能です。

外国人エンジニアにはグローバル化の足掛かりとしての役割を担ってもらうことで、さらにビジネスを成長させるというメリットをもたらしてくれます。

6.外国人エンジニアを採用する注意点

外国人エンジニアを採用する場合、在留資格などの確認をすることはもちろん、社内を多言語対応にするなど、 異なる文化背景にも気を配る必要があります。コミュニケーションを円滑にすることで外国人エンジニアが実力を発揮できる環境に整えることが大切です。

6-1.外国人対応の労務管理

外国人エンジニアを受け入れるにあたり、通常の労務管理に加え外国人向けの管理項目などを網羅した体制を構築しなければなりません。

在留資格の取得・確認などの採用手続きのほか、外国人労働者を10名以上雇い入れた場合は管理責任者を専任しなければならないなど、プラスの管理工数がかかります。

6-2.外国人との異文化コミュニケーション

価値観や文化が異なるということは違う視点や発想を持っているというメリットがある反面、仕事とプライベートのバランスなど、日本人とは違う考え方、習慣からお互いの理解が深まらないというデメリットも想定できます。

このようなお互いの不信感を生まないためにも、日本人との考え方や文化の違いを考慮しなければなりません。価値観や文化の相違点を受け入れる姿勢を、社内全体で示していく努力が必要となります。

6-3.語学教育のサポート

外国人社員を雇用するにあたって、語学教育のサポートは必須です。日常的な日本語はある程度話せても、ビジネスの専門的な会話は難しい外国人が大半でしょう。社内だけで実施するのが困難な場合には、外部の日本語講座などを活用するのも一つの方法です。

ただし、エンジニアの採用においては、外国人社員側の日本語教育だけではなく、受け入れ側の日本人の英語教育も同様、もしくはそれ以上に行う必要があると考えます。

IT業界で必須とされるプログラミング言語は英語であり、ITスキルと英語力さえあれば世界で通用します。日本語能力はたまたま日本を就職先として選択したため必要となるだけで、エンジニアとしてのキャリアパスには不要です。
外国人エンジニアの採用を増やしたいのであれば、日本人社員の英語力の底上げを図りつつ、外国人社員へ日本語サポートをする体制を構築すべきではないでしょうか。実際、IT企業の中には、社内公用語を英語としている企業も多くあります。
社内のグローバル化を進めることで、世界基準で勝ち残れる企業を目指すきっかけになるでしょう。

7.外国人エンジニアを採用できる就労ビザは?

日本で外国人が働くためには、職種に合った就労ビザが必要です。

就労ビザは「在留資格を確認、業務内容と照会」「就労資格を有している場合、雇用契約の締結」「在留資格変更許可の申請」といった流れに沿って取得します。

外国人エンジニアとして採用できる就労ビザを在留資格別に解説します。

7-1.技術・人文知識・国際業務

外国人エンジニアは、一般に理系の大学などを卒業し、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得して勤務します。

「技術・人文知識・国際業務」を取得するための要件は以下のとおりです。

  • 従事する職務内容と関連する科目を大学や専門学校で専攻していたこと
  • 日本人が従事する場合と同等以上の報酬を受け取ること

上記のほか、ITエンジニアの場合は関連する科目を大学などで専攻していなくても、法務大臣が定める情報処理技術に関する試験に合格している場合は就労ビザの取得が認められる場合もあります。

「技術・人文知識・国際業務」のうち、ITエンジニアは「技術」の活動内容に該当し、「理学、工学その他の自然科学の分野(いわゆる理系の分野)に属する技術もしくは知識を必要とする業務」に従事できます。専門知識を必要とする業務に就くための在留資格ですので、単純労働は認められていません。

7-2.留学生

日本にいる留学生をITエンジニアとして採用する場合も、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得する必要があります。

「技術・人文知識・国際業務」の取得要件および従事できる業務は先に述べたとおりです。

7-3.高度専門職

「高度専門職」は、「高度人材ポイント制」において一定のポイントに達した外国人に付与される在留資格です。「高度専門職」でも外国人エンジニアを採用することができます。

「高度人材ポイント制」とは、政府による「外国人材の活躍推進」に向けた取り組みの一つで、我が国にイノベーションをもたらしてくれる良質な高度外国人材に優遇措置を与える制度です。

「高度専門職」の取得要件は以下のとおりです。

  • 「技術・人文知識・国際業務」の要件を満たしたうえで、「学歴」「職歴」「年収」「その他のボーナス」の合計ポイントが70点以上あること

「高度専門職」で従事できる職種は、自然科学もしくは人文科学の知識・技術を生かせる業務、それに伴った外国の文化に基盤を有する思考や感受性を生かせる業務です。ITエンジニアも該当します。

7-4.企業内転勤

「企業内転勤」とは、海外の支店や子会社など関連会社で勤務する外国人エンジニアを日本に転勤させる場合に取得できる在留資格です。

「企業内転勤」の取得要件は以下のとおりです。

  • 海外子会社、関連会社等において1年以上勤務していること
  • 日本人社員と同等以上の給料を支払うこと

「企業内転勤」で従事できる業務は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で許可されている業務に限られます。従って、海外の工場に勤務する作業員などの単純労働者は取得できない在留資格ですので、注意してください。

8.まとめ

日本ではIT人材不足と急速なIT化の流れから、今後さらに外国人エンジニアの採用が一般的になります。実際に外国人エンジニアを採用するときに備え、受け入れる体制を社内に構築していくことが重要です。

優秀な外国人エンジニアを採用することは、さらなるビジネスの成長を促すチャンスでもあります。この機会に外国人エンジニアの採用について考えてみましょう。

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上記に当てはまる企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

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