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ベトナム人って、人目を気にしないの?【騒音編】
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの見聞録Case9

生活関連

2024.12.11

20XX年。
少子&超高齢社会を迎えた日本。
国内企業は、人材不足解消のため外国人材の活用に活路を見出していることだろう。

しかし、外国人材の活用については、労働環境の整備や異文化理解・コミュニケーションなど、課題であふれている。

果たして、企業が外国人労働者から選ばれるには?

本コラムは、外国人材の背景にある“異文化”への理解の第一歩として読んでいただきたいノンフィクションストーリーです。

キャリアアドバイザー伊能ゆりなの見聞録Case9
ベトナム人って、人目を気にしないの?part.2

私、伊能ゆりなは、日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。

日頃は外国人材を雇用する企業や雇用される外国人の皆さんをサポートするキャリアアドバイザーとして、メンバーとともに全国各地で起こる珍事を紐解き、解決しているのだが(これまでの「青山智香の解明」はこちら)、現在、弊社ではベトナム、インドネシアなど外国人材市場の開拓にも力を入れており、海外での業務も増えてきた。 今回は、ベトナム出張に際して、見聞き、体験した記録を紹介していきたいと思う。

ベトナムコーヒーを楽しむ!

ベトナムコーヒーを楽しみに、カフェに出かけてみた。


ベトナムコーヒーといえば、やっぱりコレ!


ご存知の方も多いかもしれないが、ベトナムはフランスによる植民地時代を経てコーヒー大国となった歴史があり、ベトナムコーヒーといえば、深めに煎った豆をフランス式のフィルターで抽出し、コンデンスミルクを加える飲み方が一般的だ。


アラビカ種のコーヒー豆の木


ちなみに、コーヒー栽培が始まった当初に導入されたアラビカ種は、ベトナムの気候に合わず収穫量を確保できずにいたところ、フランスからロブスタ種が持ち込まれ、これが気候と合ったことから、現在も一大生産地として名を馳せるほどコーヒー栽培が盛んになったといわれている。ただ、ロブスタ種は苦味とクセが強くブラックコーヒーには適さないことから、現地にいたフランス人がミルクを加え飲みやすくしたことがきっかけで、その代用品としてコンデンスミルク(練乳)入りコーヒーが誕生、定着したらしい。

そんなわけで、コーヒー文化の定着と共にカフェ文化が盛んなベトナムで、ベトナムコーヒーを楽しまない手はない!!


ハノイトレインストリートという外国人に人気なレールウェイカフェ


私たちは、ひときわ賑わうカフェに入店した。

騒音を騒音と感じないベトナム人々

賑やかな音楽が流れる人気店と思い入店したそのカフェは、明るい雰囲気ではあるのだが、客はそう多くない。奥では店員さんとスタッフさんが楽しそうに談笑していて、BGMと思しき音楽は、単に入口付近でパソコンを開いた女性が個人的に音楽を楽しんでいるだけだった。


スタッフ同士の談笑を咎める人もいない


戸惑う私たちに気づいたコーディネーターが耳打ちする。

「ベトナムではこれが普通ですよ。路上でも、公園でも、カフェでも、なんなら映画館やエレベーターの中でもスピーカーで音楽を流しているツワモノが普通にいます。日常風景だしオーナーさんたちは気にも留めていませんね。時々、高級カフェなんかだとビジネスマンがいて、うるさいベトナム人に注意していたり、店員さんに注意をしてくれと怒っていたりしますかね。YouTubeなんかの動画視聴だと特に『何、見てるんだろう(こんなの見てるんだ)って思われたくない』って、だいたいの日本人なら考えますよね。私も日本での生活が長くなっているので、来日して日が浅いのか、観光客なのか…ベトナム人の周囲への無頓着ぶりに、ちょっと恥ずかしくなってしまうことがあります」

なるほど、これぞカルチャーショック!でも、せっかくカフェに来たのでベトナムコーヒーは楽しみたい。

「外のスペースはどうですか?何席か空いていたので、外の景色を見ながらのコーヒーもいいでしょう?」

甘ったるいベトナムコーヒー、独特の味わい!


コーディネーターに促され、アイスコーヒーを頼んでテラス席(?)に着座した一同の前を、2人乗りのバイクや自転車が通りすぎていく。たしかにこちらの方がベトナムらしくて良いかもしれない。

日本人は、ルールの有無にかかわらず他者への配慮を前提に暮らしてきた気がする。騒音はもちろんのこと、臭い、ゴミの処理など、人間が不快に感じる物事を暗黙の了解で控える(配慮する)生活を心がけているように思う。もちろん、社会基盤が整うにつれ体得してきたこともあるが、家庭教育が行き届いていた時分にはルールの明示も今ほどではなかったはずだ。近年は個人主義を主張しがちな日本人や、外国人(外国人観光客)が押し寄せ、ルールを示したとて守られない現状がある。

さまざまな社会課題を突き付けられた日本が、外国人を含む他者と上手く付き合っていくにはどうしたらよいだろうか。政府や社会に一任するのではなく、一人ひとりが他人任せの放任主義から目覚め、個々の課題を真剣に捉え、解決策を考えていかねばなるまい。



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