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日本人と似ているから? ベトナム人が技能実習生で一番多いワケ

2019年末時点で、約41万人の技能実習生が日本に在留しています。これを国籍別の構成比で見てみると、次のようになります。

1位:ベトナム(53.2%)
2位:中国(20%)
3位:フィリピン(8.7%)
4位:インドネシア(8.6%)
5位:タイ(2.8%)
そのほか(6.6%)
(出典:法務省、厚生労働省『外国人技能実習制度について』令和2年10月21日改訂版)

なぜベトナムがトップなのでしょうか?

ベトナム人の実習生は2014年あたりから大幅に増加しており、現在では20万人を超えています。その主な要因として次の3つが考えられます。

  • 親日国
  • 給与水準の低さ
  • 「技術を身に付けたい」という貪欲さ

ベトナムはアジア有数の親日国。バイクや家電製品などで「メイド・イン・ジャパン」への信頼が高く、街には日本食レストランが数多く並び、テレビでは日本のアニメも大人気です。しかし、これだけが実習生の増加の理由ではありません。

まじめな性格

ベトナムに進出している日系企業の中には、ベトナム人は誠実で順応性が高く、仕事を覚えるのが早いという見方があります。着物や西陣織の帯刺繍、オーダーメイド服など縫製技術の高さが定評で、ベトナム人は手先が器用なことでも知られています。

また、ベトナムの家庭は女性が中心。ベトナム戦争で男手を取られ、女性が家を守ってきたという歴史的背景もあり、同国の女性は働き者が多い傾向です。そんな女性を支える真面目な男性も少ないようで、このような国民気質が良い評判を生んでいると考えられます。

低い給与水準

ベトナム人実習生の多さは、ベトナムの平均月収とも関係しています。ベトナム最大の求人サイト「ベトナムワークス」によると、新卒者の月給は日本円で26,800円~53,500円、経験豊富な就業者でも平均月収は74,600円~106,100円とのこと。

また、ベトナム人は日本、韓国、マレーシア、台湾などに出稼ぎに行きますが、この中で最も平均月収が高いのが日本。これは最低賃金などに関する日本の労働基準法とも関係がありますが、受け入れ企業にとっては、実習生の賃金を上げることによって助成金を受け取ることができる制度があるため、実習生の賃金を上げやすくなっているのです。不正に対する厳しい取り締まりも実習生の安定した収入につながっているでしょう。

貪欲さ

経済発展が著しいベトナムでは、「日本語や仕事のスキルを身に付けたい」という向上心が旺盛な人が多くいます。

ベトナム人は社交性があり、初対面でも話しやすい特徴がある一方、温厚な見た目と違い、プライドが高く、自分のミスが他者に知られてしまうことを嫌がるという側面もあります。受け入れ企業は、実習生のプライドの高さを向上心や職場全体の士気向上につなげたいところです。

ベトナム人の宗教観

儒教の教えが強い国

ベトナムは儒教の教えが強いため、ベトナム人は教育熱心で、新しい知識を貪欲に吸収しようとします。自分自身の価値を高めることを至上命題としているとも言われますが、仕事でも勉強熱心な姿勢が期待できるでしょう。

1986年にベトナム共産党が提唱したスローガン「ドイモイ」(刷新政策)のもと、ベトナムでは、経済や社会のさまざまな面で開放が広がりつつありますが、社会主義国であるため、宗教は表立ってはあまり熱心ではないようです。

多民族国家ゆえの様々な宗教

多民族国家のベトナムで多数派を占めるキン(越)族のほとんどは仏教徒(大乗仏教)です。次に多いのがフランス統治下で広まったキリスト教で、ベトナム人のキリスト教徒の多くはカトリック信者と言われています。

このほか、近年ではカオダイ教と呼ばれる新興宗教も発展している模様。 カオダイ教は、仏教、儒教、道教、キリスト教、イスラム教……とあらゆる宗教を取り入れ、さまざまな人物を神格化して信仰する宗教。ベトナム南西部のタイニン省にカオダイ教の総本山があり、観光名所にもなっています。

ベトナムは古くから中国と関係が強かったので、伝統行事には儒教や道教の要素も根付いています。仏教の寺院にはこれらの神様も祀られており、ベトナム人は宗教に関係なく、伝統的な行事を大切にする側面もあるようです。

このように、宗教観が日本人と似ている部分も少なくないため、ベトナム人実習生と宗教をめぐり摩擦が起こりにくいかもしれません。

ベトナムの著しい経済発展

前述のドイモイ政策もあり、1990年代からベトナム経済は急激に成長し、2010年には中所得国になりました。2011年以降もASEANでトップクラスの成長率を達成しています。2018年の同国の経済成長率は7.08%で、物価上昇率は3.54%でしたが、そのほかにもベトナムの経済成長を示唆するデータがあります。

• 一人当たり国内総生産が1,000ドル突破

1990年は一人当たりの国民総生産(GDP)が98ドルでしたが、2011年には1,407ドルとなり、20年間で約14倍も増えました。

• 貧困率が58.2%から14.2%に

1993年には国民の58.2%が貧困状態にあるとされていましたが、2010年には14.2%まで改善しました。

• 全世帯の97.6%が電化

1994年、 全国電化率は14%でしたが、1998 年には61%まで急増し、2009年には全世帯の97.6%が電力供給を受けられるようになりました。

• 人口の95%が安全な水にアクセス

1990年に安全な水にアクセスできるのは全人口の57%でしたが、2010年には95%に増えました。

ベトナムの技能実習生が多い理由を見てきました。今後もこの傾向は続きそうなので、受け入れ側はベトナム人の性格や宗教観、経済事情を勉強しておくことが大切です。

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