ネパールの場所はどこ?首都・人口や宗教、日本との関係を解説
2025.11.06
近年、日本国内で暮らすネパール人は23万人を超え、ビジネスや地域社会における重要なパートナーとなりつつあります。しかし、その国が「どこにあるか」と聞かれると、正確な場所を答えられない方も多くいます。ネパールは、南アジアで中国とインドという2つの大国に挟まれた内陸国です。
本記事では「ネパールはどこにあるのか」「首都はどこか」といった基本的な疑問にお答えします。地図を使った位置関係の解説から、人口、宗教、言語などの基礎データ、さらには主要な産業や文化、日本との関係性まで、ネパールの全体像を把握するための情報を網羅的に解説します。
CONTENTS
- 1. ネパールはどこにあるか|地図で見る位置と周辺国
- 2. ネパールの概要と基礎データ
- 3. ネパールの首都カトマンズの概要と特徴
- 4. ネパールの文化と自然の魅力
- 5. ネパールの主要産業と日本との関係
- 6. ネパール人と接する際のポイント
- 7. まとめ|ネパールの基本情報と日本との関係性を理解する
1. ネパールはどこにあるか|地図で見る位置と周辺国
「ネパールはどこにある国なのか」という疑問にお答えするために、この章では地図をもとにネパールの正確な位置と地理的な特徴について詳しく解説します。国の位置を知ることは、その文化や経済、国際関係を理解するうえでとても重要です。世界最高峰エベレストを有するヒマラヤ山脈のイメージが強いネパールですが、実際には標高の低い平原地帯も広がっており、南北にわたって多様な自然環境を持つ国です。

1.1 アジアにおけるネパールの位置(南アジアの内陸国)
ネパールはアジア大陸の南部に位置し、「南アジア」に分類される内陸国です。内陸国とは四方を陸地に囲まれ、海に面していない国のことを指します。北部には「世界の屋根」と呼ばれるヒマラヤ山脈が連なっており、その地理的特徴からインドやパキスタン、バングラデシュなどと同じ南アジア地域に含まれています。この立地条件が、古くからインドのヒンドゥー文化とチベットの仏教文化が交差する、独自の文化圏を形成する要因となってきました。
1.2 どこの国と隣接しているか|インドと中国に挟まれた立地
ネパールは北側を中国のチベット自治区、南側をインドという二つの大国に挟まれた位置にあります。南のインドとは国境が比較的開かれており、人々の往来が盛んです。宗教や食文化など多くの面でインドの影響を強く受けており、経済的にも輸入の大部分をインドに依存しています。一方で、北の中国とはヒマラヤ山脈によって隔てられていますが、近年は道路整備や貿易ルートの拡充によって経済的なつながりが強まっています。このようにネパールは、二つの大国の間でバランスを取りながら独自の外交を進めている地政学的に重要な国です。
1.3 ネパールの国土と地形(ヒマラヤ山脈とタライ平原)
ネパールの国土の約8割は丘陵や山岳地帯で占められています。地形は南から北にかけて「タライ低地(平野部)」「ヒル地帯(丘陵・渓谷)」「ヒマラヤ高地」の三つの地域に分かれています。南部のタライ低地は標高およそ60メートル前後の平原が広がる肥沃な農業地帯であり、北へ進むほど標高が上がり、最北部には世界最高峰エベレスト(8,849メートル)をはじめとするヒマラヤ山脈がそびえています。このような標高差の大きい地形が、多様な気候や自然環境を生み出し、登山や観光などにも大きな魅力を与えています。

2. ネパールの概要と基礎データ
ネパールという国の全体像を素早く理解するために、ここではネパールの基本的な情報をデータで紹介します。世界で唯一、四角形ではない国旗を持つユニークな国として知られるネパールは、多民族・多言語国家であり、若い人口構成が特徴です。ここでは、国の成り立ちから文化的背景、実用的な情報まで、さまざまな角度からネパールの基礎知識を見ていきましょう。
