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2019年4月にスタートした特定技能ビザの現状は?初年度の受け入れ達成率は20%以下

人手不足の業界待望の「特定技能ビザ」とは?

「特定技能ビザ」は、深刻な人手不足に対応するために、特定産業分野において、一定の専門性・技能を有した外国人を受け入れるためのビザです。今まで日本の労働不足を補っていた「技能実習制度」は、制度上は人材育成を通じて諸外国への技能、技術や知識の移転を図ることで国際協力を推進する「実習」のため、滞在期間に制限があり、「即戦力になったらすぐに実習期間が終了」ということがありました。

そういった声を元に、技能実習を3号まで終え一定の基準を満たした人は、「就労ビザ」である特定技能ビザへ移行することができるようになりました。

これは、「少しでも長く働いてもらいたい」という人手不足の業界と、「長く日本で働きたい」という外国人の需要と供給がマッチしたもので、スタート前から期待が大きかった制度です。

初年度の特定技能ビザの受け入れの現状

当初の受け入れ目標の20%以下

2019年4月在留資格「特定技能」の導入から2020年4月末までの約1年間で、日本で働く特定技能外国人の人数は、4,496人、6月末で5,950人です。政府の当初の受け入れ目標は、最大47,550人という人数を設定していましたが、これに対して現状は、目標に対して「約15%」と大幅に未達となりました。

その原因は、法案の成立から施行までの期間が3ヵ月と準備期間が短かったために国内及び海外の国々の制度整備が間に合わなかったことです。とくに大きな影響を受けたのは送出し国の体制が整わなかったことです。

当初の受け入れが進まない理由はコロナと質の悪い送り出し機関

さらに当初予定していた特定技能の外国人労働者の目標数を受け入れることができなかった原因として「新型コロナウイルス感染拡大」影響があります。やっと整備が整い始め、本格的に来日が始まろうとしたタイミングでコロナが起き、来日を予定していた多くの外国人が来ることができなくなってしまいました。

また送り出し国の体制の準備が思ったように整わなかったのは、送り出し国によって労働者の送り出し手続きが異なること、送り出し機関の介在の有無や役割が各国政府によって個別に規定されており複雑なことが要因の一つです。

とくに特定技能の送り出し国として最も期待していた「ベトナム」ですが、特定技能の資格取得のための試験がいまだに実施されていない状況です。(2021年1月現在)

それには、「悪質ブローカーの排除」を求める日本政府側の要請に対して、ベトナム政府は簡単には応じようとしないことが一因です。ベトナム政府関係者が送り出し機関に関与しており簡単には取り締まることができないという国の事情があります。

現在の特定技能の内訳は

現在の特定技能外国人の分野別を見てみると技能実習生が多い分野の飲食料品製造や農業、産業機械製造業の分野が先行して上位を占めています。また、特定技能の活用が最も期待されていた介護については、3月末より3倍の170人の受入れがあり、ようやく動き出してきています。

【特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数(割合)】

  1. 飲食料品製造業  2,094人(35.2%)
  2. 農業        930人 (15.6%)
  3. 外食業       607人(10.2%)
  4. 産業機械製造業  561人 (9.4%)
  5. 素形材産業    537人 (9.0%)
  6. 建設        374人(6.3%)
  7. 電気・電子情報関連工業  268人(4.5%)
  8. 造船・舶用工業分野  175人(2.9%)
  9. 介護分野       170人(2.9%)
  10. ビルクリーニング分野  84人(1.4%)
  11. 漁業分野        55人(0.9%)
  12. 自動車整備分野     54人(0.9%)
  13. 宿泊分野        39人(0.7%)
  14. 航空分野         2人(0.03%)

出典:出入国在留管理庁「特定技能1号在留外国人数 令和2年6月末現在 概要版」

鳴り物入りで始まった特定技能ですが、現時点での就労者数は当初の設定を大きく下回っています。2020年4月に予定していた海外の試験合格者の来日が、新型コロナウィルスの影響で入国禁止になったという不測の事態に加え、制度上のトラブル(ベトナム送り出し機関の例)などから全く計画通りに進んでいないのが現状です。技術の実習のための次の働き方として注目を浴びたものの、コロナウィルスの状況も日々変わり、社会・産業構造も変わりるなか、要求される労働者の内容も変わってくる可能性があります。そのため今後の特定技能制度の動きに注目していきましょう。

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