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技能実習生の20%を占める中国人の特徴は?

2019年末時点で、約41万人の技能実習生が日本に在留しています。これを国籍別の構成比で見てみると、次のようになります。

1位:ベトナム(53.2%)
2位:中国(20%)
3位:フィリピン(8.7%)
4位:インドネシア(8.6%)
5位:タイ(2.8%)
そのほか(6.6%)
(出典:法務省、厚生労働省『外国人技能実習制度について』令和2年10月21日改訂版)

近年の送り出し人数では2位に位置するほど多くの技能実習生を日本へ送り出している中国ですが、実は2015年までは1位を維持していました。なぜ中国人の技能実習生が減少したのでしょうか?

著しい経済成長

最初に挙げられる理由は、「中国の奇跡」とも呼ばれる中国国内の目覚ましい経済成長です。

長い間、農業中心の貧しい国と見られていた中国ですが、2010年にはGDP(国内総生産)が日本を抜き、世界2位に躍り出ました(後述の「世界2位の経済大国に」を参照)。それまでは、賃金の低さや職の少なさから若者は海外へ出稼ぎに出ることが珍しくありませんでしたが、中国国内の賃金が上昇し、さまざまな外国企業が中国に進出した結果、国内で雇用が増加したため、日本を含め海外へ出る必要性がなくなりました。この現象は中国の技能実習生の数にも影響を及ぼし、2013年からその数は年々減少。2016年を境にベトナムが1位、中国は2位に後退しました。

中国の製造業の平均賃金(都市部)の推移(出典: 経済産業省)

1949年の建国以来、GDPの約半数を農業が占めたほど経済的に貧しい国と見られていたこともある中国ですが、1978年からの約40年間でGDPは約200倍になるほどの急成長を遂げました。これは一体なぜなのでしょうか?

当時の最高指導者である鄧小平は市場経済体制へと舵を切り、中国国内に経済特区を数か所定めました。そこに外国の資本を積極的に取り入れることで、先進国の技術移転を進め、製造業が活発化していきました。

この政策以前はGDPの約半数を農業が占めていた中国ですが、現在では約半数をサービス業が占めており、世界トップクラスの工業生産国となっています。 また、国内の労働賃金の水準は低さと人口が多さを武器とし、外国の企業を誘致して、「世界の工場」と呼ばれるようになったのは有名です。

求人数があまりに低い

これほど経済発展を遂げている中国ですが、それでも技能実習生がゼロになることはなく、海外を目指す若者がいるのはなぜでしょうか?

その主な理由は、中国国内の求人数の低さ。現在の中国では大学卒業者であっても求人倍率が1倍を大きく下回っています。2013年の大卒者のうち仕事に就けない人の割合は15%前後で、およそ100万人に上ると言われていました。

そのため、高等教育を受けた若者が国内で職に就けず、海外でのキャリアに目を向けるようになりました。日本などの先進国で得た経験や技術、知識が、帰国後のキャリア形成に役立つという見方もあり、日本を含め海外で就職する中国人がいるのです。

中国人の技能実習生の特徴

1. 人のつながりが大切

「中国人は気が強い」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実はとても情に厚い人が多いとか。中国人はお金よりも人との繋がりを大切にするとも言われており、ビジネスでもプライベートでも親しくなると、その関係を重視してくれます。中国人の技能実習生についても、こちらが真摯に指導・対応し関係を大切にすることで、深い絆を築くことができるでしょう。

2. 利益や効率を重視する一面も

中国人のもう1つの特徴として、利益を優先する傾向があります。一般的に中国人は目の前の利益に貪欲であると言われており、損得勘定で動く人が多いとか。このような観点から、賃金の話や実習の場面において、中国人の相手が損をしていると思わせないような話し方や交渉の仕方が必要でしょう。

3. 漢字文化圏

中国は漢字文化圏です。中国では1950年代に文字改革が行われ、従来の複雑で難しい繁体字から、簡略化された簡体字の導入が進められました。この簡体字は日本語の漢字と比較的似ていることから、語彙の推測もしやすく、コミュニケーションの手助けとなってくれることもあるでしょう。英語が苦手な日本人にとって、この点はありがたいかもしれません。

非営利シンクタンクの言論NPOが行った第15回日中共同世論調査(2019年)によると、「日本に良い印象を持つ」と回答した中国人の割合は45.9%で、過去最高の数字を記録しました。特に20代では約6割、さらに訪日経験がある人では約8割が「日本に良い・どちらかといえば良い印象を持っている」と回答していることから、日本への興味や関心の高さも伺えます。その反面、日本人の対中意識は悪化している様子。技能実習生が日本のことを勉強するのと同じように、日本人も中国のことを理解する必要がありそうです。

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