参考:ネパール基礎データ|外務省
2.1 正式名称と国旗の意味
ネパールの正式名称は、かつて「ネパール連邦民主共和国」でしたが、2020年の憲法改正により、正式国名は「ネパール」となりました。国旗は世界で唯一、四角形ではない形状をしています。この独特のデザインは、かつてネパールを統治していたシャハ家とラナ家という2つの王家が使用していた三角旗を組み合わせたもので、国の歴史を象徴しています。また、この形はヒマラヤ山脈を表しているともいわれています。国旗の赤色(クリムゾンレッド)は国民の勇敢さを、青い縁取りは平和への願いを表現しています。上の三角旗に描かれた月と下の三角旗の太陽には、「国が太陽と月のように永遠に栄えるように」という願いが込められています。

2.2 人口と面積
ネパールの人口は約2,969万人(2023年時点)です。中央年齢はおよそ23歳と若く、生産年齢人口(15〜59歳)が全体の6割以上を占める、活気のある若い国です。国土の面積は約14.7万平方キロメートルで、日本の北海道(約8.3万km²)の約1.8倍にあたります。国土の多くが山岳地帯であるため、平野部は限られていますが、農業や観光業が主要な産業として発展しています。
2.3 公用語と多様な民族
公用語は「ネパール語」です。ネパールは100以上の民族が暮らす多民族国家で、主要な民族にはパルバテ・ヒンドゥー、マガル、タルー、タマン、ネワールなどがあります。また、ネパール語と日本語は文法構造が似ており、ネパール人が日本語を習得しやすいといわれています。英語教育も小学校から導入されており、都市部では英語を話せる人も多く見られます。
2.4 主要な宗教
国民の約81.3%がヒンドゥー教徒で、次いで仏教徒が約9.0%、イスラム教徒が約4.4%を占めています。ネパールではヒンドゥー教と仏教が共存し、寺院や仏塔が街の中で隣り合う光景が日常的に見られます。宗教が人々の生活や文化に深く根付いており、年間を通して多くの宗教行事や祭りが行われています。
2.5 通貨と日本との時差
ネパールの通貨は「ネパール・ルピー(NPRまたはRs.)」です。日本との時差は「マイナス3時間15分」で、日本が正午のとき、ネパールは午前8時45分となります。旅行やビジネスで訪れる際は、この時差を意識して行動することが大切です。
3. ネパールの首都カトマンズの概要と特徴
ネパールの首都カトマンズは、政治・経済・文化の中心地であり、多くの観光客が最初に訪れる玄関口です。古代からの歴史と現代の活気が共存する都市で、独特の雰囲気が漂っています。
3.1 首都の基本情報(人口・標高)
カトマンズの人口は約85万人(2021年国勢調査時点)です。カトマンズ盆地の標高は約1,300〜1,400メートルで、気候は亜熱帯モンスーン型に属しますが、標高が高いため年間を通して比較的過ごしやすい気候です。夏は涼しく、冬も穏やかで、観光にも適しています。
3.2 カトマンズ盆地の世界遺産群
カトマンズ盆地は、歴史的な寺院や建築群が多く残ることから、ユネスコの世界遺産に登録されています。ヒンドゥー教と仏教が融合した独自の文化が色濃く残り、街全体が神秘的な雰囲気を漂わせています。代表的な遺産には、旧マッラ王朝の王宮が立ち並ぶ「ダルバール広場(カトマンズ・パタン・バクタプルの3か所)」、丘の上から街を望む仏教寺院「スワヤンブナート(モンキーテンプル)」、巨大な仏塔「ボダナート・ストゥーパ」、そしてヒンドゥー教の聖地「パシュパティナート寺院」などがあります。これらはネパールの信仰と歴史を象徴する重要な文化遺産です。

4. ネパールの文化と自然の魅力
