就労ビザとは?種類・期間・申請方法をわかりやすく解説
2025.07.18
日本で外国人として働きたい、あるいは外国人を雇用したいと考えたとき、必ず向き合うことになるのが「就労ビザ」です。しかし、一言で「就労ビザ」と言っても、その種類は多岐にわたり、それぞれ活動できる業務内容や日本に滞在できる期間が異なります。また、「ビザ」と「在留資格」の違いを正しく理解することも重要です。この記事では、「就労ビザとは何か?」という基本から、主要な種類とその期間、取得・変更・更新のための具体的な申請手続き、企業が注意すべき点まで、網羅的に解説します。複雑な就労ビザ(在留資格)制度を理解し、スムーズな就労や雇用を実現するための一助となれば幸いです。
CONTENTS
1. 「就労ビザ」の基本:在留資格との違いを知る
まずは「就労ビザ」の基本について、見ていきましょう。
「就労ビザ」は法律用語ではなく“通称”
一般に使われる「就労ビザ」という言葉は、実は法律上の正式な用語ではありません。これは、「日本で働くことが認められている在留資格」をまとめて指す通称です。つまり、「就労ビザ」というひとつのビザがあるわけではなく、「技術・人文知識・国際業務」「技能実習」「特定技能」など、働くことが可能な複数の在留資格が存在します。
「ビザ(査証)」と「在留資格」の違い
外国人が日本に入国・滞在するには、以下の2つが関係します。
- ● ビザ(査証):日本に「入国する許可」を得るために、日本の在外公館(大使館や領事館)で発給されるもの。空港などで入国審査を受ける際に必要です。
- ● 在留資格:日本国内に「どのような目的で滞在するのか」「どんな活動が認められるのか」を定めた法的ステータス。就労できるかどうかはこの在留資格によって決まります。
- ● ビザ(査証):日本に「入国する許可」を得るために、日本の在外公館(大使館や領事館)で発給されるもの。空港などで入国審査を受ける際に必要です。
したがって、ビザを取得して入国できても、就労が認められない在留資格であれば働くことはできません。
適切な在留資格が必要な理由
外国人が日本で合法的に働くには、就労が認められた在留資格を取得しなければなりません。これがない状態で働くと「不法就労」となり、以下のような重大なリスクがあります。
● 外国人本人:退去強制(強制送還)・再入国禁止・刑事罰など
● 雇用主(企業側):不法就労助長罪に問われ、罰金や懲役などの刑事責任を問われる可能性があります
そのため、雇用する側も、働く側も「在留資格の種類とその内容」を正確に理解し、適切な資格を取得・維持することが大切です。
2. 日本で働くための主要な就労ビザ(在留資格)種類一覧と比較
以下に、「日本で働くための主要な就労ビザ(在留資格)」について、種類別の特徴や比較ポイントを含めてわかりやすく解説します。
就労系在留資格のカテゴリー別解説
【1】高度専門人材向け:「高度専門職1号・2号」
- ● 概要:高度な知識・技能を持つ外国人を優遇的に受け入れる制度。
- ● ポイント制:学歴・職歴・年収などの要素により、70点以上で1号、一定条件で2号へ移行。
- ● 対象活動:
○ 高度学術研究活動(大学教員など)
○ 高度専門・技術活動(IT技術者、研究者など)
○ 高度経営・管理活動(企業経営者など) - ● 在留期間:1号=最長5年(原則3年)、2号=無期限
- ● メリット:永住許可の早期取得、家族の帯同・就労緩和、出入国の優遇措置など
- ● 概要:高度な知識・技能を持つ外国人を優遇的に受け入れる制度。
【2】一般専門職・技術職向け
技術・人文知識・国際業務
- ● 対象職種:IT技術者、経理、人事、通訳、貿易、マーケティングなど
- ● 主な要件:大卒(関連分野)または10年以上の実務経験
- ● 在留期間:5年、3年、1年、3か月
企業内転勤
- ● 対象職種:海外の親会社・子会社などからの転勤者(上記「技人国」と同等の職種)
- ● 主な要件:継続勤務1年以上
- ● 在留期間:同上
技能
- ● 対象職種:調理師、建築職人、宝石細工師、パイロット、スポーツ指導者など
- ● 主な要件:通常10年以上の実務経験
- ● 在留期間:同上
【3】特定分野の人手不足対応:「特定技能1号・2号」
特定技能1号
- ● 対象分野:介護、建設、農業、外食など16分野
- ● 主な要件:技能試験 + 日本語試験(JLPT N4相当)
- ● 在留期間:最大5年間(更新可、ただし通算上限あり)
