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外国人留学生採用における法的リスクとその回避策

元入管職員の女性社労士がお届けする
~タイムス大学 外国人雇用のいろは講座⑦~

プロフィール 石野 明紀葉 先生
熊本大学法学部を卒業後、法務省福岡入国管理局にて外国人の入国・在留審査に従事。その後、地元に戻り、出産・育児を経て鹿児島大学や就労支援施設で事務職や助成金申請業務に携わりながら、行政書士および社会保険労務士の資格を取得。現在は法律事務所での勤務と並行して、Kiire社会保険労務士事務所を運営し、外国人雇用や在留資格に関する労務相談、障害年金請求を専門に、企業や個人への法的サポートを提供しています。

先生:今日は、外国人留学生を採用する際の注意点についてお話しします。特に、外国人の場合、日本人の雇用では問題とならない業務内容や部署異動が、在留資格違反となるリスクがあることに注意が必要です。



生徒:それはどういうことですか?具体的に教えてください。

先生:外国人社員が「技術・人文知識・国際業務」などの専門的な在留資格を持っている場合、その資格に合わない部署に配置され、業務にあたっていると、資格外活動とみなされることがあります。たとえば、専門性の高い在留資格を持っている外国人を、一般事務などの職務に配置すると、法的な問題が生じる可能性があります。

生徒:そのリスクはどのように避けると良いでしょうか?

先生:まず、採用時に業務内容と在留資格が一致しているか確認することが大切です。また、面接で外国人社員が持っている在留資格と、その業務内容が適合するかをチェックします。日本人の場合、経歴や資質(資格)、能力だけで判断すれば良いですが、外国人の場合は、入管手続きの観点からも問題がないかを確認しなければなりません。



また、雇用契約書には「本契約の効力は、就労可能な在留許可を得ることを停止条件とする」という文言を入れておくことをお勧めします。これにより、在留資格を取得することが前提であることが契約上明確となり、もし在留資格に関する問題が発生した場合にも対応しやすくなります。

生徒:契約書は重要な役割を果たしますからね!

先生:その通りです。また、入管法や労働法は頻繁に改正されるので、企業としては最新情報を常に把握することが大切です。法律が改正された場合、すぐに対応できるよう専門的なサポートを活用することも重要です。行政書士や社労士のサポートを受けると、常に最新の法令に基づいた対応ができますよ。

生徒:法改正まで逐一、把握しておくのは難しいですもんね…。

先生:その通りです。さらに、外国人社員が長期的に定着できる環境を整えるためには、文化や言葉の違いにも配慮した対応が求められます。たとえば、外国人社員が業務内容を理解しやすいようより丁寧に説明することや、文化的背景を考慮した対応を適宜行うことが重要です。

生徒:外国人社員が安心して長く働ける環境が整うと、定着率の向上にもつながりますよね?

先生:そうですね。小さな配慮や環境整備が後に企業にとって大きな利益を生むことになりますからね。



今日の授業のまとめ
・採用時に業務内容と在留資格が一致しているかを確認する
面接で外国人社員が持っている在留資格とその業務内容が適合するかをチェックしておくと、資格に合わない部署に配置され法的問題が生じるリスクを避けることができる。

・雇用契約書への明記
雇用契約書には「本契約の効力は、就労可能な在留許可を得ることを停止条件とする」という文言を入れておくこと、その後のトラブルに対応しやすくなる。

・専門家のサポートの活用
行政書士や社労士のサポートを受けると、常に最新の法令に基づいた対応ができる。

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