ネパールの魅力は、首都カトマンズに点在する世界遺産だけにとどまりません。北部にそびえるヒマラヤ山脈をはじめとする雄大な自然環境や、100以上の民族が共存することで育まれた多彩な食文化、そしてヒンドゥー教を中心とした活気ある祭りなど、文化と自然が融合した独自の世界が広がっています。ここでは、ネパールならではの自然・食・祭りの魅力を紹介します。
4.1 雄大な自然
ネパールは、世界の8,000メートル級の山々14座のうち8座を有する山岳国家です。その象徴が、世界最高峰エベレスト(標高約8,849メートル)です。ネパールでは「サガルマータ(天空の女神)」、チベット語では「チョモランマ(宇宙の母)」と呼ばれ、登山の対象であると同時に、人々の信仰の象徴でもあります。また、ヒマラヤ山脈だけでなく、南部のタライ平原や中部の丘陵地帯にも多様な自然が広がっており、トレッキングや野生動物観察など、観光資源としても高い評価を受けています。
4.2 多彩な食文化
ネパールの食文化は、民族や地域によって多様な特色を持っています。国民食として最も親しまれているのが「ダルバート」です。「ダル(豆のスープ)」と「バート(ご飯)」を中心に、野菜のカレー(タルカリ)や漬物(アチャール)が添えられた定食スタイルで、家庭でもレストランでも日常的に食べられています。ほかにも、ネパール風の蒸し餃子「モモ」や、スパイスの効いた焼きそば「チョウメン」など、インドやチベット、中国の影響を受けた多国籍な味が楽しめるのも魅力です。最近では、都市部を中心にカフェ文化も広まりつつあり、伝統と現代が融合した食のスタイルが見られます。
4.3 伝統的な祭り
ネパールでは、ヒンドゥー教や仏教に基づく祭りが一年を通して行われます。なかでも最大の祭りは「ダサイン」(9月〜10月頃)です。女神ドゥルガーの勝利を祝うこの祭りでは、家族や親族が集まり、凧揚げや動物の供物などを通して豊穣と平和を祈ります。次いで重要なのが「ティハール」(10月〜11月頃)で、光と音楽の祭りとして知られています。家々ではランプを灯し、兄弟姉妹の絆を確かめ合う儀式が行われます。また、「ホーリー」(2月〜3月頃)は春の訪れを祝う色の祭りで、人々が色粉や水を掛け合い、街全体が明るく華やかな雰囲気に包まれます。これらの祭りは、ネパール人の信仰心と家族の絆を象徴する重要な文化行事です。

5. ネパールの主要産業と日本との関係
ネパールの経済は、伝統的に農業を中心に発展してきました。しかし近年では、観光業や海外で働く労働者からの送金が大きな役割を果たしています。日本との関係も年々深まっており、経済・文化の両面で密接なつながりが生まれています。
参考:【在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表】 | 出入国在留管理庁
ネパール基礎データ|外務省
5.1 ネパールの経済を支える産業
ネパールの主要産業は農林業で、就業人口の約6割がこの分野に従事しています。主な農産物は米やトウモロコシ、小麦、茶葉などです。一方、内陸国であることやインフラ整備の遅れにより、製造業の発展は限定的です。そのため、多くの若者が中東諸国や東南アジア、日本などへ出稼ぎに出ています。海外で働くネパール人からの送金は国内総生産(GDP)の約3割を占めており、国の経済を下支えする重要な柱となっています。観光業もまた主要な収入源であり、ヒマラヤ登山や世界遺産巡りを目的とした外国人旅行者が経済を活性化させています。
5.2 日本とネパールの関係性
ネパールは伝統的に親日国として知られています。両国は1956年に国交を樹立して以来、良好な関係を築いてきました。日本の皇室とネパールの旧王室との交流をはじめ、政府間でもインフラ整備や教育、医療など幅広い分野で協力が進められています。日本はネパールにとって主要な援助国の一つであり、ODA(政府開発援助)実績では第3位を誇ります。また、人的交流も活発化しています。2024年末時点で日本に在留するネパール人は約23万3千人に達し、国籍別で第5位となっています。留学生や技能実習生、特定技能人材として、日本の産業や地域社会を支える存在となっています。このように、ネパールと日本の関係は経済的・文化的な側面だけでなく、人と人とのつながりを通じて、より身近で重要なものになりつつあります。