- ● 特徴:家族帯同不可
特定技能2号
- ● 対象分野:建設、造船など11分野(介護除く)
- ● 主な要件:熟練技能(試験あり)
- ● 在留期間:更新により無期限
- ● 特徴:家族帯同可、永住申請可能性あり
【4】経営層・管理職向け:「経営・管理」
- ● 対象活動:日本で事業を経営または管理する外国人(起業家、支店長など)
● 主な要件:
○ 事務所設置
○ 資本金500万円以上(または常勤2名以上の雇用) - ● 在留期間:5年、3年、1年、4か月
- ● 対象活動:日本で事業を経営または管理する外国人(起業家、支店長など)
【5】その他の専門資格系在留資格
在留資格 対象者 主な要件 在留期間 介護 介護福祉士資格保持者 国家資格 最大5年(更新可) 教育 学校教員(中学・高校) 該当資格+経験 同上 医療 医師・看護師など 日本の国家資格 同上 法律・会計業務 弁護士、公認会計士など 日本の資格保持 同上 【6】人材育成目的の制度:「技能実習」「育成就労(新制度)」
技能実習(現行制度)
- ● 目的:開発途上国への技能移転
- ● 期間:最長5年(1~3年+2年延長)
- ● 制限:原則転職不可・厳格な監理体制あり
育成就労(2024年成立・今後開始予定)
- ● 目的:より柔軟な人材育成と定着
- ● 特徴:転職可能、キャリアパスを整備し、特定技能等への移行促進
- ● 期間:分野ごとに別途規定予定
【主要な在留資格 比較表(まとめ)】
在留資格 対象業務 主な要件 在留期間 家族帯同 高度専門職1号・2号 研究・技術・経営等 ポイント制 1号:最長5年2号:無期限 可 技術・人文知識・国際業務 IT・営業・通訳等 大卒 or 実務経験10年 最大5年 可 特定技能1号 16分野の現場系業務 技能試験 + 日本語試験 最長5年(通算) 不可 特定技能2号 熟練技能職(建設等) 技能試験(熟練レベル) 無期限(更新可) 可 経営・管理 経営者、マネージャーなど 事務所・資本金要件など 最大5年 可 技能実習 技能習得 監理団体、職種指定 最長5年 原則不可 補足:就労制限が異なる在留資格について
- ● 就労制限なし(身分系在留資格):
○ 永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等
→ 職種の制限がなく自由に働けます。 - ● 資格外活動(例:留学生、家族滞在など):
○ 学業等を本業としながら、所定の手続きを経て週28時間以内のアルバイト等が可能
- ● 就労制限なし(身分系在留資格):

3. 就労ビザの「期間」について徹底解説:どれくらい滞在できる?
ここで「就労ビザ(在留資格)の期間」について、解説します。
在留期間とは?
在留期間とは、外国人が日本に合法的に滞在できる期限のことです。この期間は、在留資格ごとに法律で定められており、その中で入国管理局が個々の事情を踏まえて具体的な年数(または月数)を決定します。
主な就労系在留資格の法定在留期間
以下は、就労可能な代表的な在留資格ごとの法定在留期間の例です。
在留資格 法定在留期間の選択肢 技術・人文知識・国際業務(技人国) 5年、3年、1年、3か月 企業内転勤 5年、3年、1年、3か月 技能 5年、3年、1年、3か月 高度専門職1号 5年(固定) 高度専門職2号 無期限 経営・管理 5年、3年、1年、4か月 特定技能1号 1年、6か月、4か月(※通算上限5年) 特定技能2号 3年、1年、6か月(※更新により無期限) 技能実習 1年、2年、3年、最長5年 介護、教育、医療などの専門職 5年、3年、1年、3か月 初回申請時の在留期間:どう決まる?
初めて就労系の在留資格を取得する際、申請者に与えられる在留期間は、個別の審査結果により異なります。以下の要素が総合的に考慮されます。
【主な考慮ポイント】
- ● 学歴・職歴(適切な背景があるか)
- ● 雇用企業の安定性・規模(上場企業か、継続的な雇用が見込めるか)
- ● 業務内容が在留資格に適合しているか
- ● 提出書類の正確性・不備の有無
- ● 過去の来日履歴や法令順守状況
【実際に多い初回在留期間】
- ● 1年:企業が中小規模/初めての就労ビザ申請者
- ● 3年:企業が安定しており、申請者の経歴・実績も十分な場合
- ● ※5年は、初回では少なく、長期安定後の更新で付与されやすい傾向
在留期間更新時:期間はどう変わる?
