カンボジアはどのような国?基本データから歴史、日本との関係まで
2026.01.06
「カンボジア」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。世界遺産アンコールワットの観光地、あるいはかつての内戦のイメージかもしれません。しかし、現在のカンボジアは、平均年齢約26歳という圧倒的な「若さ」を武器に、著しい経済成長を遂げているアジアの注目国です。
本記事では、カンボジアの基礎データや歴史、国民性といった「国の全体像」を定量的なデータとともに解説します。さらに後半では、その特徴が日本企業にとってどのようなメリットをもたらすのか、人材採用の視点からも展望を述べていきます。
1. カンボジア王国とは?データで見る基本情報と経済
カンボジア王国は、東南アジアのインドシナ半島南部に位置する立憲君主国です。近年は高い経済成長率や若い労働力が注目され、「次の成長国」として語られる機会が増えています。本章では、公的データにもとづき、カンボジアの基礎情報と特徴的な経済環境について解説します。
CONTENTS
- 1. カンボジア王国とは?データで見る基本情報と経済
- 2. カンボジアの歴史的背景と現在の社会課題
- 3. 日本人が知らないカンボジア人の国民性と日本との関係
- 4. カンボジア人材の特徴と日本企業における採用メリット
- 5. カンボジア人を受け入れるための3つの在留資格
- 6. まとめ:カンボジアの「若さ」と「親日」は日本企業の大きな力になる
1.1 面積・人口・宗教などの基礎データ早見表(日本比較)
| 項目 | カンボジア王国 | 日本 | 備考・出典 |
|---|---|---|---|
| 国土面積 | 181,035 km² | 約377,975 km² | カンボジアは日本の約0.48倍の面積 |
| 人口 | 約1,710~1,728万人 | 約1.25億人 | カンボジアは日本の約0.14倍の人口 |
| 首都 | プノンペン | 東京 | |
| 主要民族 | クメール人(約90%) | 日本人 | 多民族比率は日本より低い |
| 公用語 | クメール語 | 日本語 | |
| 宗教(信仰割合) | 仏教 約96.5~97% | 仏教(約36%前後) | カンボジアは仏教人口が非常に高い国(約9割以上) |
| 主な宗派 | 上座部仏教(Theravada) | 仏教(宗派は多様) | 上座部仏教が国家的な影響力あり |
| 政治体制 | 立憲君主制 | 立憲君主制 | |
| GDP(推計/人) | 約2,700~2,800 USD | 約39,000 USD(参考値) | 経済格差が大きい(発展段階の違い) |
※上記の人口や面積は最新公的データ(外務省基礎データ、国連人口基金、JETROなど)を基にしています。宗教については最新の国勢調査や世界データを参照しています。
外務省やJICAの資料によると、カンボジアの国土面積は約18.1万平方キロメートルで、日本の約0.5倍に相当します。人口は約1,700万人で、国民の9割以上が上座部仏教を信仰しています。首都はプノンペンで、都市化と経済発展が急速に進んでいます。一方、地方の農村部では農業を中心とした生活が主流であり、都市部との生活水準の格差が依然として存在しています。国全体としては発展途上にありますが、都市部では中間層が着実に拡大しています。
1.2 「平均年齢26.2歳」の圧倒的な若さと人口ボーナス
カンボジアの大きな特徴の一つが、人口構成の若さです。国民の平均年齢は26.2歳とされており、日本の平均年齢49.8歳(2025年)と比較すると、非常に若い社会であることが分かります。生産年齢人口は今後も増加が見込まれており、いわゆる「人口ボーナス期」は2045年頃まで続くと予測されています。この豊富な労働力は、カンボジア経済の成長を支える重要な基盤となっています。
1.3 米ドルが流通する独自の経済事情と成長率
