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技能実習で認められている「農業分野」とは?

技能実習で認められている農業分野。技能実習生は日本の農業にとって欠かせない存在になりつつありますが、本稿では、その背景と実習内容、注意点を見てみましょう。

技能実習生が農業分野で認められた背景

2019年の日本国内の農業就業者人口は168万人です。2010年は261万人、その5年後は210万人と、農業就業者は減り続けています。大幅な人口減少の背景にあるのは、農業分野における就業者の高齢化と、慢性的な人材不足。日本は労働力を補うため、外国人の労働力を取り入れることにしました。技能実習制度を活用することにより、日本の農業技術を海外の若者に伝えることで、発展途上国の人材育成に貢献することも期待されています。

日本国内における外国人労働者は増加傾向にありますが、農林水産省によると、農業分野での外国人労働者数も2011年の15,506人から、2018年には約2倍の31,072人にまで増えました。農業分野で従事する外国人労働者のうち、8割以上を技能実習生が占めています。

農業分野の実習内容

農業分野とは具体的に「耕種農業」と「畜産農業」の2職種を指します。

  1. 耕種農業

    耕種農業で対象となる作物

    ・麦や豆などの穀物
    ・綿や麻、油やタバコなどの工芸作物
    ・野菜、果物、草花など

    米は含まれない。

    実習では、これらの作物の栽培作業や、育てた作物を原材料として使う製品の製造・加工・販売作業を行います。作物の構内運搬・梱包・出荷作業なども行い、例えば、果物を材料としたジュースやジャムなどを製造・販売することもできます。

  2. 畜産農業

    畜産農業での実習作業

    ・養豚・養鶏・酪農作業での飼育作業
    ・畜産物を原材料として使用した製品の製造・加工・販売作業
    ・生産物の構内運搬・梱包・出荷作業など

    牛乳を原料としたチーズなどの製造や販売作業も行うことが可能です。

    作業の種類は、施設園芸、畑作・野菜、果樹、養豚、養鶏、酪農の6種類あります。

    ・施設園芸…ビニールハウス等の施設を利用して行う園芸作物の栽培作業
    ・畑作・野菜…畑での周年栽培作業
    ・果樹…果樹園での周年栽培作業
    ・養豚…豚を家畜として飼育する作業
    ・養鶏…採卵鶏の飼育ならびに採卵作業
    ・酪農…乳牛の飼養ならびに牛乳の生産作業

安全に農業に従事するために

農業は自然や生き物を相手にする農業には危険な面もあります。熱中症、虫刺され、農薬の扱いなど、リスクは広範囲に及ぶので、実習生がそれらについて、きちんと理解する必要があります。

しかし、技能実習生は、さまざまな国からやってくるため、言葉も文化も異なります。技能実習生に安全に実習を進めてもらうためには、日本人なら当然わかることでも雇用主が丁寧に教えることが大切です。

日本語がよくわからない場合、絵などを使って説明することもオススメ。また、母国から離れて不安に過ごしている実習生が大半なので、体調管理に困ったときや体調が悪いときは、遠慮なく相談すればよいことも伝えましょう。

また、農業では、機械の扱いや動物との接し方にも危険が伴うほか、熱中症になったり、腰痛などを患ったりするリスクもあります。実習生の健康管理は雇用側の義務でもあるので、最大限の注意を払いつつ、本人に「自分の健康は自分で守る」という自覚を促すことが大事です。

農業従事者が減少の一途をたどる日本において、外国人の技能実習生は日本の未来を担う大切な人材です。言葉や文化の違いを尊重しつつ、実習生の母国と日本の農業の発展を目指しましょう。


【出典】

石田一喜(2020)「コロナ禍における人手不足の背景と対応―農業労働力および農業分野の外国人受入れを中心に―」農林中金総合研究所
https://www.nochuri.co.jp/genba/pdf/otr20200611.pdf

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