在留資格の更新申請においても、再度審査が行われ、許可されれば新しい在留期間が与えられます。更新時の期間も、個別の状況によって判断されます。
【更新時に重視される要素】
- ● 実際の活動内容(許可された内容どおりに就労しているか)
- ● 在留状況(法令順守・出入国の履歴)
- ● 企業の継続性・事業内容の健全性
- ● 税金・社会保険の納付状況
- ● 本人および企業の将来見通し
【長期の在留期間が付与されるには?】
- ● 問題なく数年勤務を継続している
- ● 安定した収入と勤務実績がある
- ● 過去の在留に違反歴がない
- ● 企業側も健全な雇用実績を持っている
こうした条件を満たすことで、更新時に3年や5年といった長期の在留期間が付与される可能性が高まります。
在留期間の「通算」ルール:特定技能などに注意
【特定技能1号】
- ● 在留期間の通算上限は5年
- ● 一度に与えられる期間は「1年」「6か月」「4か月」など
- ● 更新しながら5年に達した時点で1号の資格は終了
- ● 引き続き滞在・就労したい場合は、特定技能2号や他の資格への移行が必要
【技能実習】
- ● 原則3年(条件により2年延長可能=最長5年)
- ● 修了後、特定技能1号に移行可能な職種もあり
まとめ:就労ビザの期間は「柔軟だが審査付き」
法定の期間枠 × 個別審査
就労ビザの在留期間は、在留資格ごとに法律で定められた期間枠(例:1年、3年、5年など)がありますが、実際にどの期間が付与されるかは、入国管理局による個別審査によって決まります。初回は「1年」または「3年」が一般的
初めて在留資格を取得する場合、多くは1年または3年の期間が付与されます。これは、雇用企業の規模や安定性、申請者の経歴、活動の妥当性などを総合的に評価した結果によります。
継続的な就労・適正な活動で「長期化」が可能
在留中に問題なく就労し、納税・社会保険の義務を果たしていれば、更新時により長い期間(例:3年 → 5年)が認められることもあります。継続雇用や企業の信頼性が評価されるポイントとなります。
資格によっては「通算上限」に注意
一部の在留資格(例:特定技能1号=通算5年まで)には、滞在可能な上限年数があります。その後も日本で働きたい場合は、上位の在留資格(特定技能2号など)へ移行する必要があります。
更新審査のカギは「実績・順法・企業の安定性」
在留期間の更新では、以下の点が重視されます。
- ● 適正な活動実績(契約通りに働いているか)
- ● 法令順守(不法就労・無断離職などがないか)
- ● 納税・保険加入状況
- ● 雇用企業の健全性・事業継続の見込み
就労ビザの期間は一律ではなく、個人と企業の信頼性が審査の中で問われますので、初回が短くても、実績を重ねることで長期滞在や永住申請にもつながる道が開けます。

4. 就労ビザ(在留資格)の申請手続き:取得・変更の流れ
就労ビザ(正式には「就労が認められる在留資格」)を得るためには、本人の状況や申請のタイミングに応じた手続きが必要です。申請は大きく分けて次の2パターンに分類されます。
① 海外から新規入国する場合
(初めて日本で働く外国人を海外から受け入れるケース)
この場合、企業などの受け入れ側が中心となり、「在留資格認定証明書」の交付を申請し、外国人本人がそれを使ってビザを取得して来日します。【申請の流れ】
- 1. 企業が地方出入国在留管理局に申請書類を提出
- 2. 「在留資格認定証明書」が交付される(標準1〜3か月)
- 3. 証明書を外国人本人へ郵送
- 4. 本人が現地の日本大使館・領事館でビザを申請
- 5. ビザ取得後、来日し空港で在留カードを受け取る
- 1. 企業が地方出入国在留管理局に申請書類を提出
【主な必要書類】
- ● 申請書・証明写真(4×3cm)
- ● 雇用契約書や採用通知書
- ● 企業に関する資料(登記事項証明書、決算書、パンフレット等)※企業のカテゴリーに応じて異なる
- ● 本人の学歴・職歴を証明する書類(卒業証明書、履歴書、職務経歴書など)
② 日本国内で別の在留資格から変更する場合
(留学生から就労ビザへの切り替え、技能実習から特定技能など)
この場合、原則として本人が入国管理局へ申請します。【申請の流れ】
- 1. 本人が地方出入国在留管理局に申請書類を提出
- 2. 審査(標準2週間~1か月)
- 3. 許可されると新しい在留カードが発行される
