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女性同士のトラブルは根深い?パワハラ問題に発展したインドネシアの特定技能外国人の話
キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件簿Vol.32

生活関連

2025.05.23

これから外国人材の雇用を予定している人もそうでない人も!!

異なる人種、文化、価値観に触れる時
― 外国人って、どんな人たちなんだろう
― どんなことに気をつけたらいいんだろう
― 日本人や日本の文化をどう思ってるんだろう
などなど、不安や疑問に思うこと、ありますよね。

この記事は、実際に起きた珍事を元に、外国人雇用の現場に携わる人々の戸惑いを描き

「外国人材の皆さんと、どんなふうにコミュニケートしたらよいの?」

のヒントが隠れる、異文化理解の橋渡しを目的としたノンフィクションストーリーです。

キャリアアドバイザー伊能ゆりなの事件ファイルVol.32
女性同士のトラブルは根深い?パワハラ問題に発展したインドネシアの特定技能外国人の話

ワタシ、伊能ゆりなは外国人材を雇用する企業や雇用される側の外国人が抱える課題を解決、サポートする業務に携わる、いわゆるキャリアアドバイザー。日本で働きたいと願うひとりでも多くの海外の方に、負担のないクリーンな就職環境を提供できるよう日々、さまざまな業務にあたっている。
実はこれまでもメンバーとともに珍事の解明に取り組み、全国を走り回っている(これまでの珍事はこちらからどうぞ)。

ひとえに
「外国人雇用の現場は予想だにせぬ出来事の連続である」
今日はそうした珍事をつまびらかにしながら私たちの仕事を紹介していきたいと思う。

アニサの主張

私は埼玉の弁当工場で働いている、特定技能外国人のアニサ。出身地はインドネシア。こちらの工場で働き始めてもうすぐ1ヶ月。仕事は順調!というのも、私は前職でも弁当工場で働いており、作っている商品は違えど工程はほぼ同じなので、過去の経験を生かし手際よく各種作業を進められていることを工場長にもよく褒めていただいている。衛生管理といった食品工場ならではのルールにも慣れっこなので、仕事前後の身支度も完璧という自負がある。

工場には、元々5名の特定技能外国人がいて、そうしたメンバーとの交流も増えてきた。日本人のスタッフさんたちは優しいしよく話しかけてくれるけど、やっぱり母国語で会話できるのは気楽で楽しい。



ただ、私には最近気になっていることがある。
それは、メンバーたちがガサツなこと。私が几帳面な性格だからというのもあるだろうけど、あまりルールを順守しないタイプで、例えば手洗いひとつをとっても、ちょっとザツな気がしてしまう。
手洗いのルールは、洗剤を手に取り手のひら、手の甲、爪先、指の間、親指、手首、最後に全体をぐるりといった感じでそれぞれ10秒ずつ、つまり合計1分ほどかけて清潔にするというものだが、私より後から来たメンバーが私より先に手洗いを終えて現場に入っていくのが、どうも気に入らない。いくら食品に触れる時はビニール手袋をするから(直接、食材に手を触れることはない)と言っても、ルールはルールなのできちんと守ってほしいと思っている。

あ、ほら。また……!



私より後に来た、現場でペアとなっているサリーさんが、一応の手順は守っているもののさっと済ませて出ていってしまった。

「やっぱり、ルールはルール!明日から注意してちゃんとやってもらおう。私はいつも1番に来て、準備を始めてるから、ついでに他のメンバーもチェックして注意しよう」

こうして私は翌日から、自分の手洗いをしながらも後からやってきたメンバーに逐一指導を始めたのだった。

サリーの主張

私は特定技能外国人のサリー。今月、こちらの工場で働き始めて丸1年が経った。覚えることが多く最初こそ苦戦したものの数ヶ月で仕事には慣れ、同じ特定技能外国人のメンバーたちの中で、最年長かつ1番長くこちらでお世話になっている。おかげさまでメンバーたちの中ではリーダーシップを発揮して、ちょっとしたまとめ役を担ったりもしている。

そんな日々の中、突然、1ヶ月ちょっと前に入社したアニサさんが私の仕事ぶりについて注意をしてきた。仕事前の手洗いに間して指導することから始まり「手袋を工程ごとに替えてない」「私語が多い」「時間を守ってない」といったことまで僅かでも気になるのか、まるで管理者のようにチクチク…いや、ズバズバと指導してくる。時には大きな声で注意され、先日、入ったばかりの子はちょっと萎縮してしまっているように感じる。もちろん、元々いた私たちだって良い気はしない。

(…っていうか、そんなに言われるほどじゃないと思うけど?)

