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ホテル・宿泊業で外国人を雇用できる技人国ビザと業務範囲

ホテル・宿泊業で外国人労働者を雇用する際は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(以下、技人国)について確認しましょう。
在留資格「技人国」で従事できる業務範囲のルールについては、清掃・ベッドメーク などの単純労働での雇用は対象外となっていますので、併せて確認しましょう。

本記事では、ホテル・宿泊業で外国人を雇用できる「技人国」について解説していきます。

CONTENTS

  1. 1.ホテル・宿泊業で外国人を雇用できる在留資格「技人国」とは?
  2. 2.「技人国」で外国人を雇用できるホテル・宿泊業3つの業務
  3. 3.ホテル・宿泊業での在留資格「技人国」の許可事例
  4. 4.ホテル・宿泊業での在留資格「技人国」の不許可事例
  5. 5.まとめ

1.ホテル・宿泊業で外国人を雇用できる在留資格「技人国」とは?

在留資格「技術・人文知識・国際業務」は名称が長いので通称「技人国(ギジンコク)」と呼ばれています。海外のワーキングビザに相当する在留資格(ビザ)のことで、「特定技能」のような人手不足を解消するための在留資格ではありません。

1-1.在留資格「技人国」とは

大学などで学んだ知識や実務経験を生かすことで、日本での就労を可能とする在留資格が「技人国」です。取得条件には学歴・職歴が問われ、単純労働の業務(いわゆる現業)では雇用できません。

つまり、ホテル・宿泊業では「技人国」を取得している外国人労働者に清掃やベッドメークなどに従事させることはできません。

「技人国」で雇用できる業務内容

「技人国」では外国人労働者が母国や日本で学んだ知識、仕事での経験を元にした業務のほか、母国の文化や言語に関連する業務であれば雇用可能です。専門性を求めない業務や、学歴・職歴・文化などと関連しない業務では就労不可となります。

ホテル・宿泊業の場合、通訳など外国語を用いる仕事を主業務とする「ホテルマン」などが当てはまります。

2.「技人国」で外国人を雇用できるホテル・宿泊業3つの業務

「技人国」では外国人労働者が母国や日本で学んだ知識、仕事での経験を元にした業務のほか、母国の文化や言語に関連する業務であれば雇用可能です。専門性を求めない業務や、学歴・職歴・文化などと関連しない業務では就労不可となります。

ホテル・宿泊業の場合、通訳など外国語を用いる仕事を主業務とする「ホテルマン」などが当てはまります。

フロント業務

主に外国人旅行者に対する宿泊予約、レセプション対応や観光・ビジネス情報の提供、会計業務などを担当します。

雇用の際に注意したいのは、外国人宿泊客がいないホテルや、ほぼ英語圏からの外国人宿泊客なのに、英語が話せない外国人労働者を採用するなど、外国人対応の重要性が低い場合です。「技人国」の申請要件に合致しないので、許可されない可能性が高くなります。

事務・営業

「技人国」の在留資格を取得すれば、事務や営業などのオフィス業務にも従事できます。しかし、これらの業務は日本人でも携われる内容なので注意が必要です。

「技人国」の在留資格の申請時には、海外の旅行会社との交渉(通訳・翻訳)、外国人旅行者への宣伝活動、従業員への外国語指導、外国語版ウェブサイトの作成や館内の多言語化表示への対応など、外国人であることが求められる具体的な業務内容を示す必要があります。具体例を示せない場合も、不許可になる可能性があります。

支配人・マネージャー業務

一定の学歴や職歴が求められる、ホテルの支配人・マネージャー業務も「技人国」の在留資格を取得していることが雇用の条件となります。ただし、報酬は日本人が従事する場合と同等額以上でなければなりません。

報酬に関しては、支配人などマネジメントに従事する外国人労働者だけでなく、フロント業務、事務・営業などに従事する外国人労働者全般にも当てはまる要件となります。

3.ホテル・宿泊業での在留資格「技人国」の許可事例

ホテル・宿泊業における在留資格「技人国」での外国人労働者の雇用可能な業務について解説してきましたが、ここでは具体的に在留資格「技人国」を取得する場合の許可事例を、出入国在留管理庁の資料から確認してみましょう。※事例は一例となります。


  • 本国において大学の観光学科を卒業した者が、外国人観光客が多く利用する本邦のホテルとの契約に基づき、月額約22万円の報酬を受けて、外国語を用いたフロント業務、外国人観光客担当としてのホテル内の施設案内業務などに従事するもの

  • 本国において大学を卒業した者が、本国からの観光客が多く利用する本邦の旅館との契約に基づき、月額約20万円の報酬を受けて、集客拡大のための本国旅行会社との交渉に当たって通訳・翻訳業務、従業員に対する外国語指導の業務などに従事するもの

  • 本邦において経済学を専攻して大学を卒業した者が、本邦の空港に隣接するホテルとの契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、集客拡大のためのマーケティングリサーチ、外国人観光客向けの宣伝媒体(ホームページなど)を作成するなどの広報業務に従事するもの

  • 海外のホテル・レストランにおいてマネジメント業務に10年間従事していた者が、国際的に知名度の高い本邦のホテルとの契約に基づき、月額60万円の報酬を受けてレストランのコンセプトデザイン、宣伝・広報に係る業務に従事するもの

以上のように、外国人であることの必要性と、日本人と同等もしくはそれ以上の報酬を提示していることが、取得許可のポイントになっています。

4.ホテル・宿泊業での在留資格「技人国」の不許可事例

次に取得不許可となった事例を確認します。やはり「技人国」に該当しない業務での雇用や、日本人と報酬が異なる場合に不許可となっています。


  • 本国で日本語学を専攻して大学を卒業した者が、本邦の旅館において、外国人宿泊客の通訳業務を行うとして申請があったが、当該旅館の外国人宿泊客の大半が使用する言語は申請人の母国語と異なっており、申請人が母国語を用いて行う業務に十分な業務量があるとは認められないことから不許可となったもの

  • 本邦で商学を専攻して大学を卒業した者が、新規に設立された本邦のホテルに採用されるとして申請があったが、 従事しようとする業務の内容が、駐車誘導、 レストランにおける料理の配膳・片付けであったことから、「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に従事するものとは認められず不許可となったもの

  • 本邦で法学を専攻して大学を卒業した者が、本邦の旅館との契約に基づき月額約15万円の報酬を受けて、フロントでの外国語を用いた予約対応や外国人宿泊客の館内案内などの業務を行うとして申請があったが、申請人と同時期に採用され、 同種の業務を行う日本人従業員の報酬が月額約20万円であることが判明し、額が異なることについて合理的な理由も認められなかったことから、報酬について日本人が従事する場合と同等額以上と認められず不許可となったもの

  • 本邦の専門学校において服飾デザイン学科を卒業し、専門士の称号を付与された者が、本邦の旅館との契約に基づき、フロントでの受付業務を行うとして申請があったが、専門学校における専攻科目と従事しようとする業務との間に関連性が認められないことから不許可となったもの

5.まとめ

在留資格「技人国」を活用することで、ホテル・宿泊業で外国人労働者を雇用することは問題ありません。ただし、雇用するためには「技人国」で認められている条件、業務範囲であることが求められます。

インバウンド需要に応えるための人材確保であれば問題がない在留資格「技人国」ですが、清掃やベッドメークなどの単純作業や幅広い業務で雇用する場合は「特定技能」など、他の在留資格で外国人労働者を雇用することを検討しましょう。

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