海外人材Times

外国人労働者の雇用・採用WEBメディア

検索
海外人材Times

ベトナムの数字にまつわる迷信
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの見聞録Case13

生活関連

2025.01.08

20XX年。
少子&超高齢社会を迎えた日本。
国内企業は、人材不足解消のため外国人材の活用に活路を見出していることだろう。

しかし、外国人材の活用については、労働環境の整備や異文化理解・コミュニケーションなど、課題であふれている。

果たして、企業が外国人労働者から選ばれるには?

本コラムは、外国人材の背景にある“異文化”への理解の第一歩として読んでいただきたいノンフィクションストーリーです。

キャリアアドバイザー伊能ゆりなの見聞録Case13
ベトナムの数字にまつわる迷信

私、伊能ゆりなは、日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。

日頃は外国人材を雇用する企業や雇用される外国人の皆さんをサポートするキャリアアドバイザーとして、メンバーとともに全国各地で起こる珍事を紐解き、解決しているのだが(これまでの「青山智香の解明」はこちら)、現在、弊社ではベトナム、インドネシアなど外国人材市場の開拓にも力を入れており、海外での業務も増えてきた。 今回は、ベトナム出張に際して、見聞き、体験した記録を紹介していきたいと思う。

13階がないエレベーター

残暑厳しいベトナム。日本だと、9月も中ごろを過ぎれば多少なりとも秋の訪れを感じるのだが、今日のダナンは相変わらずの暑さ。というか、ベトナムは1年を通してずっと暑い…。最低気温が20度を下回ることがほぼない、ここダナンでは、日本でいう冬の時期は暖かく、春から秋にあたる8か月間はずっと暑い!というような感じの気候だ。特に雨期を迎えたこの時期は日本の梅雨のように蒸してジメジメしている。12月を過ぎ、夏にかけては乾期となり、過ごしやすくなるので観光にはこのシーズンをオススメするが、同時に気温もじわじわと高くなるため、ベストはやはり3-5月あたりと思われる。
v

さて、そうして訪れたのはとある高層ビルにオフィスを構える人材会社。いつもはオンラインMTGで顔を合わせている相手と対面で会話できるのはなんだかうれしい。MTG後は、食事会を予定しているが確実にビールを始めとした各種アルコールが並ぶ宴が待っているはずだ。

エレベーターに乗るとオフィスのある20階を押した。ちょうど昼休みが終わる時間帯で、庫内は一時すし詰め状態となった。ここでも、私たちとは肌や髪の色が違う人々と居合わせ、ビジネスシーンでもグローバル化の波を感じる。

ようやく、前の背の高いビジネスマンが降りて行き視界が開けた。目の前にはエレベーターの階数を表すボタンが並んでいる。

「12A……?」

順番的には12の次、14の前の13を表しているのはわかるのだが、これは、一体何の取り組みだろうか。私の後ろでメールチェックをしているベトナム人の同僚のマイさんに声をかけた。

「ねえ、この『12A』って…?普通に考えて、13階を表してると思うんだけど、なんでこういう表記なの?」



するとマイさんが、ニヤッと笑って

「13階はお化けが出るんですよ」

と、いかにも怪しげな表情で答えた。

「え?!そういえば、前に、迷信を信じるベトナム人技能実習生がいたな(記事はこちら )…」

嘘だとは思いつつ、マイさんに詰め寄ろうとすると

「ほら、20階、着きましたよ。このMTG後に教えますから」

と笑って私を押し切るようにフロアに降り立った。

たしか西洋文化では「13」が嫌われると聞いたことがあるが、ベトナムのキリスト教信者はせいぜい10%にも満たないはず…。数字に無頓着な私はずんずん先を行くマイさんの後に続いた。

「ラッキー7」じゃない国、ベトナム!

MTGも終わり、食事に向かう道中で先ほどのエレベーターの『12A』について聞いてみた。回答は以下だ。

「ベトナムでタブーとされる数字は3と7。日本で死や苦を連想させる4と9を避けるのと同じく、7は漢数字の七(thất)と、ベトナム語で失う・失敗することを意味する(thất bại)の音の連想で不吉な数字とされている。3については、3人並んで写真を撮ることを嫌がったり(真ん中の人が早死にするといった迷信は日本にもある)、引っ越しや外出を避けたり(遠出=旅行をしない)する人がいる。そうしたタブーから、連番の場合13階を12Aとしたり、13階を14A、14階を14Bと表示したりすることがある。


https://www.ikemitsu.co.jp/product/333/

ちなみに、ベトナムで有名な333(バーバーバー)というビールは、合計数時が9となり、漢越語の9が、永遠を意味する語の(久)の音に似ており縁起が良いとされる中国の影響を受けている。他にも、ビジネス的ラッキーナンバーとして6や8があり、漢数字の六は(Luc)とベトナム語の(禄:Luc)と、八は(Bat)とベトナム語で発展を意味する(phat)と発音が同じため、商売繁盛のニュアンスでラッキーナンバーとされている。



ただし…。
並びが良い数字はベトナムでも好まれ、ぞろ目や(1234)などの連番は人気でナンバープレートとして高値で取引される。例えばアンラッキーナンバーの7も、ぞろ目となれば話は別。前述したような6や8が並ぶナンバーも同様に高値で売買される」

とのことだった。

どうやら、数字のタブーのような、習わしは宗教の影響などが絡んでいそうだ。この件は改めて、紐解いてみたいと思う。



『外国人材を競争力に変える法-日本企業が外国人から「選ばれる力」を持つために』 2024年6月25日より順次発売(ダイヤモンド社)
こちらのサイトにて予約受付中
団塊の世代にあたる800万人全員が後期高齢者となる「2025年問題」を目前にした今、超高齢化社会で人材不足大国となる日本で、企業が目指すべきは「外国人活用」だ。外国人の労働環境やコミュニケーションの壁を克服し、企業の成長へと導くための方法を伝授する。

外国人採用に関するオンライン無料相談やってます!

  • 雇用が初めてなのですが、私たちの業務で採用ができますか?
  • 外国人雇用の際に通訳を用意する必要はありますか?
  • 採用する際に私たちの業務だとどのビザになりますか?
  • 外国人の採用で期待できる効果はなんですか?

上記に当てはまる企業様は、ぜひ一度ご相談ください。