【これだけは押さえたい】特定技能ビザとは?
2021.01.27
外国人を採用するためのビザの中には「特定技能」があります。これは、深刻な人材不足にあえぐ14の分野——特定産業分野と呼ばれる——が外国人労働者を即戦力として受け入れるために2019年4月に始まりました。一体どんな特徴があるのでしょうか?
技能実習制度と決定的に違うこと
特定技能制度の背景や内容について、出入国在留管理庁は次のように説明しています。
「中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており,我が国の経済・社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきているため,生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において,一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築するために特定技能制度が創設されました。」
引用:出入国在留管理庁『特定技能ガイドブック』
そんな特定技能制度は技能実習制度と決定的に異なることがあります。
技能実習制度は、人材育成を通じて諸外国への技能、技術や知識の移転を図ることで国際協力を推進することを目的とする制度でした。しかし、実習生は原則的に労働することができず、期間も限定的であるため、業界によっては、これで人手不足を補うには不十分です。
そこで生まれたのが、特定技能制度。特定技能ビザの外国人材は、すぐに使える労働力として採用することができるのです。また、この制度が誕生したことによって、技術や日本語が高いレベルに達した技能実習生も、試験に合格すれば、特定技能に移行することができるようになり、日本で働き続けることができるようになりました。
特定技能ビザが認められている14業種とは
技能実習制度と同様に、特定技能ビザでも採用できる業種が特定されています。2021年1月現在では、人手不足が深刻な以下の14職種が対象になっています。
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
- 建設業
- 造船・船用業
- 自動車整備業
- 航空業
- 宿泊業
- 農業
- 漁業
- 飲料食品製造業
- 外食業
特定技能は当初、5年間で最大34万5000人程度の外国人労働者の受け入れを見込んでいました。新型コロナウイルスなどの影響で、特定技能ビザは計画通りに増えていない模様ですが、最近では増加の兆しは見られます。今後の動向に注目です。
【関連記事】
ゆっくり増えています!「特定技能ビザ」の過去と現在
【出典】
出入国在留管理庁『特定技能ガイドブック』
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