合理的にあり得ない
～キャリアアドバイザー青山智香の解明～

ワタシ、青山智香は外国人材を雇用する企業や雇用される側の外国人が抱える課題を解決・サポートする業務に携わっている、いわゆるキャリアアドバイザー。
実はこれまでも珍事の解明に取り組み、全国を走り回っている（これまでの珍事はこちらからどうぞ）。 ひとえに
「外国人雇用の現場は予想だにせぬ出来事の連続である」
今日はそうした珍事をつまびらかにしながら私たちの仕事を紹介していきたいと思う。

インドネシアで人気な日本発外食チェーン店とは？

それはインドネシア特定技能外国人スカルノさんの面接に同席したときのこと。
企業担当者から「スカルノさんはイスラム教徒だと思うけど、日本でどんな食べ物が好きなの？」と質問を受けた。すると彼女は、キラキラした目で「牛丼です！すき家のチーズ牛丼が好きです」と答えた。

↑すき家　とろ〜り３種のチーズ牛丼
https://www.sukiya.jp/menu/in/gyudon/102900/

彼、彼女らは宗教上の理由から牛肉やアルコールを摂取しない。時々、勘違いされるのだが、お肉NGのヴィーガンとは違い、牛肉と鶏肉は摂取可。なんなら、お肉は好物で日本発の同、牛丼チェーン店は東南アジアでも大人気なんだとか。

宗教や地域性、国の食文化的好みの違いから、食事に対する感覚はさまざま。
ここからは、インドネシア人が喜ぶ日本食チェーン店を紹介してみたいと思う。

1. 牛丼チェーン店　吉野家


https://www.yoshinoya-holdings.com/group/southeast_asia.html
図表からもわかるように、吉野家はアジアを中心に世界進出を図っているが、東南アジアを見てみると圧倒的にインドネシアに出店している。それだけ、牛丼好きが多いのかもしれない。

2. 牛丼チェーン店　すき家



https://www.zensho.co.jp/jp/brands/

インドネシアの首都ジャカルタに6店舗、西ジャワ州とバンテン州に4店舗出店。タイやマレーシア、ベトナムでの店舗数が上回るものの、インドネシアでもすっかり定着した、すき家。スカルノさんのように、日本食の中ではリーズナブルなこともあり、外食をあまりせず節約している特定技能外国人の皆さんも、牛丼はよく食べるようだ。

3. 丸亀製麺

https://jp.marugame.com/shop/global_shops/

丸亀製麺もインドネシアに多く出店している。1号店の出店は2013年。10年余りで100店舗を達成したほか、台湾やフィリピンなど7カ国、地域に約140店舗を展開している。日本国内ではライバル、吉野家ホールディングス傘下の はなまるうどんも2011年には海外（中国）進出を始めたが、味（を含むトッピング）など現地の流行や好みを取り入れる戦略をとった丸亀製麺に軍配が上がったらしい。

続いて、番外編としてインドネシアの皆さんによくウケる料理を紹介していこう。

番外編！インドネシアで人気な日本食

たこ焼き

定期面談で、技能実習生として来日したてのサリーさんに「最近、どんな楽しいことがあった？」と聞いたところ「たこ焼きがおいしかった！今度は、家で食べたい。青山先生、一緒にたこ焼きパーティしませんか？」と話してくれた。よくよく聞いてみると、サリーさんたちインドネシア実習生の入社歓迎会にて、企業のご好意で たこ焼きパーティを企画してくださったようで「歓迎パーティの たこ焼きがすごくおいしかった。たこ焼きはインドネシアの町にも屋台があるほど人気だが、インドネシアでたこを入手するのは難しく代用でソーセージを入れる（たこが入っているというより、タコヤキという響きのボール状の食べ物という認識）。日本で家庭料理として食べられるのはうれしい！」とのことだった。
日本の一大ブランド「築地 銀だこ」は2018年にインドネシアに進出している。「築地 銀だこと」フランチャイズ契約を結んだインドネシア大手、フーズ・ビバレッジズ・インドネシアの取締役が「銀だこ」の大ファンだったことから「銀だこ」もすっかり定着しているんだとか。

てんぷら

インドネシアには元々Gorengan（ゴレンガン）と呼ばれる揚げ物があるほど、揚げ物料理が多く、天ぷらウケは良好。ただし、日本で良しとされる天ぷらの軽い歯ざわりは、インドネシア人にとってはやや物足りないかも？
前述した、丸亀製麺や吉野家ではトッピングに天ぷらを提供するほど、よく受け入れられている料理。天ぷら料理は、鶏ささみ天や海老天など、豚肉以外の種類が豊富なため、インドネシア人の皆さんを天ぷら屋さんに連れて行くと喜ばれるだろう。

インドネシア人技能実習生・特定技能の皆さんと食事をする機会があれば、参考にしていただけるとうれしい。

終