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【技能実習生採用の極意】優良な監理団体の選び方

実習生採用方法と監理団体の役割

企業が技能実習生を採用するためには2つの方法があります。

1. 企業単独型
日本の企業が海外の現地法人や合弁企業、取引先企業の常勤職員を受け入れて、技能実習を直接行うパターン。大手企業に限られるため、このアプローチは全体の3〜5%しか占めない。
2. 団体監理型
日本の「監理団体」が窓口となり、現地の送り出し機関を通じて技能実習生を採用するアプローチ。実習生採用の95%以上がこの形式を採用。以下の非営利団体が監理団体である。
  • 商工会議所・商工会
  • 中小企業団体
  • 職業訓練法人
  • 農業協同組合・漁業協同組合
  • 公益社団法人・公益財団法人など

ほとんどの企業は監理団体を通じて採用活動を行うため、技能実習生の採用が成功するかどうかは「優良な監理団体と出会えるかどうか」が大きなポイントとなります。

特定と一般の区別

それでは、優良な監理団体を選ぶにはどうすればいいのでしょうか?

まず、監理団体の事業には2種類あります。

① 特定監理事業
② 一般監理事業

この2つはどう違うのでしょうか?

簡単に言えば、一般監理事業の許可認定を受けた監理団体が優良な監理団体です。ただし、特定監理事業が悪いというわけではなく、このような区別があることを知っておきましょう。

一般監理事業の許可認定を受けるためには特定監理事業よりも基準が厳しく、以下の5つの要件を満たす必要があります。これは120点満点で評価され、そのうちの6割以上を獲得すると、優良な監理団体の基準に達していると見なされます。

① 団体監理型技能実習の実施状況の監査やその他の業務を行う体制

  • 監理団体が行う定期の監査について、その実施方法・手順を定めたマニュアルなどを策定し、監査を担当する職員に周知していること
  • 実習実施者の技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員等に対して毎年、研修を実施したり、マニュアルを配布したりするなどの支援を行っていること
  • ② 技能などの修得などに関わる実績
  • 過去3年間の基礎級程度の技能検定などの学科試験および実技試験の合格率(旧制度の基礎2級程度の合格率を含む)
  • 過去3年間の2〜3級程度の技能検定などの実技試験の合格率など
  • ③ 法令違反・問題の発生状況
  • 直近過去3年以内に傘下の実習実施者に不正行為がないこと(監理団体が不正を発見して外国人技能実習機構〔旧制度では地方入国管理局〕に報告した場合を除く)
  • 直近過去3年以内における失踪がゼロ、または失踪の割合が低いこと(旧制度を含む)
  • ④ 相談・支援体制
  • 技能実習の継続が困難となった技能実習生(ほかの監理団体傘下の実習実施者で技能実習を行っていた者に限る)に引き続き技能実習を行う機会を与えるため、受け入れに協力し、外国人技能実習機構に登録していることなど
  • ⑤地域社会との共生
  • 地域社会との交流を行う機会をアレンジしている実習実施者を支援していること  (参考:21世紀マンパワー事業協同組合「優良な監理団体の要件」)

技能実習3号まで取り扱えるのは一般監理事業のみ

特定監理事業では、技能実習1号(1年目)・2号(2~3年目)のみを監理することができるのに対し、第3号の監理を行えるのは一般監理事業だけ。よって、技能実習生受け入れの際に技能実習3号まで移行することを検討している企業は、優良監理団体から技能実習生を受け入れる必要があります(なお、技能実習3号を受け入れるには、受け入れ企業側も優良実習実施者の認定を受けていることが条件です)。

また、優良な監理団体は次の2つの優遇措置を受けることができます。

  • 実習期間の延長(3年間から5年間受け入れ、いったん帰国が必要)
  • 受入れ人数の拡大(常勤従業員の数に応じて最大10%まで)

監理団体の見極め方

良い監理団体を探し出すには、5つのポイントがあります。

  1. 対象職種や送り出し国などが希望にあっているか それぞれの監理団体は、送り出し国や対象職種、許可期限日、介護職種の有無などが決められています。 外国人技能実習機構のウェブサイトを見るなどして、自分のニーズと合っているかどうかを確認しましょう。
  2. 一般監理事業を扱う団体か 前述の通り監理団体には一般監理事業と特定監理事業の2種類があり、一般監理事業団体は高い水準を満たしていると認められています。数々の監査を受け、違反もない団体しか認定されません。なお、介護職はたくさんの条件を満たさなければならないため、同職を扱っている団体の多くは優秀でしょう。
  3. 日本語教育システムが確立しているか・他の言語を話せる職員はいるか 技能実習生は来日してから2か月間ほど日本語や日本での生活について学ぶ期間(入国後講習)があり、この期間の過ごし方によって技能実習を円滑に進められるかどうかが変わるかもしれません。 そのため、監理団体で来日後の日本語教育システムが確立しているか、実習生が母国語でコミュニケーションを取れる職員がいるかどうかも大きなポイントです。
  4. 技能実習法について正しい知識を持っている専門家がいるか 技能実習関連の法令はたびたび変わります。技能実習生採用にはたくさんの書類作成と手続きが必要で、細かく複雑な手続きをスムーズに行うためにも、法改正を熟知し、きちんと書類作成ができる専門家がいると安心です。
  5. 技能実習生の受け入れ実績がどのくらいあるか 経験が多い方が、いろいろなパターンについて熟知しておりトラブルを避けやすくなります。

なかには怪しい監理団体も

技能実習法が目指したのは、実習生の保護を強化することや不適切な派遣会社への処罰を厳しくすることでした。厚生労働省は監視体制を強化していますが、企業自身も監理団体を見分ける力を養う必要があるでしょう。注意すべき監理団体には以下のような特徴があります。

  • 技能実習生を単なる労働力とみなし、住居や賃金などで差別する
  • 所得隠しを行う
  • 嘘の実習記録を提出する
  • 日本語教育や、技術の継承を行わない

2018年12月には、兵庫県加西市の監理団体が、虚偽の実習記録を提出したとして全国で初めて許可を取り消されました。しかし、その後も所得隠しなどの不正行為をする監理団体が後を絶ちません。

監理団体は、海外から夢を持って日本を訪れる技能実習生を受け入れる大切な窓口であり、日本での技能実習をより良いものにするための重要な役割を担っています。それだけに、受け入れ企業は慎重に監理団体を選ぶべきでしょう。

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