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ベトナム人の性格と特徴|日本人との違いと付き合い方のコツ

日本で共に働く機会が急増しているベトナム人。親日的で勤勉な性格と言われる一方、文化や価値観の違いからコミュニケーションに戸惑うこともあるかもしれません。「ベトナム人とはどんな人たち?」その疑問に答えるため、本記事ではベトナム人の性格や国民性の特徴を、文化的・歴史的背景から深く解説します。
家族観や仕事観、日本人との違い、さらには北部と南部の地域差まで網羅。ビジネスシーンや日常生活で良好な関係を築き、採用やマネジメントを成功させましょう。

CONTENTS

1. ベトナム人を一括りにできない理由:地域差・世代差・個人差

  •  ● 地域差:ベトナムは南北に約1,650 kmに渡る長い国で、北部は四季があり寒暖差が大きく、中部と南部は熱帯、乾季と雨季の2期制という異なる気候帯があります。気候差は生活習慣・食文化・気質にも影響を与え、多様性の要因となっています。

  •  ● 世代差:戦争や社会主義統一期を経験した世代と、ドイモイ(刷新)以降の高度経済成長期に育った若い世代では、価値観や仕事観、教育観が大きく異なります。

  •  ● 個人差:地域や世代に縛られない、学歴・性格・海外経験などを通じた個人の多様性が、最終的にその人のコミュニケーションスタイルや行動を決定します。

2. データで見るベトナムの基本情報とベトナム人の性格・国民性

項目

内容

国名等

ベトナム社会主義共和国

人口(2024年)

約1億人(100,987,686人、中央値32.9歳)

民族構成

キン族が約85%以上、その他に54の少数民族存在

日本在住ベトナム人数

2024年末現在で約634,000人。日本の在留外国人中、中国人に次いで第2位の規模

ベトナムは世界でも人口16位(約1億人)、都市化率約40%、労働力人口は5,300万人超です。日本へ渡るベトナム人労働者の数は、2023年には約56,566人で、日本国内の外国人労働者518,000人のうち最大割合を占めています。

2.1 勤勉で真面目、学習意欲が高い

ベトナムの識字率は2022年で約96%と高く、教育制度の質も優れています。初等教育での学習成果は世界的に見ても高水準であり、親や社会全体が教育に熱心であるため、仕事や日本語学習に取り組む姿勢も真摯です。

2.2 家族・仲間を何よりも大切にする

儒教文化に基づく家族観が根強く、親や親族との絆、助け合いの精神が社会の基盤となっています。ベトナム人の多くが、家族のために働くことを大切に考え、仲間意識も強い傾向があります。

2.3 親切で人懐っこいが、初対面ではシャイな一面も

ベトナム人は温かくホスピタリティに富む一方、初対面では控えめな印象を受けることがあります。信頼関係が築かれると、とてもフレンドリーで面倒見の良い関係を築きやすいでしょう。

2.4 プライドが高く、メンツ(面子)を重んじる

名誉や体面を重視する文化があり、公の場で批判されることは避けたい傾向です。失敗を表に出さず「体面を保つ」姿勢が、コミュニケーション時の重要ポイントとなります。

2.5 手先が器用で細かい作業が得意

伝統工芸や製造業の職人技に象徴されるように、細部に気を配る作業を得意とする人が多く、丁寧で精密な作業に向いています。

2.6 楽観的で「なんとかなる精神」(Không sao đâu)

困難な状況でも柔軟に対応し、「大丈夫、何とかなります」と前向きに考えるメンタリティがあります。歴史的な苦難を乗り越えてきた背景も影響しています。

2.7 団結心が強く、愛国心も高い

歴史的に国家的困難を克服してきた経験から、国民の団結心や誇りが深く根付いています。スポーツや国際舞台での反応などにそれが表れます。

 

これら7つの特徴は、あくまで一般的な傾向であり、地域差や個人差が非常に大きいため、 「ベトナム人=○○」と一括りにせず、個人と向き合うことが大切です。

3. ベトナム人の仕事観と価値観

3.1 家族第一主義:仕事より家族を優先する文化

儒教的な影響が強く、家族や親族の行事(テト、新年、冠婚葬祭など)や体調不良が発生した際には、仕事より家族を優先するのが一般的です。急な欠勤や早退、長期休暇の希望も珍しくありません。これを理解し尊重することで信頼関係を築けます。