カンボジアの経済で特筆すべき点は、米ドルが広く流通している点です。自国通貨のリエルと並行して米ドルが日常的に使用されており、実質的な基軸通貨として機能しています。こうした「ドル経済」は世界的にも珍しい事例です。カンボジアはコロナ禍以前まで年率7%前後の経済成長を維持しており、現在も回復基調にあります。製造業や不動産、サービス業を中心に外資系企業の進出が続いています。

2. カンボジアの歴史的背景と現在の社会課題
カンボジアが「平均年齢26歳前後」という非常に若い国である背景には、単なる出生率の高さだけでは説明できない、深刻な歴史的要因があります。本章では、ポル・ポト政権下で起きた悲劇と、それが現在の社会や教育にどのような影響を及ぼしているのかを解説します。
2.1 ポル・ポト政権による「知識層の喪失」と人口構成への影響
1970年代後半、カンボジアではクメール・ルージュ(ポル・ポト派)政権による大規模な虐殺と強制労働が行われました。この時代に失われた命は、当時の人口の約4分の1に達するとされています。犠牲となったのは一般市民だけではなく、医師、教師、技術者、公務員といった社会を支える知識層が集中的に排除されました。
「文字が読める」「外国語を話せる」「眼鏡をかけている」といった理由だけで知識人と見なされ、処刑されたケースも少なくありません。この結果、国の中枢を担うべき世代がほぼ消滅し、社会構造そのものが断絶されました。
この影響は現在の人口構成にも色濃く表れています。人口ピラミッドを見ると、40代から50代の人口が極端に少なく、その下の若年層が大きく膨らんだ形になっています。現在の「若年層中心社会」は、経済成長の原動力である一方、この悲劇的な歴史の延長線上にある現象でもあるのです。
2.2 内戦後の復興と教育システム・識字率の現状
内戦終結後、カンボジア政府と国際社会は教育制度の再建に取り組んできました。学校の建設や教科書の整備、教員育成などが進められ、識字率や就学率は着実に改善しています。都市部では大学進学率も上昇し、若い世代を中心に高等教育を受ける機会は確実に広がっています。
しかし、その一方で課題も残っています。ポル・ポト政権下で教育を受けられなかった親世代が多く、家庭内での学習支援が十分に行えないケースが少なくありません。また、地方では教員不足や教育環境の未整備が続いており、都市部との教育格差が顕著です。
その結果、識字率や就学率の数値は向上しているものの、基礎学力には個人差が大きく、日本と同水準で考えることは難しいのが現実です。これは、カンボジア人材をビジネスや採用の場で受け入れる際に、十分に理解しておくべき重要なポイントです。
一方で、こうした教育的ハンディキャップを自覚しているからこそ、若年層には「学びたい」「技術を身につけたい」という強い向上心が根付いています。適切な教育と指導の機会を提供すれば、大きく成長する可能性を秘めている点は、カンボジア社会の大きな特徴と言えるでしょう。

3. 日本人が知らないカンボジア人の国民性と日本との関係
カンボジア人と実際に接した日本人の多くが口にするのが、「穏やかで親切」「日本人に対して好意的」という印象です。こうした国民性は偶然ではなく、仏教文化に根差した価値観と、日本との長い友好関係によって形成されてきました。本章では、日本人が意外と知らないカンボジア人の気質や対日感情について、具体的に解説します。
3.1 仏教徒ならではの「温厚さ」と「年長者への敬意」
カンボジア国民の95%以上は上座部仏教の信徒です。仏教は単なる宗教というより、生活そのものに深く溶け込んでおり、「徳を積む」「来世を意識する」「怒りや争いを避ける」といった価値観が日常的な行動規範となっています。そのため、感情的に対立することを避け、物腰が柔らかく、穏やかな人が多いのが特徴です。いわゆる「クメール・スマイル」と呼ばれる控えめで優しい笑顔は、こうした文化を象徴しています。
