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高度人材のポイント制と優遇措置について解説①

CONTENTS

  1. 1.はじめに
  2. 2.高度外国人材とは
  3. 3.高度人材のポイント制とは
  4. 4.どのような優遇措置が受けられる?
  5. 5.まとめ

1. はじめに

近年、人手不足や国の施策により外国人労働者の受け入れが増加しています。
外国人雇用において、高い専門性や技術力を持った職種に就くことができる高度人材と呼ばれる外国人労働者は、貴重な存在です。
高度外国人材の受け入れを促進するために、高度外国人材に対してポイント制を活用した出入国管理上の優遇措置を提供する「高度人材ポイント制」という制度があります。
そこで、今回は高度人材の定義や高度人材ポイント制の概要、優遇措置について解説していきます。

2. 高度外国人材とは

「高度専門職(高度専門職ビザ)」とは、高度な知識やスキルで日本の経済発展に貢献する外国人のための在留資格で「高度専門職1号」と「高度専門職2号」の二種に分かれています。

高度専門職ビザには「高度学術研究分野」「高度専門・技術分野」「高度経営・管理分野」という三分野があり、いずれも高い専門性を持った外国人だけに認められます。

3. 高度人材のポイント制とは

外国人が高い専門性を持っているか否かの判断基準となるのが「高度人材ポイント」です。出入国在留管理庁の「ポイント計算表」によると、高度専門職の分野ごとに「学歴」「職歴」「収入」などが点数化され、その点数の合計が70点以上になると高度専門職ビザを申請することができます。ポイント表については以下の通りです。

【引用】文化庁より
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kondankaito/nihongo_suishin/03/pdf/siryou_8_1.pdf

4. どのような優遇措置が受けられる?

高度外国人材に認定された方は、以下の出入国在留管理上の優遇措置が認められます。「高度専門職1号」「高度専門職2号」の場合について、それぞれ以下に説明します。

「高度専門職1号」の場合

①複合的な在留活動の許容

通常、外国人の方は、許可された1つの在留資格で認められている活動しかできませんが、高度専門職のビザを取得することで、複数のビザにまたがる活動を行うことが可能となります。


②在留期間「5年」の付与

高度外国人材に対しては、法律上の最長の在留期間である「5年」が一律に付与されますが、最初から5年間の在留資格が認められることはなく、1~3年の在留期間が許可された後に、更新を行うことで期間が延びていきます。
※通常は、在留資格ごとで「5年・3年・1年・4カ月・3カ月」と在留期間が異なります。


③在留歴に係る永住許可要件の緩和

永住許可は日本における10年以上の在留期間が必要です。ただし、高度外国人材としての活動を引き続き3年間行っている場合や、高度外国人材の中でも特に高度と認められる方(80点以上の方)については、高度外国人材としての活動を続けて1年間行っている場合、永住許可の対象となります。

永住許可要件の緩和の詳細はこちらをご覧ください。

https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyukan_nyukan50.html

④配偶者の就労制限緩和

家族滞在ビザで在留する外国人は、資格外活動許可を取得していなければ、原則、就労できません。配偶者としての在留資格を持つ在留外国人が、在留資格「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「興行(演劇等の活動以外の芸能活動)」に該当する活動に就く際、学歴・職歴など一定の要件を満たす必要があります。一方、高度外国人材の配偶者については上記の要件を満たさずとも、これらの在留資格に該当する活動を行うことができます。


⑤一定の条件下における親の帯同の許容

現行制度では、就労目的の在留資格で在留する外国人の親の受け入れは許可されませんが、 (1)高度外国人材又はその配偶者の7歳未満の子(養子を含む)を養育する場合

(2)高度外国人材の妊娠中の配偶者又は妊娠中の高度外国人材本人の介助等を行う場合

このような場合については、一定の要件下で、高度外国人材又はその配偶者の親(養親を含む)の入国・在留が認められています。
一定の条件下での親の帯同の許容について、主な要件は以下の通りです。

(1)高度外国人材の世帯年収※が800万円以上であること
※高度外国人材本人とその配偶者の年収を合算したもの
(2)高度外国人材と同居すること
(3)高度外国人材又はその配偶者のどちらかの親に限ること


⑥一定の条件下における家事使用人の帯同の許容

外国人の家事使用人の雇用は、在留資格「経営・管理」「法律・会計業務」などで在留する一部の外国人に対してのみ認められているのに対し、高度外国人材については一定の要件下で外国人の家事使用人の帯同が許可されています。

一定の条件下での家事使用人の帯同の許容について、主な要件は以下の通りです。


(1) 外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用する場合の条件(入国帯同型)
  • 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
  • 帯同できる家事使用人は1名まで
  • 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
  • 高度外国人材と共に本邦へ入国する場合は、帯同する家事使用人が本邦入国前に1年以上当該高度外国人材に雇用されていた者であること
  • 高度外国人材が先に本邦に入国する場合は、帯同する家事使用人が本邦入国前に1年以上当該高度外国人材に雇用され、かつ、当該高度外国人材が本邦へ入国後、引き続き当該高度外国人材又は当該高度外国人材が本邦入国前に同居していた親族に雇用されている者であること
  • 高度外国人材が本邦から出国する場合、共に出国することが予定されていること

(2) (1) 以外の家事使用人を雇用する場合(家庭事情型)
  • 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
  • 帯同できる家事使用人は1名まで
  • 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
  • 家庭の事情(申請の時点において、13歳未満の子又は病気等により日常の家事に従事することができない配偶者を有すること)が存在すること

(3) 投資運用業等に従事する金融人材が家事使用人を雇用する場合(金融人材型)
  • 金融人材の世帯年収が1,000万円以上あること
  • 帯同できる家事使用人は2名まで(ただし、2名の場合は、世帯年収が3,000万円以上の場合に限る)
  • 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること

⑦入国・在留手続の優先処理

高度外国人材に対する入国・在留審査は、優先的に早期処理が行われます。

  • 入国事前審査に係る申請については申請受理から10日以内を目途
  • 在留審査に係る申請については申請受理から5日以内を目途

提出資料等の詳細を確認する必要がある場合などについては、目処とされる審査期間を超える場合があります。

「高度専門職2号」の場合

高度専門職2号とは、高度専門職1号で3年以上活動した高度外国人材が申請できる在留資格で、高度専門職1号で認められる活動のほかに、併せて就労に関する在留資格で認められるほぼ全ての活動を行うことができます。在留期間は永住者と同じく無期限となります。


特別高度人材制度(J-Skip)

2023年4月より、特別高度人材制度(J-Skip)が導入されました。これまでの高度人材ポイント制とは別に、学歴又は職歴と、年収が一定水準以上であれば高度専門職の在留資格を与え、特別高度人材として現行より拡充した優遇措置を認めることになります。詳細についてはこちらを確認してください。

https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri01_00009.html

5. まとめ

今回は高度人材の定義や高度人材ポイント制の概要、優遇措置について解説しました。
高い技術や専門的な知識をもつ高度人材は、今後、単なる労働者の確保のみならず日本企業が世界で活躍するために必要な人材ではないでしょうか。
高度人材の受け入れを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

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