人手不足を外国人ドライバーが救う!
【運送業の皆さま必見】外国人ドライバー採用の注意点、必要な就労ビザは?(前編)
在留資格「特定技能」
2025.06.09

外国人ドライバーの採用、不安?
外国人ドライバー採用の注意点、必要な就労ビザは?(前編)
登場人物
株式会社キャムグローバル ビジネスソリューショングループ
マネージャー 鮫島 慎吾

入社後キャムコムグループの人材紹介・派遣部門で新規顧客の開拓、既存のお客様の採用活動、採用後のフォローを担当。その後、エリアマネージャーを経て、同グループキャムグローバルの立上げメンバーとしてビジネスソリューショングループ マネージャーに着任。
現在、外国人雇用に関する商材の開発や外国人材を採用する企業の課題解決を行っている。
株式会社キャムグローバル ビジネスソリューショングループ
コンサルタント 宮下 伊能

入社後、製造事業部(仙台店)にて勤務した後、海外事業推進部メディア・プロダクトチームへ合流。人材不足の企業様へ外国人人材の活用コンサルティング事業を経験し、現在は外国人人材に特化した求人サイトの運用/営業に加え、特定技能 自動車運送業分野における人材育成、提案スキーム構築を行っている。
株式会社東京デザインアーツ 編集部
ライティング/メディア/オーガニック集客担当 兼海外人材タイムス編集長 渡邉 泰輔

メディア運営責任者として中途入社。海外人材タイムスの運用、メディア関連商品企画、
オーガニック集客を担当している。
渡邉
今回は、今話題の外国人ドライバー就労における諸問題や解決策について、前後編でお届けします。
前編は、少子高齢化を迎えた日本と物流業界の概況、外国人ドライバーに必要な資格や外国人ドライバー採用において雇用主が気をつけること、雇用後のライフサポートについて、後編は(株)キャムグローバルの外国人ドライバーの育成・採用事業の取り組み、外国人ドライバーの受け入れに際して行う手続きの流れについてお話を伺っていきます。

人手不足の日本!どうする?どうなる?
━少子高齢化は進むばかり、外国人労働者が頼みの綱
渡邉日本の人手不足は、少子高齢化が主な要因といわれていますが、まずは雇用現場の最前線にいらっしゃる大山さんの所感をお聞かせください。
大山
例えば、 2025年を迎えた今年、国民の5人に1人が後期高齢者(75歳以上)の超高齢化社会を迎えるといわれており、雇用、医療、福祉など経済や社会に深刻な影響を及ぼすことが問題視されています。また、日本の人口は近年減少局面を迎えており、労働力人口(15歳から64歳までの年齢層)が減少しているのに対し、労働力人口に占める65歳以上の人口比率は上昇する事態に陥っています。
高齢化社会の進行により、今後あらゆる産業の人材不足と従業員の採用競争の激化が予想されますが、特に深刻なのは製造業、建設業、介護業などでの人手不足でしょう。これらの業界は、低賃金に加えて体力的な負担や長時間労働などが課題となり、若い世代に敬遠されがちな職業です。都市部ではITや営業職などの専門職における人手不足も見られ、若年層の労働力の減少に加え、非正規雇用の増加や労働環境の問題、ひいては慢性的な人手不足が社会全体に大きな影を落としています。
渡邉
そうした事態に際し、外国人労働者の受け入れが加速しているんですね?
鮫島
まずは物理的に「人(人手)を確保しなければ!」ということで、外国人でも日本で働きたい人を募ろうと考えたわけです。ただし、後述しますが文化や言語の壁といったコミュニケーション面の問題、仕事(労働)や住環境に対する考え方、価値観の違いなど、問題は山積みです。
それから、最新の公式データ(2023年10月末時点)によると、外国人労働者数は約205万で対前年増加率は 12.4 %と前年の 5.5 %から 6.9 ポイント上昇しています。

参考https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37084.html?utm_source=chatgpt.com

例えば、2024年6月末時点の特定技能1号の在留者数は約25万人で、2019年の制度開始以降で過去最多を更新しています。
参考https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00215.html
物流業界の現状は?
━人手不足の打開策として「外国人労働者」受け入れも
渡邉物流業界における労働力不足は、日本の経済活動において深刻な課題であると耳にしますが具体的にどのような問題が起きているのでしょうか。
鮫島
日本では、特にトラックドライバー不足が顕著ですね。
渡邉
最近はECの発達などもあり、日用品からファッション、インテリアに至るまで、個人がインターネットを介して買い物をする機会が各段に増えたと感じます。
鮫島
そうですね。でも、だからといって店舗による売買が減ったわけではありません。単に、選択肢が増えたため利用者がその時々に応じて都合良く買い物ができるようになったというのが実情でしょう。