また、年長者や目上の人を敬う文化が非常に強く、家庭でも職場でも上下関係が明確です。年齢や立場が上の人に対しては、言葉遣いや態度に細心の注意を払います。この点は、年功序列や縦社会の要素を持つ日本の組織文化と共通点が多く、日本企業の職場環境に比較的なじみやすい要因となっています。上司の指示を尊重し、組織のルールを守ろうとする姿勢は、日本の現場において評価されやすい特性だと言えるでしょう。
3.2 紙幣に日本の橋が描かれるほどの「親日国」
カンボジアは、東南アジアの中でも特に親日感情が強い国の一つです。その象徴的なエピソードとして、日本の政府開発援助(ODA)によって建設された「きずな橋」と「つばさ橋」が、500リエル紙幣に描かれていることが挙げられます。外国の支援で建設されたインフラが自国の紙幣に採用される例は非常に珍しく、日本への感謝と信頼の大きさを示しています。
この背景には、内戦後の復興期における日本の一貫した支援があります。道路や橋などのインフラ整備、地雷除去活動、医療や教育分野での協力に加え、皇室を通じた友好関係の構築も、カンボジア国民の対日感情を良好なものにしてきました。その結果、日本企業や日本人に対して「誠実」「信頼できる」というイメージが定着しており、ビジネスの現場においても比較的スムーズな関係構築が可能となっています。
3.3 「プライド」と「メンツ」を重んじる文化
一方で、カンボジア人を理解するうえで欠かせないのが、「プライド」や「メンツ」を非常に重んじる文化です。人前で強く叱責されたり、否定されたりすると、「メンツを潰された」と感じ、強い精神的ダメージを受けることがあります。場合によっては、それが離職や人間関係の悪化につながることもあります。
また、対立を避ける文化があるため、相手に直接「分かりません」「できません」と言うことをためらう傾向があります。笑顔で「はい」と返事をしていても、実際には十分に理解していないケースも少なくありません。そのため、日本側には、丁寧に確認を重ねる姿勢や、個別にフォローするコミュニケーションが求められます。こうした文化的背景を理解することが、良好な雇用関係を築く第一歩となります。

4. カンボジア人材の特徴と日本企業における採用メリット
これまでに述べてきたカンボジアの若さ、親日感情、国民性は、日本企業にとって具体的な「人材面での強み」へと転換されます。本章では、採用や現場運営の観点から、そのメリットを整理します。
4.1 手先が器用で細かい作業が得意な労働適性
カンボジアでは、織物や刺繍、宝飾細工などの伝統的な手工業が古くから盛んに行われてきました。こうした文化的背景から、手先が器用で、細かい作業を根気強く続けられる人が多い傾向があります。単純作業であっても集中力を切らさず、丁寧に取り組む姿勢は、日本の製造業において高く評価されています。
特に、組み立て作業や検品、縫製、建設現場での細かな工程などでは、この特性が大きな強みとなります。実際に、日本の現場で働くカンボジア人材が「真面目で丁寧」「ミスが少ない」と評価されるケースも多く見られます。
4.2 ベトナム・中国に代わる「新たな若手労働力」
これまで技能実習生の最大供給国であったベトナムでは、人件費の上昇や国内雇用の拡大により、日本への送り出し環境が変化しつつあります。その中で、カンボジアは「ポスト・ベトナム」として注目を集めています。
カンボジアの若者は、日本で働くことに強い関心を持ち、出稼ぎ意欲も依然として高い状況です。長期就労を希望する人材が多く、職場への定着率の向上が期待できる点は、日本企業にとって大きなメリットと言えるでしょう。
4.3 素直で指導を吸収しやすい「学習意欲」
カンボジア人材のもう一つの特徴が、素直さと高い学習意欲です。親日的な背景もあり、日本のルールや働き方に対して前向きに適応しようとする姿勢が見られます。注意や指導に対しても反発することは少なく、「教えてもらったことを身につけたい」という意欲が強い傾向があります。