- 1. 本人が地方出入国在留管理局に申請書類を提出
【主な必要書類】
- ● 在留資格変更許可申請書・写真
- ● パスポート、現在の在留カード
- ● 変更理由書(なぜ新しい活動を行うのかを説明)
- ● 雇用契約書、新しい業務内容の説明資料
- ● 必要に応じて、卒業証明書や職務経歴書など
不許可になる主な原因
申請が不許可となる理由には以下のようなものがあります。
● 書類の不備、記載ミス、必要書類の不足- ● 学歴・職歴が申請する在留資格の要件に合致しない
- ● 業務内容が在留資格に該当しない(例:単純労働への従事)
- ● 申請内容に不整合や虚偽がある(内容の矛盾、過去の情報との不一致)
- ● 素行不良(税金未納、交通違反の常習、過去のオーバーステイ、犯罪歴など)
申請を成功させるためのポイント
- ● 正確な情報記載:すべての書類・申請内容において虚偽や誤記のないよう注意
- ● 立証資料の充実:学歴、職歴、業務内容、企業情報などを裏付ける書類をきちんとそろえる
- ● 理由書・説明書の活用:活動内容の正当性や申請背景を丁寧に説明する文書を添えると審査が通りやすくなる
- ● 企業との連携:企業側に書類作成や説明資料の協力をしっかり依頼すること
■ 所要期間の目安
申請タイプ 標準処理期間 在留資格認定証明書(新規) 約1〜3か月 在留資格変更(国内) 約2週間〜1か月程度 こちらはあくまでも目安なので、繁忙期なども考慮し余裕を持って手続きを行うようにしましょう。
5. 就労ビザ(在留資格)の期間更新:手続きと注意点
日本で就労を継続する外国人にとって、在留期間の更新は非常に重要な手続きです。適切な時期に正確な内容で申請しないと、不法残留となり、強制退去や再入国禁止といった重大なリスクを負うことになります。
申請のタイミングと場所
- ● 申請可能時期:在留期間満了日の 3か月前から 申請可能
→できるだけ早めの申請が推奨されます - ● 申請場所:住所地を管轄する地方出入国在留管理局
- ● 申請者:原則として本人が申請(企業の協力は必須)
- ● 申請可能時期:在留期間満了日の 3か月前から 申請可能
主な必要書類
更新時には、以下のような書類を提出する必要があります。
- ● 在留期間更新許可申請書
- ● 証明写真(縦4cm × 横3cm)
- ● パスポート、在留カード
- ● 在職証明書(現在の勤務先が発行)
- ● 給与明細や雇用契約書(継続性を示す資料)
- ● 住民税の課税証明書・納税証明書(直近1年分)
- ● 所属機関(企業)の資料(登記事項証明書、決算書等 ※必要に応じて)
※審査内容に応じて、追加資料が求められることがあります。
審査で重視されるポイント
- 1. これまでの活動実績が、付与された在留資格の内容に合っているか
→例:技術・人文知識・国際業務で認められた業務を継続して行っているか - 2. 今後の活動予定が安定・継続可能か
→契約更新や正社員登用など、将来の雇用見通しもプラス評価 - 3. 法令遵守状況
→特に税金の未納、社会保険の未加入、不法就労などがあると不利に
- 1. これまでの活動実績が、付与された在留資格の内容に合っているか
在留期間満了までに結果が出ない場合:「特例期間」
申請中に在留期間が満了してしまった場合でも、次のいずれか短い方の期間まで、適法に在留可能です。
- ● 更新申請の結果が出るまで
- ● 在留期間満了日から 2か月間
※この期間中に結果が出ない場合でも、不許可となれば速やかに対応が必要です。
更新不許可となる主なケース
- ● 資格外の業務への従事(例:単純労働に就いていた)
- ● 転職後の業務内容が不適合(もとの在留資格に合わない)
- ● 税金や保険の未納、納税証明書の不提出
- ● 虚偽申請、素行不良(オーバーステイ歴、違法行為など)
- ● 実績不足(雇用実態が不明、就労期間が極端に短いなど)
不許可となった場合の対応
- 1. 理由通知を確認し、誤解や不備がある場合は再申請を検討
- 2. 活動の終了が決定している場合、特定活動(準備のための在留資格)への変更を申請できるケースもあります
- 3. 難しい場合は、帰国準備を進める必要があります(準備期間中も特定活動許可が下りることがあります)
- 1. 理由通知を確認し、誤解や不備がある場合は再申請を検討
更新は「延長」ではなく「再審査」