渡邉
我々が便利になったことと引き換えに、トラックドライバーの皆さんの仕事を増やしてしまったとも言えそうですね。
大山
トラックドライバー不足は、物流業界の基盤を揺るがす一大事です。しかし、若者の労働力減少に歯止めがかからず高齢化したドライバーが引退する中で、新たな人材の確保が難しくなっています。加えて、物流業界は長時間労働や過酷な労働環境が問題視されており、これが若年層の参入を阻んでいる要因ともいわれています。
中でもトラックドライバーは労働条件が厳しく、長時間の運転やそれに伴うリスク、荷物の積み下ろし作業といった体力仕事が続くことから業界内での離職率が高く、さらに新たなドライバーの育成にも時間とコストがかかるため、慢性的な人手不足が続いています。
渡邉
ドライバー不足は配送遅延やコストの増加につながるので、企業の競争力にも影響を与えてしまいそうですね。
鮫島
その通りです。ですから、政府としてもドライバー不足問題解消のため2024年9月に「自動車運送業分野」を特定技能制度の対象に追加しました。要するに、介護、建設や農業などの12分野に加えて自動車運送業分野においても外国人労働者の受け入れ枠を拡大していくことにしたのです。この変更により、トラック、バス、タクシーの運転手として外国人の雇用が可能となりました。去る2024年12月4日には特定技能1号評価試験の受付が開始されたので、現場では外国人労働者の受け入れ環境の整備が急務となっています。
物流業界の今後の見通しは?
━外国人ドライバーは増える?外国人ドライバーになるために必要な資格や条件は?
渡邉ズバリ、外国人ドライバーは増えるでしょうか?
大山
増えるでしょうね。一方で、日本で外国人ドライバーが増えない可能性もないとは言い切れません。まずは日本での就労という意味で会社、私生活共に日本の文化、風土の中で適応していけるかの問題があるでしょう。ドライバーという仕事に言及すれば、言語や文化の壁、運転免許の取得における難易度などが障壁となり、外国人の参入が難しい場合が考えられます。また、日本独特の交通ルールや意識、道路環境に関し、外国人ドライバーが安全に運転するための教育や研修が必要となり、そのコストや手間が増加する可能性もあります。
鮫島
ちなみに、外国人が特定技能を使ってドライバーとして働くには、業務内容によって以下のように必要な資格や条件が変わります。

トラックドライバーとして働くために特定技能1号を取得するには、以下の資格や条件が求められます。
・日本語能力試験でN4レベルの合格
・特定技能1号評価試験に合格
・日本の運転免許(第一種運転免許)の取得
渡邉
日本で働くからには日本語の習得、運転するからには日本の運転免許や試験があるということですね。
鮫島
もちろんです!日本語能力試験(JLPT)によれば、日本語能力試験には難易度別にN1、N2、N3、N4、N5(難易度高1~難易度低5)の5つのレベルが設定されており、N3レベルは日常的な話題に関する新聞やニュース、会話などを理解できるレベル、N4レベルは簡単な日常会話や新聞、身近な話題についてゆっくり話されたニュースなどを理解できるレベルとしています。
渡邉
トラックドライバーの仕事は顧客の応対がない分、日本語レベルが低くても就業可能ということでしょうか。
鮫島
そうなりますね。ただし、外国人がトラックドライバーとして就業するには、まず外免切替を利用して普通自動車運転免許を取得するのが一般的なステップで、その後、日本の道路交通法に従い一定期間の運転経験を積み、中型や大型自動車の免許を取得します。
さらに、特定技能1号評価試験ではトラックドライバーに必要な「運行業務」や「荷物の積み下ろし(荷役業務)」に関する知識が試され、この試験に合格することで特定技能1号の在留資格を取得しトラックドライバーとして働けるようになるので、日本語能力レベルこそ、バスやタクシーのドライバーと同等レベルまで求められずとも、業務に必要な知識、スキル、日本語能力は確実に問われることになります。
昨今の風潮的にちょっと勘違いされている節がありますが「外国人労働者の誰もが簡単にトラックドライバーになれる」ということではありませんので、安心していただければと思います。
物流業界の今後の見通しは?
━外国人ドライバー採用に際して雇用主が気をつけることは?
渡邉では、外国人ドライバーを採用する際に企業が気をつけるべきポイントについて教えてください!

