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技能実習3号とは?移行要件や対象職種、特定技能との違いを解説

技能実習3号とは、実習4〜5年目の在留資格です。本記事では2号からの移行要件、対象となる80職種、優良な実習実施者への認定基準、一時帰国のルールを解説。2号修了後の進路として「特定技能」との違いやメリット・デメリットも比較します。

技能実習生を受け入れている企業の多くが、2号(3年目)の修了を前に直面するのが「帰国させるか、さらに雇用を継続するか」という選択です。技能実習3号へ移行すれば、熟練した技能を持つ実習生をさらに2年間(計5年)雇用できますが、それには「優良認定」や「一時帰国」といった高いハードルが存在します。

本記事では、技能実習3号の基本的な定義から、移行に必要な要件、具体的な手続きの流れ「特定技能」との比較まで、実務担当者が知っておくべきポイントを解説します。

CONTENTS

1. 技能実習3号とは?制度の位置づけと2号との違い

技能実習3号とは、技能実習制度全体(最長5年)のうち、4年目・5年目にあたる高度な段階です。
誰でも移行できるわけではなく、受入企業および監理団体の双方に「優良性」が求められる、選ばれた制度となっています。

1.1 在留期間と技能レベルの定義

技能実習制度では、1号(習得)、2号(習熟)に続き、3号は「技能の熟達(自らの判断で作業ができるレベル)」を目的としています。

3号では最長2年間の延長が可能で、1号から3号までを通算すると、実習期間は合計5年間となります。

【技能実習1号~3号の実習期間イメージ】

1.2 3号移行の前提となる「優良認定」の壁

3号を受け入れるには、受入企業および監理団体の双方が、国から「優良」と認められる必要があります。
自動的に延長できる制度ではなく、計画的な事前準備と継続的な実績の積み重ねが不可欠です。

2. 技能実習3号への移行対象職種

2号の対象職種であっても、すべてが技能実習3号の対象となるわけではありません。
3号の対象職種は2号よりも限定されているため、必ず最新の一次情報で確認することが重要です。

2.1 3号へ移行できる職種とできない職種

2023年時点で、3号の対象は82職種・155作業です。
ただし、2号の対象であっても、3号には含まれない職種・作業があります。

例えば、空港グランドハンドリングの「客室清掃作業」は2号の対象ですが、3号の対象には含まれていません(参考:技能実習制度 移行対象職種・作業一覧)。

3号の対象外となる場合は、特定技能への移行を検討することになります。

2.2 最新の対象職種リストの確認方法

制度は法改正により変更される可能性があるため、外国人技能実習機構(OTIT)の公式サイトなどで、常に最新情報を確認しておくことが重要です(参考:外国人技能実習機構)。

確認の際は、情報が最新版であるかどうかに加え、自社の職種・作業が対象に該当するかを十分に確認し、正確な情報にもとづいて判断する必要があります。

3. 技能実習2号から3号へ移行するための3つの要件

2号から3号へ移行するためには、「実習生」「企業」「監理団体」の3者すべてが、それぞれ定められた要件を満たしている必要があります。
この仕組みは、いずれか一方だけが満たしていればよいものではなく、3者がそろって条件をクリアすることが求められる、いわば「連帯責任」のような構造となっています。

どれか1つでも要件を欠いた場合、3号への移行は認められません。
その結果、実習生が帰国を余儀なくされるリスクもあるため、関係者全員が制度要件を正しく理解し、事前に確認・準備を行うことが重要です。

3.1 【実習生】実技試験合格と一時帰国の義務

2号終了前に「技能検定3級(実技)」に合格していること、および2号終了後または3号開始後1年以内に、1カ月以上の一時帰国を行うことが要件です。

なお、一時帰国にかかる旅費は企業または監理団体の負担となります。

3.2 【企業】「優良な実習実施者」への認定基準

3号を受け入れるには、150点満点の評価で「90点以上(6割以上)」を獲得し、優良認定を受ける必要があります(参考:技能実習制度における優良な実習実施者及び監理団体(一般監理事業)の要件)。

評価では、技能検定の合格率などが加点項目となる一方、法令違反などは減点対象となるため、日頃からの適切な実習管理や法令遵守が欠かせません。

3.3 【監理団体】「一般監理事業」の許可有無

監理団体には、2号までを対象とする「特定監理事業」と、3号までを対象とする「一般監理事業(優良要件)」の2種類があります。3号移行には、「一般監理事業」の許可を受けている監理団体であることが必須です(参考:外国人技能実習制度について )。

現在利用している監理団体が「一般監理事業」の許可を持っていない場合は、監理団体の変更が必要となる可能性があります。

4. 技能実習3号への移行手続きとスケジュール

3号への移行手続きは、2号の終了間際に準備を始めても間に合いません。
実習生・企業・監理団体それぞれの要件確認や申請手続きに時間を要するため、少なくとも2号終了の半年前から準備を進める必要があります。