3.2 残業への考え方:「サービス残業は嫌」「対価があれば積極的」

健康的なワークライフバランスへの意識が高まっており、若い世代を中心に定時で帰ることを重要視する傾向が見られます。残業は認められるが、対価(残業代)が適切に支払われる場合には意欲的に対応します。

3.3 給与・キャリア観:「今得られる報酬」と「スキルアップ優先の転職」

転職や就職においては、「今どれだけ稼げるか」を重視する傾向が強く、昇進よりも現収入や成長機会としての転職を合理的に選ぶケースが多いです。キャリアチェンジやスキルアップのための転職はポジティブに捉えられています。

3.4 報連相スタイル:「共有より成果重視」

日本の「報・連・相」のようなプロセス共有は一般的でなく、指示された仕事は自分の責任で完遂する意識があります。途中経過の報告を省略することもあり、悪意ではなく文化的な違いによるものです。

3.5 女性の社会進出と「かかあ天下」文化

都市部を中心に、女性の社会的地位が向上し経済活動への参加も一般的です。家庭において「女性が財布を管理する」など、家族内での決定権が高い文化も根強く見られます。

日本との違いまとめ

 

 

ベトナム人の傾向/価値観

日本との比較ポイント

家族優先

家族が仕事よりも優先されることが多い

仕事優先・企業都合第一の文化が一般的

残業・報酬

お金があるなら残業可、サービス残業は拒否傾向

残業には暗黙の了解、賃金未支給でも多い社会

キャリア・転職観

場所と収入を理由に合理的な転職/短期志向

生涯雇用/長期就業と年功序列志向

報連相スタイル

成果重視、自主完結型/中間報告は少なめ

プロセス重視、報告・連絡・相談の継続

女性の立場と家庭役割

共働き・女性が家庭でも職場でも影響力を持つことが多い

伝統的な分担意識、女性管理職は日本より少な目

このように、ベトナム人の仕事観や価値観は、日本人のそれと異なる文化的背景を持ち、ビジネス現場でギャップが生じることがあります。相違点を理解し、柔軟かつ敬意を持って接することで、良好な職場関係や定着、双方の成果につながるでしょう。

4. 地域差を理解する:北部・中部・南部の性格の違い

ベトナムは南北に長い国土を持ち、歴史や気候、文化の違いから、地域ごとに性格や気質に特色があります。多様性を理解し、出身地域による気質の違いを知ることは、ベトナム人との円滑な関係構築に役立ちます。

4.1 北部(ハノイなど):真面目で保守的、思慮深い

北部の中心都市であるハノイは、社会主義体制の影響が色濃く残る地域です。勤勉で我慢強く、保守的な傾向があり、プライドも高めです。その性格は、日本人の中でも特に東京圏の人々に似ているとも言われています。

4.2 中部(ダナンなど):忍耐強く、努力家、向上心が強い

中部地域は歴史的に自然災害が多く、厳しい環境で暮らしてきたため、忍耐強く努力を惜しまない人が多い印象です。倹約家であり、教育にも熱心な一面があります。自己成長や向上心が強い傾向も特徴の一つです。

4.3 南部(ホーチミンなど):おおらかで楽観的、開放的、商売上手

南部は経済の中心地ホーチミンを擁し、温暖な気候と開放的な文化が特徴です。明るくフレンドリーで新しいことへの好奇心が強く、細かいことを気にしないおおらかな性格が多い傾向にあります。また商売上手で、交渉やビジネスの場面でも活躍しています。

5. ベトナム人と円滑な関係を築くコミュニケーション術

これまで紹介したベトナム人の多様な特徴を踏まえ、実際に仕事や日常で役立つ具体的なコミュニケーションのコツと避けるべきNG行動を解説します。重要なのは、日本流のやり方を押し付けるのではなく、相手の文化や価値観を理解し、柔軟に工夫する姿勢です。