大山
外国人ドライバーを採用する際は、言語や文化の違いに配慮したコミュニケーション環境を整備し、交通法規や安全運転教育を徹底することや生活支援以外にも以下のような注意点があります。
1.在留資格を確認しよう
外国人ドライバーを採用するには、「身分系ビザ(日本人の配偶者や永住者など)」「特定技能1号ビザ」「特定活動46号ビザ」のいずれかが必要です。ただし、特定活動46号はタクシー業務のみが対象です。それ以外のビザで働く場合は不法就労となり、法的な問題が発生する可能性があります。採用前に必ず在留資格を確認し、適切なビザを持っているかを確認することが重要です。
2.特定技能ビザの取得要件を満たしているか
特定技能ビザを取得するには、評価試験と日本語試験に合格する必要があります。評価試験は、職務に必要な知識や技術を確認するものであり、日本語試験は職場でのコミュニケーションや安全確保に関する能力を判断します。この基準は、すべての特定技能ビザを取得する外国人労働者に適用されます。
3.日本の自動車運転免許の取得タイミングについて要チェック
特定技能ビザを利用して外国人ドライバーを採用する場合、入国後に日本の運転免許を取得する必要があります。トラックドライバーは最長6ヶ月、バスやタクシードライバーは最長1年間の「特定活動期間」の中で免許を取得しなければなりません。この期間内に免許が取得できないと、ビザの延長ができなくなり、特定技能ビザの取得も不可能になります。既に日本に住んでいる場合も、ビザ変更申請前に免許を取得しておく必要があるので、本人に状況を確認しておきましょう。
4.受け入れ企業の要件
外国人ドライバーを受け入れる企業は、いくつかの要件を満たさなければなりません。例えば、道路運送法に基づいて自動車運送業を営んでいることや、自動車運送業分野特定技能協議会のメンバーであることが求められます。また、「運転者職場環境良好度認証制度」や「Gマーク制度」の認証を受けた事業所を持っている必要もあります。これらの要件を満たすことで、外国人ドライバーが安心して働ける環境を提供しているとみなされます。
5.同一労働同一賃金の遵守
外国人ドライバーを採用する場合、労働条件は日本人ドライバーと同等である必要があります。これは「同一労働同一賃金」の原則に基づいており、外国人労働者に対する低い給与や不公平な待遇は法律で禁止されています。給与、福利厚生、休暇など、全ての面で平等に扱うことが重要です。賃金面は特にトラブルになりやすい項目のため、注意が必要です。
外国人ドライバーを採用するには、「身分系ビザ(日本人の配偶者や永住者など)」「特定技能1号ビザ」「特定活動46号ビザ」のいずれかが必要です。ただし、特定活動46号はタクシー業務のみが対象です。それ以外のビザで働く場合は不法就労となり、法的な問題が発生する可能性があります。採用前に必ず在留資格を確認し、適切なビザを持っているかを確認することが重要です。
2.特定技能ビザの取得要件を満たしているか
特定技能ビザを取得するには、評価試験と日本語試験に合格する必要があります。評価試験は、職務に必要な知識や技術を確認するものであり、日本語試験は職場でのコミュニケーションや安全確保に関する能力を判断します。この基準は、すべての特定技能ビザを取得する外国人労働者に適用されます。
3.日本の自動車運転免許の取得タイミングについて要チェック
特定技能ビザを利用して外国人ドライバーを採用する場合、入国後に日本の運転免許を取得する必要があります。トラックドライバーは最長6ヶ月、バスやタクシードライバーは最長1年間の「特定活動期間」の中で免許を取得しなければなりません。この期間内に免許が取得できないと、ビザの延長ができなくなり、特定技能ビザの取得も不可能になります。既に日本に住んでいる場合も、ビザ変更申請前に免許を取得しておく必要があるので、本人に状況を確認しておきましょう。
4.受け入れ企業の要件
外国人ドライバーを受け入れる企業は、いくつかの要件を満たさなければなりません。例えば、道路運送法に基づいて自動車運送業を営んでいることや、自動車運送業分野特定技能協議会のメンバーであることが求められます。また、「運転者職場環境良好度認証制度」や「Gマーク制度」の認証を受けた事業所を持っている必要もあります。これらの要件を満たすことで、外国人ドライバーが安心して働ける環境を提供しているとみなされます。
5.同一労働同一賃金の遵守
外国人ドライバーを採用する場合、労働条件は日本人ドライバーと同等である必要があります。これは「同一労働同一賃金」の原則に基づいており、外国人労働者に対する低い給与や不公平な待遇は法律で禁止されています。給与、福利厚生、休暇など、全ての面で平等に扱うことが重要です。賃金面は特にトラブルになりやすい項目のため、注意が必要です。
外国人労働者受け入れは難しい?就労・生活面などのサポートが必要
━そんなときにはmintoku for biz!
就業後の支援について不安がある方は、ぜひmintoku for bizをご活用ください。本サービスは「TECH(クラウドサービス)」「JOB(労務代行サービス)」「LIFE(外国人生活支援サービス)」「LEGAL(専門家無料相談サービス)」の4つを軸に、外国人材活用におけるきめ細やかなサポートを提供し、日本での就業を円滑に進めるためのサービスです。とりわけ自動車運送業分野においては、新制度ゆえに解釈の揺れが生じてしまい正確な情報をキャッチすることが難しいケースが少なくありません。外国免許の切替をはじめとする免許制度の解釈や自動車運送業ならではの提出物など制度理解が難しい分野ですので、解禁直後の今だからこそ、正確な知識を取得する手助けを行います。
また、業務上、決まった場所で仕事をせず各地を回るドライバーに対しては、定着率向上に向けたサポート体制の充実が肝要です。
支援機関として87拠点を構える(株)キャムグローバルであれば、広範なエリアで充実のサポートを提供できます。ぜひ、外国人ドライバー採用を検討中の方はご活用ください!
終
後編へつづく
外国人採用に関するオンライン無料相談やってます!
- 雇用が初めてなのですが、私たちの業務で採用ができますか?
- 外国人雇用の際に通訳を用意する必要はありますか?
- 採用する際に私たちの業務だとどのビザになりますか?
- 外国人の採用で期待できる効果はなんですか?
上記に当てはまる企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
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