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技能実習生「ベスト4」のインドネシアはどれくらい多様な国?

2019年末時点で、約41万人の技能実習生が日本に在留しています。これを国籍別の構成比で見てみると、次のようになります。

1位:ベトナム(53.2%)
2位:中国(20%)
3位:フィリピン(8.7%)
4位:インドネシア(8.6%)
5位:タイ(2.8%)
そのほか(6.6%)
(出典:法務省、厚生労働省『外国人技能実習制度について』令和2年10月21日改訂版)

この記事では4位のインドネシアがどのような国なのかを説明します。

多様な社会

インドネシアは面積189.08万平方キロメートル(日本の約5倍)で、約13,500の島々からなる世界最大の島嶼国家。常夏の気候で、豊かな自然に恵まれています。

外務省によると、インドネシアの人口は約2.7億人。これは日本の人口の約2倍で、中国、インド、アメリカに次いで世界第4位の人口の多さです。人口の増加は今後も続くと見られ、3億人まで到達すると予想されています。なお、国民の平均年齢は30歳前後。

国民の約86%がイスラム教

インドネシアでは公的に認められた6つの宗教のいずれかを信仰することが必要です。そのため、宗教的背景を理解することなしに、その国民性を語ることはできません。下記の通り、インドネシアで最も多いのがイスラム教で、世界最大のイスラム人口を有しますが、イスラム教は国教ではありません。

  • イスラム教 86.69%
  • キリスト教 10.72%(プロテスタント7.6%、カトリック 3.12%)
  • ヒンズー教 1.74%
  • 仏教 0.77%
  • 儒教 0.03%

約300種族、500以上の言語

民族はジャワやスンダなど約300種族からなる多民族国家で、その大半がマレー系です。総人口の6割が、全国土面積の約7%に過ぎないジャワ島で暮らしているそう。

公用語はインドネシア語。そのほか500以上の言語が話されています。大学まで進学した人の多くは英語を流暢に操り、そうでない人と話すときでも日常会話程度の英語は通じることもあります。

このように、多様な宗教や民族が存在しているため、インドネシアでは「お互いの信仰や価値観をおおらかに尊重しながら、多様性を大切にする社会」が営まれています。「他人を否定することなく受け入れる」という感覚がその根底にあるため、誰かに叱責される経験をしたことがない人が多いとか。親もあまり子どもを叱らないそうで、この点はインドネシア人の技能実習生を受け入れる際に留意しておくべきでしょう。

時間はゴム

インドネシア語には「Jam Karet」(ジャムカレット)という言葉があります。直訳すると「ゴムの時間」となりますが、「時間は伸びるものだから締め切りや、待ち合わせ時間は気にしない」というのが、その概念です。日本人の時間感覚とは大きく違いますね。

一方、インドネシア人の上下関係は厳しく、待ち合わせやイベントでは上司や賓客が来るまで待たなければならないそう。社会的地位などが高い人は威厳を保つために、わざとゆっくり来ることが多いため、このような意味でもインドネシア人は時間に柔軟と言えるでしょう。

しかし、そんなインドネシア人を受け入れる企業は、「インドネシアには人を叱る文化はない」ということを念頭に置いた上で、実習生に「時間厳守」の重要性を理解してもらわなければなりません。インドネシア人が時間にルーズだったとしても、それは文化の違い。お互いの価値観を理解した上で、日本のルールを教えてあげるといいでしょう。

気を付けるべき点は、これまで詳述しているようにインドネシア人の多くは叱責された経験がなく、人前で怒られることに対してかなり抵抗感があるということ。日本人がインドネシア人をどうしても注意する必要がある時は、別室で一対一の環境をつくり、「何が原因」で、今後「どう改善するかを具体的」かつ「穏やかに」伝える必要があります。

2000年以降、経済成長が右肩上がり

世界の主要新興国の中でインドネシアの経済の堅調さは際立っています。2000年〜2017年の間、経済成長率が一度もマイナスにならなかった唯一の新興国なのです。

最低賃金も2008年以降、毎年約8%のペースで大幅に上昇している上、国民の平均年齢は30歳以下。人口は今後も増加する見込みなど、活気に満ち溢れています。しかし最低賃金は、最も高い西ジャワ州のカラワン県で月額約3万5,836円、最も低いジョクジャカルタ市では約1万4,712円と、地域での差は大きくなっています。

インドネシアからの技能実習生の数は第4位で、日本で働くインドネシア人は増えています。インドネシア人にとって日本は出稼ぎ先としてが、それほど人気がありません。その主な理由は給与であり、日本企業の提示する金額は他国と比べて高くないのが現状です。とはいえ、貨幣価値の差から、日本の給与の方がインドネシアの最低賃金より格段に高いこともあり、日本を選択するインドネシア人がいます。

日本とインドネシアの関係

インドネシア人の多くが日本に対して友好的であり、親日国家であると言えます。その原因は、歴史的背景もありますが、クルマやバイクなど日本製品の人気が高いこと。最近では日本のアニメや漫画も好評です。

日本とインドネシアの関係を経済面から見ると、インドネシアにとって日本は最大の輸出国です。第二次世界大戦後、両国間の歴史的、経済的、政治的なつながりは一層緊密なものになりました。

非石油・ガス部門は最大輸出相手国であり、20008年7月1日には経済連携協定(EPA)を発効したことにより、鉄鋼や自動車などの貿易も増加。また、これにより2019年3月までに174名の看護師候補生と、470名の介護福祉士候補者が日本の国家試験に合格し、日本の病院や介護施設等に勤務しています。

今後もインドネシアは日本に技能実習生を送り出してくれるでしょう。受け入れ企業は多様性を尊重し、実践することが求められます。

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