これは、ポル・ポト政権下で知識層が失われた歴史の反動とも言えます。若年層の間では、「学びたい」「技術を身につけて人生を変えたい」というハングリー精神が根付いており、この向上心は日本企業にとって非常に価値の高い要素です。適切な教育体制とフォローを行えば、長期的に戦力となる人材へと成長していく可能性を秘めています。

5. カンボジア人を受け入れるための3つの在留資格
カンボジア人材を日本で雇用するにあたっては、日本の出入国管理制度にもとづいた在留資格(ビザ)を正しく理解することが不可欠です。目的や職種によって選択すべき制度は異なり、制度理解の不足はミスマッチや早期離職、法令違反につながる可能性もあります。ここでは、カンボジア人受け入れで特に利用される代表的な3つの在留資格について、実務目線で解説します。
5.1 技能実習(育成就労)
技能実習制度(今後は「育成就労制度」へ移行予定)は、開発途上国の人材に日本の技能・技術を移転し、母国の発展に貢献することを目的とした制度です。カンボジアは政府間協定を結んでいる送り出し国の一つであり、近年、技能実習生として来日するカンボジア人の数は着実に増加しています。
この制度では、現地政府が認可した送り出し機関を通じて候補者を募集し、日本側では監理団体の支援を受けながら受け入れを行います。主な受け入れ職種は、製造業、建設業、農業、縫製、食品加工など、現場作業を中心とした分野です。
技能実習生の特徴は、日本で働く意欲が非常に高く、素直で真面目な人材が多い点にあります。一方で、制度上は「労働力確保」が主目的ではないため、指導・育成の姿勢が強く求められます。単なる人手不足対策として扱うのではなく、丁寧な教育と生活支援を行うことが、定着と成果につながる重要なポイントです。
5.2 特定技能
特定技能制度は、日本国内の深刻な人手不足を解消することを目的として創設された在留資格です。対象分野は、介護、外食、宿泊、製造業、建設業、農業など、即戦力が求められる業界が中心となっています。
特定技能の大きな特徴は、一定の日本語能力と技能水準が試験によって担保されている点です。技能実習を修了した人材は試験免除で移行できるため、すでに日本の職場環境に慣れた人材を継続的に雇用できるメリットがあります。また、試験に直接合格したカンボジア人材を海外から呼び寄せることも可能です。
技能実習と比較すると、業務範囲の制限が少なく、より「労働者」としての位置づけが明確な制度であるため、企業側にとっては即戦力として活用しやすい在留資格と言えます。長期的な人材確保を目指す企業にとって、技能実習から特定技能へのステップアップを前提とした受け入れ設計は、非常に有効な戦略となります。
5.3 高度外国人材(技術・人文知識・国際業務)
三つ目が、「技術・人文知識・国際業務」に代表される高度外国人材向けの在留資格です。これは、単純労働ではなく、専門知識やスキルを活かした業務に従事する外国人を対象としています。
カンボジアでは、首都プノンペンを中心に大学教育の水準が向上しており、ITエンジニア、通訳、経理、マーケティング人材など、日本企業で即戦力となり得る若手人材も増えています。日本語能力試験(N2以上)を取得している人材も多く、日本人スタッフとの橋渡し役、いわゆる「ブリッジ人材」としての活躍が期待できます。
この在留資格のメリットは、将来的な管理職や海外拠点責任者候補として育成できる点にあります。技能実習や特定技能とは異なり、キャリアパスを描きやすく、企業の中核人材として長期的な雇用関係を築くことが可能です。

6. まとめ:カンボジアの「若さ」と「親日」は日本企業の大きな力になる
カンボジアは、悲しい歴史を乗り越え、現在では圧倒的な若さと成長力を備えた国へと変貌を遂げています。温厚で親日的な国民性は、日本の企業文化と非常に相性が良く、人手不足に悩む日本企業にとって心強いパートナーとなり得ます。
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