【技能実習2号→3号への移行スケジュール】

準備や申請が遅れた場合、在留資格の切り替えが間に合わず、「特定活動(実習中断)」への移行や、一時的に就労できない状態が発生するリスクがあります。

4.1 2号修了6カ月前:技能検定(実技)の受験

合否結果が判明するまでには一定の期間を要し、万が一不合格となった場合の再試験は1回に限られるため、早めの受験が望まれます。

試験対策としては、日常の現場作業による実務経験に加え、過去問題を活用した学習や反復練習を計画的に行うことが有効です。

4.2 2号修了4カ月前:優良認定と計画認定の申請

申請は2段階で進められ、まず「優良な実習実施者」としての認定を受け、その後、「第3号技能実習計画」の認定申請を行います(参考:技能実習計画の審査基準、モデル例)。

認定には審査期間を要するため、申請が遅れた場合には、2号修了後に「実習の空白期間」が生じるおそれがあります

4.3 2号修了前後:一時帰国と在留資格変更

一時帰国は、「2号修了時」または「3号開始後1年以内」の2パターンから選択可能で、選択するタイミングによって在留資格変更の時期が異なります。

2号修了時に帰国する場合は、帰国後に在留資格変更許可を受けて再入国し、3号を開始します。
一方、3号開始後1年以内の場合は、在留資格を技能実習3号に変更した後に帰国となります。

なお、一時帰国期間中における給与支払いの有無や社会保険の取扱いについては、関係法令等を踏まえ、事前の整理が必要です。

5. 技能実習3号の受入れ可能人数枠

優良認定を受ける最大のメリットは受入れ枠の拡大であり、企業の規模拡大や生産性向上に直結する要素となります。
本章では、これを数値で紹介し、戦略的に活用するための視点を提供します。

5.1 優良認定による人数枠の大幅拡大

優良認定を受けた場合、通常枠と比較して受入れ可能人数枠が大幅に拡大します。
常勤職員数が30人以下の企業を例にすると、通常は3人までのところ、優良認定により6人以上の受入れが可能となります。

また、3号の実習生については、人数枠の算定において特例的にカウントされる場合がある点もメリットの一つです。

5.2 常勤職員数ごとの具体的な受入れ可能人数

企業の規模(常勤職員数)に応じた、1号・2号・3号それぞれの受入れ可能人数は以下の通りです。

【常勤職員数ごとの技能実習生受入れ可能人数】

常勤職員総数 技能実習1号 技能実習2号 技能実習3号(優良認定)
30人以下 3人 6人 18人
31人~40人 4人 8人 24人
41人~50人 5人 10人 30人
51人~100人 6人 12人 36人
101人~200人 10人 20人 60人
201人~300人 15人 30人 90人
301人以上 常勤職員総数の20分の1 1号枠の2倍 常勤職員総数の10分の3

※団体監理型における受入れ人数枠を示したもの

参考:外国人技能実習制度とは

技能実習制度における「常勤職員」とは、正社員のほか、正社員と同様にフルタイムで継続勤務する雇用保険の被保険者を指します。
パート・アルバイトであっても、勤務日数や勤務時間などの実態が正社員と同等と判断される場合は含まれますが、短時間・短日数など限定的な勤務形態の場合は除外されます。

6. 徹底比較:「技能実習3号」と「特定技能」どちらを選ぶべき?

技能実習3号と特定技能は制度の目的や運用が異なるため、経営判断としての比較が必要です。
本章では、コスト・リスク・リターンの3軸で両制度を比較し、企業の業種や規模、今後の事業計画に応じた選択の考え方を整理します。

※詳細は在留資格「特定技能」とは? 技能実習との違いや採用ポイントを解説をご覧ください。

6.1 【制度目的】人材育成(転籍不可)vs 労働力確保(転籍可)

技能実習3号は原則として転籍が認められていないため、一定期間の人材定着が見込める一方、従事できる業務範囲は限定的です。
これに対し、特定技能は業務範囲が比較的広く、柔軟な人員配置が可能である反面、転職による離職リスクを伴います。

定着を重視するか、配置の柔軟性を重視するかという点が、両制度選択の判断軸となります。

6.2 【コスト】監理費・帰国旅費 vs 支援委託費

技能実習3号では、毎月の監理費に加え、一時帰国に伴う旅費などの費用が発生します。
一方、特定技能では、登録支援機関への支援委託費が主なコストとなり、自社で支援を行う場合には当該費用を抑えられます。

コスト構造が異なるため、初期費用だけでなく、在留期間を通じたトータルコストで比較し、費用差が逆転する損益分岐点を把握しておくことが重要です。

6.3 【結論】自社に合った制度を選ぶための判断基準

高度な技能を教え込み、一定期間の定着を重視する場合は、技能実習3号が適しています。
コストを抑えつつ、業務範囲の柔軟性を確保しながら長期雇用を行いたい場合には、特定技能が有力な選択肢となります。

また、すべての人材を一律に同じ制度で受け入れるのではなく、人材の特性や役割に応じて両制度を使い分ける「ハイブリッド運用」という考え方も、実務上は有効です。

7. まとめ:3号移行は「優良認定」と「計画的な準備」が必須

技能実習3号への移行は、企業ブランディング向上や受入れ人数枠の拡大といったメリットがありますが、手続きや要件のハードルも高くなります。

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