在留期間の更新は単なる延長ではなく、改めて審査を受けるプロセスです。正しい活動実績・法令遵守・安定した雇用が揃っていれば、問題なく許可されることが多いですが、些細な不備や誤解でも不許可になる可能性があります。確実な更新のためには、早めの準備と正確な書類提出が何より大切です。

6. 企業向け:就労ビザを持つ外国人を雇用する際の法的注意点
外国人労働者の受け入れにあたっては、日本人の雇用とは異なる法的な確認義務・届出義務・実務上の配慮が求められます。適切に対応しない場合、不法就労助長罪などのリスクにつながるため、以下のポイントをしっかり把握することが大切です。
採用時の確認義務:在留カードの原本確認は必須
外国人を採用する際には、以下の項目を必ず在留カードの原本で確認する必要があります。
- ● 在留資格の種類(就労が許可されているか)
- ● 在留期間(有効期限内か)
- ● 就労制限の有無(「就労不可」「資格外活動許可あり」などの記載)
※コピーの保存も有用ですが、原本確認の記録を残すことが望まれます。
雇用契約は日本人と同等以上に適切に
- ● 労働条件通知書を交付し、雇用条件を明確に示すことが義務
- ● 内容は、給与、勤務時間、休日、保険制度、解雇条件など
- ● 母国語での説明や通訳の活用が望ましく、トラブル防止につながる
- ● 均等待遇原則:同一業務・同一条件であれば、日本人と同等の待遇(特に賃金・社会保険)
就労内容は在留資格の範囲内に限定
外国人が従事する業務は、あくまで本人の在留資格に合った活動でなければなりません。
- ● 例)「技術・人文知識・国際業務」の資格保持者を倉庫作業や清掃業務に従事させることはNG(単純労働)
- ● 業務内容の逸脱は不法就労助長行為に該当するリスクあり
- ● 例)「技術・人文知識・国際業務」の資格保持者を倉庫作業や清掃業務に従事させることはNG(単純労働)
在留期間の管理・更新支援
企業は雇用する外国人の在留期間の満了日を把握し、必要に応じて本人に更新申請の時期を通知・サポートする体制が求められます。
- ● 自社で管理台帳を作成し、リマインダーを設定することが推奨されます
- ● 更新に必要な在職証明書や契約書類の発行も、企業の重要な役割です
- ● 自社で管理台帳を作成し、リマインダーを設定することが推奨されます
■ 届出義務(ハローワーク)
企業は、外国人を採用または離職させた際に、ハローワークへ以下の届出を行う義務があります。
- ● 外国人雇用状況届出書
○ 提出期限:雇入れまたは離職から14日以内
○ 提出先:最寄りの公共職業安定所(ハローワーク)
- ● 外国人雇用状況届出書
3か月ルールの注意喚起
外国人本人が、正当な理由なく3か月以上、在留資格に対応する活動を行っていない場合、在留資格の取消し対象となることがあります。企業側は、休職・無断欠勤等が続いた場合には注意を払い、本人にこのルールを説明・周知することをおすすめします。
退職時の対応と届出
退職時にも、以下の対応が求められます。
- ● 本人が行う義務:在留資格法に基づく「所属機関に関する届出」を14日以内に出入国在留管理庁へ提出します。
- ● 企業が行える任意届出:「中長期在留者の受入れに関する届出(離脱)」を法務省へ提出することで、情報の正確な登録に協力できます。
- ● 本人が行う義務:在留資格法に基づく「所属機関に関する届出」を14日以内に出入国在留管理庁へ提出します。
7. 【まとめ】就労ビザ(在留資格)を正しく理解し、適切な手続きを
外国人の就労には、多様な在留資格の種類と要件があり、それぞれ対象となる職種、必要な学歴や職歴、在留期間などが異なります。そのため、雇用側・外国人本人いずれにとっても、制度を正しく理解し、適切な資格で活動することが不可欠です。
在留資格の取得や更新は、所定の書類の準備や審査期間を要するため、ギリギリではなく計画的に余裕を持って手続きを進めることが肝要です。特に企業側は、外国人雇用に伴う確認義務や届出義務、在留期間の管理など、法令順守の体制を整える責任があります。
また、在留資格制度は社会情勢や政策に応じて法改正や運用変更が行われる可能性もあるため、常に最新情報の確認を怠らないことが求められます。複雑な申請や個別判断が必要なケースでは、行政書士や弁護士、支援機関といった専門家に相談することが、リスク回避とスムーズな手続きのために有効です。
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