5.1 【基本姿勢】敬意を払い、個人として向き合う

「ベトナム人だから」と一括りにする先入観は捨て、ひとりひとりの個人として尊重しましょう。背景や性格は多様であり、個別の事情や考え方に寄り添うことが信頼関係の土台になります。

5.2 【伝え方】曖昧な表現を避け、具体的・直接的に話す

「いい感じに」「適当に」など曖昧な指示は誤解を生みやすいため避けましょう。5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を明確に示し、具体的な言葉で伝えることが大切です。

5.3 【褒め方・叱り方】褒めるときははっきりと、注意するときは人前を避ける

良い点は具体的に伝え、しっかり褒めることでモチベーションが上がります。一方で注意や指摘はプライドやメンツを重視する文化を考慮し、必ず1対1の場で冷静に行いましょう。

感情的になることは避け、相手の立場を尊重することが重要です。

5.4 【雑談】家族の話題は関係構築のきっかけに

家族を非常に大切にする文化があります。家族の話題をさりげなく取り入れることで、信頼関係を深めるきっかけになります。相手のプライベートに関心を示すことで距離が縮まります。

5.5 【NG】避けるべき話題(政治・歴史など)

複雑な歴史背景や政治体制への感情が強いため、政治や戦争、歴史問題に関する話題はたとえ善意であっても避けるのが賢明です。無用な誤解や軋轢を生まないよう注意しましょう。

6. 企業向け:ベトナム人採用のメリットとマネジメントの要点

日本の労働市場において、ベトナム人材は今や欠かせない存在となっています。ここでは、ベトナム人材を採用するメリットと、職場での具体的な配慮・マネジメントのポイント、さらに最新の制度動向を解説します。

6.1 採用するメリット(若年労働力、勤勉さ、定着への期待)

 ● 若く活気ある労働力

ベトナムの平均年齢は約31歳と非常に若く、エネルギッシュで長期間の活躍が期待できます。

 ● 勤勉で手先が器用な国民性
教育熱心で真面目な性格や、細かい作業を得意とする特性は製造業や精密作業に大きな強みとなります。

 ● 長期定着の可能性
日本や職場への好意的な感情が強く、適切な環境を整えることで長期的な定着や活躍につながります。

6.2 共に働く上での具体的な配慮(休暇、食事、宗教)

  •  ● 休暇の調整
    ベトナムの旧正月「テト」は重要な行事であり、長期休暇を希望するケースが多いため、年間の勤務計画に配慮が必要です。

  •  ● 宗教への理解
    仏教徒が多い一方で、キリスト教徒やその他の宗教も存在します。宗教的慣習や祝日に対しては個別に確認し、尊重する姿勢が求められます。

  •  ● 食事の相互理解
    香草やスパイスの好みなど食文化の違いに配慮しつつ、日本人側の味覚や食事習慣も理解してもらうことで、職場の良好な関係を保てます。

6.3 最新動向:育成就労制度が与える影響

  •  ● 転籍・転職の自由度向上
    2027年施行予定の「育成就労」制度では、技能実習制度に比べ転籍のハードルが低くなり、労働者の流動性が増す見込みです。

  •  ● 企業の対応強化の必要性
    優秀なベトナム人材を確保し続けるためには、働きがいのある職場環境の整備や明確なキャリアパスの提示がこれまで以上に重要になります。

 

7. 【まとめ】特徴を理解し、一人ひとりと信頼関係を築く

本記事では、ベトナム人の性格や文化的特徴を多角的に解説しました。勤勉で家族思い、プライドが高く、何より「多様性」が大きな特徴であることを改めて確認しました。

異文化理解の本質は、こうした一般的な傾向を「知識」として持つことに加え、目の前にいる「個人」を一人ひとり尊重し、信頼関係を築くことにあります。ベトナム人だからこうだと決めつけるのではなく、その人自身の背景や価値観を丁寧に理解しようとする姿勢が重要です。良好な関係は一朝一夕には築けません。日々のコミュニケーションを重ね、相互理解を深める努力こそが、長期的な信頼と協力を生み出します。

本記事が、皆様の職場やビジネスでのベトナム人との関係構築に役立つ一助となれば幸いです。

 

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