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「知らなかった」では済まされない!「偽物在留カード」に騙されないための防衛術

労務管理

2021.07.14

外国人を採用しようとするとき、最初に確認する書類の1つが在留カードです。しかし、これがたった数千円で取引されていたり、国内外で偽造在留カードが出回っていたりすることをご存知でしょうか? 偽造在留カードに気付かずに外国人を採用すると、採用側も罪に問われる可能性もあります。騙されないようにするためには、どうすればよいのでしょうか?

在留カードとは

そもそも在留カードはどのようなものなのでしょうか? 出入国管理庁は次のように定義しています。

在留カードは,新規の上陸許可,在留資格の変更許可や在留期間の更新許可など在留資格に係る許可の結果として我が国に中長期間在留する者(中長期在留者)に対して交付されます。したがって,法務大臣が我が国に中長期間滞在できる在留資格及び在留期間をもって適法に在留する者であることを証明する「証明書」としての性格を有するとともに,上陸許可以外の在留資格に係る許可時に交付される在留カードは,従来の旅券になされる各種許可の証印等に代わって許可の要式行為となるため「許可証」としての性格を有しています。

(出典: 出入国在留管理庁「在留カードとは?」

在留カードとビザは別物です。精選版・日本国語大辞典はビザを「ある国に入国し、滞在することを希望する外国人に対して、受入国側の出先の大使館、領事館などが、旅券や、必要に応じて身元などを調べた上で発行する裏書証明」と説明しています。

在留カードは、不法滞在や就労資格がない外国人が日本で就労しないようにするためにあるとも言えますが、困ったことに、このカードの偽物が世の中に出回っているのです。

アプリでフェイクを見破れ!

近年、インターネットやSNSで安価な偽造在留カードが出回っており、それを利用して不法就労する外国人が増えています。警察庁の犯罪白書によると、偽造在留カードを使った入管法違反の検挙件数は、2015年に369件ありましたが、2019年には748件に増加したとのこと。

偽造在留カードの手口は年々巧妙になり、もはや肉眼だけで偽物と本物を見分けるのは不可能。そこで開発されたのが「在留カード等読み取りアプリケーション」です。


このアプリは、在留カードなどのICチップ内に保存されている身分事項や顔写真などの情報を読み取ることができます。読み取った情報と券面に記載された情報を見比べることで、偽物をすぐに見破ることができるように設計されており、出入国在留管理庁のウェブサイトで簡単にダウンロードすることができます。

その一方、近年は偽造ビザも大変巧妙になっています。中には、採用時にそれを見落としてしまい、後で検挙されるというケースもあります。知らなかったとはいえ、企業や団体が就労の権利を持たない外国人を雇ってしまうと「不法就労助長罪」となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(もしくは併科)を課される可能性があります。

偽造の在留カードやビザを巡る問題は「知らなかった」「気付かなかった」では済まないので、アプリなどを活用して、騙されないようにしましょう。

【関連リンク】
出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション サポートページ」 
http://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/rcc-support.html

【出典】
法務省『令和2年版 犯罪白書』(第4編/第8章/第2節/2)
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/67/nfm/n67_2_4_8_2_2.html
法務省『平成28年版 犯罪白書』(第4編/第8章/第2節/2)
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/63/nfm/n63_2_4_8_2_2.html

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