6. ネパール人と接する際のポイント
これまでに紹介してきたネパールの地理や文化的背景を踏まえ、この章では、実際にネパール人と交流したり、職場で一緒に働いたりする際に知っておくと役立つポイントを紹介します。ネパールの人々は、穏やかで勤勉、そして家族思いな国民性で知られています。一方で、宗教や生活習慣に根差した価値観の違いもあるため、相手を尊重しながらコミュニケーションを取ることが大切です。
6.1 ネパール人の国民性・特徴の概要
ネパール人の多くは、家族を非常に大切にし、地域社会や親族とのつながりを重視します。年長者を敬う文化が強く、家庭内では年上の意見を尊重するのが一般的です。また、仕事に対しては真面目で責任感が強く、与えられた業務を丁寧にこなす傾向があります。勤勉で協調性があり、チームワークを重視する点は、日本の職場文化とも親和性が高いといえるでしょう。一方で、時間に対する感覚は日本よりもおおらかで、「約束の時間に少し遅れる」「予定が柔軟に変わる」といったことも珍しくありません。これは怠慢ではなく、文化的な価値観の違いとして理解することが重要です。ネパールでは「時間よりも人間関係を大切にする」という考え方が根付いており、相手との信頼関係を築くことが何よりも重視されます。
詳細は、ネパール人の特徴7選と採用前に知るべき性格などの注意点を解説をご確認ください。
6.2 ネパールで注意すべき文化・タブー
ネパールでは、国民の約8割がヒンドゥー教徒であり、宗教的な教えに基づいたタブー(禁止事項)が日常生活の中に根付いています。特に、食事や身のこなしに関するマナーには注意が必要です。
代表的なタブーとしては、以下のようなものがあります。
- ● 牛肉を食べないこと:ヒンドゥー教では牛は神聖な動物とされており、牛肉を食べることは非常に不敬とされています。
- ● 左手は「不浄の手」とされる:左手はトイレなどで使う手とされるため、握手や物の受け渡し、食事の際は右手を使うのがマナーです。
- ● 他人が口を付けたものを食べない:共用の皿やスプーンを使うことは避けられます。大皿料理では必ず取り分けて食べる習慣があります。
また、宗教施設では靴を脱いでから入る、僧侶や祭司に不用意に触れないなどの配慮も必要です。これらを理解しておくことで、現地の人々との関係をより円滑に築くことができます。
詳細は、ネパール人のタブー集|NG行動やマナーなどを解説をご確認ください。
7. まとめ|ネパールの基本情報と日本との関係性を理解する
本記事では、ネパールの地理的特徴や文化、そして日本との関係性について詳しく解説しました。ネパールは、インドと中国に挟まれた南アジアの内陸国であり、世界最高峰エベレストをはじめとする雄大な自然と、長い歴史を持つ文化が共存しています。首都カトマンズには多くの世界遺産が集まり、観光地としても人気を集めています。また、ネパールは若年層が多く活力にあふれる国であり、経済面では農業・観光業・海外からの送金が主要な柱となっています。日本との関係も年々強まり、2024年末には日本に在留するネパール人が23万人を超えるなど、人的な交流が急速に拡大しています。
これからビジネスや地域活動などでネパールの人々と関わる機会が増える中で、国の背景や文化、価値観を正しく理解することは、信頼関係を築くうえで欠かせません。 ネパールの多様性と温かい国民性に触れながら、相互理解を深めていくことが、今後の国際交流の鍵となるでしょう。
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