いつか言い返してしまいそうになりながら、今日も現場に向かう。



手洗い場に入ると、案の定、アニサさんが待ち構えていて自分の手洗いをしながらも隣のメンバーをちょっときつめに叱っていた。

「ちゃんと親指まで洗ってないじゃない!手首も左だけちょっとやっただけでしょう?」

注意されたメンバーは驚いて、一からまた手洗いを始めた。その様子を横目で見ていたアニサさんがややヒートアップして

「ほら、だから、それは洗ったうちに入らないって。ちゃんと10秒ずつしっかり擦って洗わないとダメじゃない!こうだよ?こう!」

まるで、言うことを聞かない子どもを叱りつけるお母さんみたいに新人さんを指導している。

すると入室してきた私に気づいたのかアニサさんがこちらを振り返り

「サリーさんは来るのが遅いですね?10分前行動しないといけないですね?」

と大きな声で言い放った。
沈黙する私。



時計は8時52分を指している。9時始業だから8時50分を目処に準備に入って5分前には作業台に集合することがルールになっている。今から手洗いなど済ませても8時55分には集合できる。あくまでもギリギリになり慌てて準備が疎かにならないよう『10分前を目安に動くように』といった通達があるにはあるといった感じだ。今日はなんだかモヤモヤする。ちゃんと規則は守ってるもの。べつにいいじゃない、そんなきっちりしなくても…。

「…っていうか、そんなに言われるほどじゃないと思うけど?」

あっ。
ついに口にしてしまった。

すると、アニサさんは鬼の形相で私を睨みつけると部屋を出て行った。

仲裁

私、伊能ゆりなは今朝、埼玉のお弁当工場に来社している。担当者の話によればアニサさんとサリーさんがちょっとした言い合いをしたとかしないとか、現場の士気が下がっているとかいないとか…で、今はアニサさんがパワハラ女と呼ばれ、彼女が原因で1名退職希望者まで出てしまったという状況だ。

話を聞くだに『どちらかが一方的に悪い』というようなことではないが、アニサさんの几帳面で真面目で厳格な性格がちょっと悪い方向に働いている感じがする。現場の空気が悪いとなれば、即座に関係者へのヒアリングと対策を取らねばならない。



入社して1ヶ月足らずで大活躍していたアニサさんには、工場での活躍ぶりを褒めつつも
・大きな声で注意しないこと(周囲にパワハラと思われている)
・気になることがあったら本人に直接注意するのではなく、現場のリーダー経由で注意喚起してもらう
ように話をして納得してもらった。

サリーさん他、メンバーについては
・ルールを自分なりに守るのではなく、客観的にみてもOKをもらえるようにすること
を伝えた。

私たちキャリアアドバイザーは、だいたい月に1度、各企業に訪問し定期面談を行うようにしているが、現場が落ち着くまでの間はこまめに訪問し、適宜各メンバーと面談をすることに一件落着した。



さて、女性同士のこうしたトラブルは、なぜか男性よりも根深いものがあるように思う。今はいったん仲裁、指導することで解決した、というか”させた”わけだが、一度表面化した諍い(いさかい)の種はいつかまた別の形で再燃してしまう気がしている。
女性は元来、誰かに世話を焼ける性格なのだ。良い意味でも、悪い意味でも—。

そんなわけで、私の所感として「女性には大なり小なり母親的DNAが埋め込まれてるのでは?」と思う今日この頃ですが、皆さんもそう思いませんか?






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